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健康を損なう食べ物

戦後から日本人の生活は大きく変化していきましたが、
生活が豊かになるに従って、私たちの食事内容は大きく
変化してきました。
「毎日の元気の源だから、朝ごはんはしっかり食べましょう」
言われておりますが、それは必ずしも正しいとは言えないのです。
1日3食、朝・昼・夜と健康維持のために少しでもいいから
決まった時間に食事をした方がいいと考えるのも違います。

食べたいものを比較的手に入れやすくなった現在だからこそ、
食に関する知識や栄養学がより重要になっています。
元気になるために食べていたはずの食事が、実は病気を
引き起こす原因だったと知ったときに、愕然とする人が
世の中には大勢いるかもしれません。

今回は、フードプロデューサーである南清貴さんの著書、
「40歳からは食べてはいけない、病気になる食べもの」
という本について紹介します。

厚生労働省が発表している国民医療費のグラフを見れば
分かりますが、日本人の医療費は、右肩上がりで増加しています。

・・・・、それはいったい何故でしょう?

用法・用量を間違えると薬が毒になってしまうように、食べ物も
食ベ方によって毒にも薬にもなります。
毎日の食事と、日本人の医療費には深い関係性があると本の中で
説明されていましたが、食べ物に対する誤解を勉強していきましょう。






いったい日本に何が起こっているのか?

今の日本は非常に危険な状況です!
国民の5人に1人は糖尿病(またはその予備軍)であるという事を、
厚生労働省は堂々と発表していることを知っていますか?

生活習慣病の1つである糖尿病は、昔はぜいたく病と言われて
いた事もありましたが、最近では貧困層に多い病気となって
いることが大きな問題となっています。
糖尿病患者は炭水化物ばかりを多く食べて偏った食事をし、
体に必要な栄養素が足りていないのです。

糖尿病というのは、そう簡単に罹る病気ではありませんから、
5人に1人が糖尿病(またはその予備軍)という罹患率だけを
見ても、日本が相当異常な事態になっている事が分かります。

さらに、国民の2人に1人は何かしらのアレルギーを持っている
(厚生労働省、2011年発表)という報告もあり、他の国と簡単に
比較することはできませんが、国民の半分がアレルギー持ちと
いうのは、これはもう緊急事態です。

身近に存在している物質や食材に対してアレルギー症状が出ており、
その結果として、平成30年度に掛かった日本国民の医療費が
43兆円を超えてしまっていることについて、しっかり考えて
いかなければなりません。

私たちの国では、いったい何が起こっているのでしょうか?

・・・・

私たちが置かれている現状をこのまま放置していたとすれば、
過去から現在までの延長線上にある未来の日本は、さらに病人が
多い国になってしまうということを容易に想像できるはずです。



糖尿病などの生活習慣病を、病院で薬を処方してもらいながら
治そうと思っても、それは難しい話です。
生活習慣病の原因は生活習慣が悪いことなので、生活習慣を正さずに
引き起こされた病気だけを治すことなど、どんな名医であっても
不可能です。

この事実に気付いていただけたのであれば、皆さん一人ひとりが
自分の生活習慣を変えるしかありませんから、充実した人生を
送りたいと願う人にとって最も重要なことは、自分を変えて
いく決心ができるかどうかです。

5人に1人が糖尿病 (またはその予備軍) であるとすれば、
約2,050万人もの日本国民が健康を取り戻すために、
生活習慣の改善に取り組まなければいけません。

生活習慣の改善に取り組むというのは、具体的に何を指すのか
というと、私たちの日常の習慣の中で最も大きな部分を占め、
かつ健康に直結している「食習慣」を見直すことです。

過度な飲酒や喫煙、睡眠不足が体に悪いというのは
当たり前ですから、できるだけ早く改善に取り組まなければ
いけませんが、このような分かりやすい原因に隠れて、
普段の食事が体に与える影響の大きさについては、
意外に軽視されているように思います。

アメリカでは、1970年代に生活習慣病による医療費の増大が
財政を脅かす大問題となり、患者が増えていく原因を探る
ための調査が大々的に行われました。
そこで、当時上院議員だったマクガバン氏が連邦政府および
議会に提出したマクガバン・レポートの中で、「食習慣を
変えない限り、肥満人口が増え、多くの国民がガンになる。
その結果、国民医療費の増大により国家は破産する」
と警告したのです。

これは、食事と病気との関連について、初めて公的に認められた
画期的な発表だったのですが、「これまでのような肉食中心の
食習慣をやめて、野菜中心の食習慣に改めることが 生活習慣の
改善に繋がる」
と指摘をしたことで、畜産業者らの反発により
失脚してしまいました。



アメリカでは、マクガバンレポートの結果を受けて、国を挙げて
食生活の改善に取り組み、ここ20年でガンによる死亡率が
22%も減少したそうです。

日本では1977年に平均寿命が世界一になり、今も着々と
平均寿命は伸びているのですが、一方で健康寿命
(元気に自立して過ごせる期間)は意外と低く、
男性で約9年、女性では約12年もの間、長生きした人生の
終末期を不健康な状態で過ごしているという統計があります。

健康と食習慣が関連しているのであれば、すぐにでも「食生活」
見直して、改める行動を取らなければなりません。






食べてはいけない悪魔たち

食べてはいけないものについて、具体的に解説します。
まずは身の回りにある食べてはいけないものを知り、それらを徹底的に
避けることから食の改善を始めていきましょう。



・白い悪魔の3兄弟

身の回りに大量にあって当たり前に食べられてはいるが、本当は
食べない方がいい食べ物がいくつかあります。
その代表が、白米や白い小麦粉など、極度に精製された
炭水化物と白い砂糖です。

これらは「単純炭水化物」と言われる物質で、カロリーは
あってもビタミンやミネラルなどの栄養素を殆ど含まないという
特徴があります。
その特徴から、英語ではエンプティーカロリー(空のカロリー)と
言われていますが、空のカロリーを摂取すると、
私たちの体の中ではどういう事が起きると思いますか?



カロリーだけはありますから、ブドウ糖には分解されます。
ブドウ糖は体に吸収され、血糖値が上がります。
そして、ブドウ糖をエネルギー化するためには、ビタミン・ミネラル
などの栄養素が必要になってくるのですが、何しろ栄養素は
空っぽですから、この空っぽの食品をエネルギー化するには
他の食品から取ってきた栄養素を使わなければなりません。

つまり、栄養素を浪費してしまうというところに単純炭水化物の
問題があるのです。
さらにそれだけではなく、糖尿病の原因であるクロム不足に関係して
いるというのも、見過ごしておけない理由です。

ブドウ糖というのは、いつでも、どれだけでも細胞に摂り込まれて
良いという訳ではありません。
そのため、無尽蔵にブドウ糖が細胞に取り込まれないように、
細胞にはドアのようなものがついています。
そのドアのカギを開ける役割がクロムというミネラルです。



例えば、白い砂糖を摂取してブドウ糖に分解されると、細胞が
ブドウ糖を取り込むためには砂糖そのものには含まれない
クロムを使わなければいけません。
しかし、十分な量のクロムが他の食品から取り込まれているとは
限りませんから、もしクロムが不足していると、ブドウ糖が細胞に
摂り込まれなくなり、血中で大量に余ってしまうことになります。

血中で余ったブドウ糖をそのままにしておくと、やがて腐敗が
始まってしまいますから、体の中ではブドウ糖を尿に混ぜて
排泄するという作用が起きます。

この尿に混ぜて排泄する量が著しくなるのが糖尿病です。

実は、米も小麦も精製されていなければ
重要なクロム源となる食品です。
それが、ひとたび精製されて白米、白い小麦となってしまうと、
クロムも他の栄養素も含まない単純炭水化物へと
変身してしまうのです。

白い悪魔の3兄弟を摂ってはいけない理由は他にもあります。
精製された穀類は、消化が良くて短時間での吸収の度合いが
激しいので、食べた瞬間にあっという間に血糖値を
上げてしまいます。

縄文時代から人間の生活は飢餓との闘いでしたから、精製された
穀類を食べるというのは、つい最近始まった食習慣です。
ですから、私たちの体には血糖値が急激に上がった時に対応する
システムが備わっておりません。

血糖値が上がったときにはインスリンが分泌されて血糖値を
下げるといいますが、あくまでそれは緊急避難的な措置であって、
インスリンは本来そのような使い方をされるべきものでは
ありません。



・加工食品などの異常に安い食べ物

コンビニ弁当に象徴される加工食品というのは、素材そのものが
劣悪であることに加えて、大量に化学物質を使わないと成立しません。
結局、安いものにはそれだけの理由があるということです。

食品添加物などの化学物質は、生産者または販売者の利便性の
ために使われているのであって、決して消費者のために使われて
いるわけではありません。

化学薬品、化学物質を使うから商品を安く提供できるということに
なると、それが消費者にとって本当にメリットなのか
考えてみてください。
短期的には安く済んで良かったと思うかもしれませんが、
長期的に考えると大量に化学物質を使った食べ物というのは、
あらゆる病気の引き金となる恐れがあります。

目の前の安さを選択してしまったことによって、未来の高額医療費を
負担する結果になるかもしれないということを、
真剣に考えなければいけません。



・外食の揚げ物

揚げ物というのは非常に便利な調理法で、少々素材の質が悪くても
濃い味付けをして揚げてしまえば誤魔化すことができます。

揚げ油も使い古しの格安の油を使ったり、油を換える回数を
減らしたりすることで、比較的楽にコストを下げることが
できるのです。
人体に有害で安価な油脂や、トランス脂肪酸を大量に含む
ショートニングを使っている場合もあり、安くしようと思えば
どこまでも安くできるのが揚げ物です。

肉料理で揚げ物というのは、体にものすごく悪い食べ物です。
どんなに新しい油を使っていたとしても、オリーブ油以外は、
揚げた時点で激しく酸化していますので、そんな油で揚げられた
食品は、どれも過酸化脂質まみれだと言えるでしょう。

外食チェーンなど、コストカットが必須のところでは油を交換する
回数を減らすのは当たり前のことかもしれません。
まるで秘伝のたれのように、ヘタをすると何週間も揚げ油を
交換せずに、新しい油が継ぎ足されるだけという
ことだってあり得ます。
安い揚げ物にはどんなカラクリがあるか分かりませんので、
口にしない方が無難でしょう。



このように、さまざまな食べ物の危険性について説明すると、
「そんなことを言っていたら食べるものが無くなるじゃないか」
という反論を受けますが、そんなことは決してありません。

食べるものが無くなるという考えは、自分が変わらないことを
前提としているから出てくる発想です。
私たちがもし、充実した人生を送りたいと願うのであれば、
自分が変わろうとしなければいけません。

人生は長ければ良いというものではないし、多くの財産を
築いたから満足ということでもありません。

人生の土台にあるものは健康です。
健康でなければ充実した人生は送れませんので、
まずは「自分が変わろう」と考え、健康な人生を過ごそうと
努力することが大切です。


終わり

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