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死が怖くなくなった…

なんと、隠すような組織だった…

11月11日に「癌と戦い、不正とも戦う」という題目で、既に注意喚起していたことを、組織名等を秘匿して様子見させて頂いてた。

そして、以下のような記載もしていた。
「その結論が来週月曜日にわかるけど、隠すような組織だったら早々に辞表を書こうかな~♪ わたしも情報倫理や経営倫理の研究者&専門家でもあるので、不正を知ってて勤務することは出来ないので、スパッとやめようかと考えています。」

それが現実になった… 
不正との戦いに破れてしまった…
そしてその日が自分の誕生日でもあった…
きっと、そこに居てはいけないという何らかの啓示だったのだろう…

まさかこの専門職倫理のEラーニングを始め、研修や教育関係が充実している組織で、悉皆研修等かなりのノルマもかかっている中でのこの事態…

注意喚起をしても防げなかったのは事実なので、その後、まずは退職意向を提出した…
色々相談して、まずは1月後の12月15日を自分なりの退職日にしていたが、自分の仕事を放ったらかして急にいなくなるのも、残された真面目な従業員に可哀想すぎるので、抱えている仕事の引き継ぎ含めて、年末年始を挟んで1月12日に変更して、まずは退職願を提示、というか退職意向を伝える必要があるとのことで、退職意向の文面を認め、該当する上司に伝えた…

まあNOTEと言えどもSNSの一種なので、詳細な記載は機密情報の漏洩にあたるので、退職した後に、なんらかの例え話に変更して、皆さんにも考えてもらおうかな〜♪

個人的には、ビジネススクールのHRM(人的資源管理)関係のケースメソッド教材として会社名や登場人物を全て秘匿の上で作り込んで、無料で提供しようかと…
コンプライアンスや倫理教材にはなるかも…

ということで、人生のなかで、癌の宣告を受けた以上の衝撃のあった誕生日を過ごした次第…

考えてみれば、一段と高い倫理性が求められる職について、その一段と高い倫理性を判断する仕掛けというのが、今の全ての職業には存在しないんだと思いつつ、心理テストのようなものではない何らかの指標化って出来ないかと考え抜くのも、残り少ない寿命にとっては良い学習材料かも…

わたしも、癌患者になっていなかったら、こんなにスパッと辞職まで決断しただろうかと思うと、人生にはやっぱり意味あることしか起こらないのではないかと、またまたフランクルの『夜と霧』を読むと理解される人生の教訓を思いだすのみ… わたしにとっては、これも人生…

人生、何度となく読んだ本は、何度となく人生の重要な時期に現れてくるものなのだろう…

ついでに、人生のなかでみなさん倫理的判断に迷うときが何度か訪れるでしょうけど、その時に自分はどう判断するのか、それに備えて是非読んでいて欲しいのは、ウェーバーの『職業としての政治』です。

岩波文庫の翻訳本より、この日経BPの方が読みやすく訳されていると思います。

題名は「政治」という言葉が入っているけれど、これを読むと少なくとも2つの相容れない倫理的な考えというものを自覚するはずです。その2つの倫理的立場のどちら側に自分が位置するのかを考えてみると、自分に倫理的な事象が直面した時に、どう決断するのか自分自身が納得して意思決定できると思います。わたしは専門職倫理の究極の立ち位置は、この2つの相容れない倫理的立場の一つ「責任倫理」だと理解しています。

死が怖くなくなった…

本当に昨年10月に肺腺癌の宣告を受けたのは、わたしにとって大きな衝撃であり、自分の生死を真剣に考え込むきっかけだったし、他人にすがらなければ自分の命すらまともに継続すらできない、そんな打ちひしがれた時期でした…

それでも何とか生きていられるのは、周りの人のお力添えと励ましに支えられてのこと…

人間、死を意識すると一日でも長く生きていたいと本当に感じた。
そして50代後半のおっさんにも涙がでた…

全身麻酔の手術も経験し、わたしの身体から右肺上葉は役目を終えて、先に虹の橋を渡ってしまった…

手術跡の大きな身体の損傷も、その後回復してくれて、今では傷跡からは、あの痛々しさは感じられなくなっている。

右肺上葉切除手術痕

不思議なことは、あれほど死が怖かったのに、回復する度に死が怖くなくなっていくこと…

自分でも不思議なんですが、最近死が怖くないんですよね~♫
それよりも人として真っ当に最後まで生きることの方が自分の優先順位が高い…
いや~、不思議です…

こんな考えに至るのも、肺腺癌にならなかったら考えられないことだったのかも…
死期が近いと考えると、人生の優先順位も、自分が意識しないところで、いつのまにかガラガラポンされているのかも…

君は釈迦か、それとも天使か?

心配事

今でも心配なのは、手術後に右肺の気管支側が痛くなることがある。ここ2ヶ月くらいは毎日鈍痛があるのだけれど、造影剤CT検査などでは何も影が映っていないので、癌が転移しているわけでは今のところなさそう…

そして慢性的な倦怠感…

髪の毛は順調にV字回復して、今では抗がん剤で部分ハゲがあったのもわからないくらいに繁殖(?)している。

点滴での抗がん剤による副作用と思われる両足の痺れは未だ続いており、兎に角歩き回ると痺れの範囲が増えていくので、今のところは極力歩くのを避けた生活にしている。毎日近くの駅までですがタクシーを利用して、これも月額でばかにならない金額になるし…

そして寝る前には必ず足をつる…
このため正味熟睡できている時間は毎日2~3時間あれば良い方…

それに加えて、仕事が定時では終わらない…
とはいえ周りも大きな仕事を抱え、4月に入った新人さんも深夜まで帰れない有様…
わたしも体調不良のなかでも正直無理して20~21時位までは時間外対応しているけどそれでも足りないらしい…余力がありそうだからと期限設定が厳しい仕事がふられてきた… (朝は1時間早く出勤しないと、フリーアドレスで所望の場所は確保できないし、仮に21時までいるとすると、月間で60時間の時間外勤務相当になり、抗癌剤治療者には、これはきついですね~♪)

個人的には無言で返したが、業務命令なので受けざるを得ない…
心情的には、「癌患者なんて言い訳は通じないから、さっさと深夜まで働け!」と言われているような感覚で、「殺される感」まで感じながら、そこまでして働きたくはない気持ち…

そもそも高度な専門人材として雇われたはずだけど、高度な専門知識も高度な専門的な経験も生かされるような業務は回ってこない… その間、自分の専門性としての脳力は退化させられているのではないかと疑う次第…

深夜業務に対して無言の抵抗をしたけど、追い打ちをかけるように仕事に関連するセミナー参加などは慎むように言われたり、業界の最新事情に精通していないと、仕事が滞ることもあるため、仕事の合間の空き時間にはオンライン無料セミナーを聞けるように予定を入れていたりするけど(会議等で結局は何も聞けず)、それらで調査することにもクレームがきた…

仕事としても、このまま続けば最大限自分が生きられる時間が短縮してしまう…
誕生日に決断した辞意は、いつ途絶えるかわからない命を最大限伸ばしてくれるための啓示だったと理解しよう…

楽しんで露頭に迷おう…

辞めるにしても、通常だったら転職先を確保した上で、退職処理に至るのが普通の考え方かと…

でも今回は咄嗟の判断というか、先々の身の振り方は全く考えていない中、無職になることを恐れずに意思決定した…

当然ながら抗がん剤の高額医療費をどうするか、健康保険の切り替え含め、また厄介な手続きを、年末か年始かにしないといけないと思うとウンザリもする…

まあそれでもいずれ死ぬ時に「自分は真っ当な意思決定を続けてきた」と言えることの方が今の優先順位は高い…

以前入っていた転職サイトの設定を、転職希望側に選択を変更したら、特に外資系企業に明るいヘッドハント(単なる人材紹介サービスの従業員だと思うけど…)らしい人たちから、わんさかとカジュアルな面接とか簡単な面接をしませんかのメールやらメッセージやらが到着…

個人的には外資系だと、結局その外資の本社に行きたくなる性格なので、今の自分の状態だと、軽々しくはお受けできない…

とはいえ、そもそも転職においての知識や技量は認めてもらっても、その人が癌患者ということになれば、一気に採用熱は冷めると思ってますので、そもそもそれらの社の書類選考段階で落とされ、面接までには行き着かないと考えています。

語学は得意だけど、今更英語でコミュニケートできても得られるものは少ないかとも思うし、通訳や翻訳を細々とやったところで、この分野はAIがお得意とする分野なので、よっぽど賢い個性ある翻訳のスペシャリストにでもならない限りは先々厳しいかな~♪

肺腺癌のステージ3Aで5年生存率30%以下なので、自分では後3年の寿命と勝手に推測しているけど(最近のお医者さんは、あなたの寿命は◯年ですなんて、言ってくれとお願いしても絶対に言わないですよ~♪)、そう仮定すると、何とか前職の退職金+これまでの貯蓄で、仕事もせずに2~3年は細々と暮らせるかも…

その間にまた癌が転移しての手術とか抗がん剤の変更とかあると破綻するかな~♪

まあ、野垂れ死にしても、それも人生。楽しんで露頭に迷おう♪

ルーベンスの絵を見られる旅費すらも出せなくなるだろうけど…
パトラッシュ! 現地には行けなくなるけど、これで勘弁してくれ♪

なんと、kindle unlimitedで無料レンタルできるではないですか~♪

今日は、命尽きるときの予行演習としてルーベンスの画集でも鑑賞して、行った気に、失礼、逝った気になろう… パトラッシュ「いくぞ!」

お眠モードのパトラッシュ

おい、起きろ、先にいくんじゃない………………………………

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