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図太く生きる


2023年8月28日(月)朝の6:00になりました。

世の中に、無神経ほど強いものはない。

どうも、高倉大希です。




授業をするときはいつも、生徒の脳内と対話をします。

こんなことを疑問に思うだろう、こんなところに違和感を抱くだろう。

脳内で起こることに先まわりしながら、場をつくっていくわけです。


だから、素直な質問をしてくれる人はとてもありがたいものです。

こちらの想定の答え合わせをすることができるからです。

想定とズレていたのなら、そこで調整を加えられます。


素直な質問は、リアルタイムで場に還元されます。

ひとりの勇気あるヘボい質問が、みんなのためになるわけです。

仮にそのようなヘボい質問がまわりの冷笑を誘ったのなら、それは場をつくる授業者の力量不足です。


ここで手を挙げて、ヘボい質問をしたとしますよね。「それ、さっき言ったじゃん」みたいな。「おまえ、理解度低いな」みたいな感じでみんな顔をしかめます。でも多くの場合、そういう質問の内容って、他の人も本当のところはわかっていなかったことが多いんですよ。なので、「さっき言ったじゃん」みたいな顔をしていても、心の中では「じつは俺もよくわかっていなかった。グッジョブ!」と思ってます(会場笑)。

瀧本哲史(2020)「2020年6月30日にまたここで会おう」星海社


テレビ番組において、この立ち回りをしているのが芸人さんです。

自己顕示欲を差し置いて、その場で必要な役割を担います。

わからないことがあったら、素直にわからないと言うのです。


思ったことを口に出す。

簡単なようで、想像以上に難しいものです。

どうしても、賢く見られたいという欲が勝ってしまいます。


個人よりも、全体を優先する。

そのためには、ある程度の図太さが必要です。

個人を貫く図太さではなく、全体を想う図太さです。


今日の社会では、依然として「個」の思想が強すぎるのだ。決して全体主義に陥ることなく、わたしたち個々の人間が、個体としてだけではなく、同時に「種」としての時間を生きる認識が生まれるのにはどうすればいいのだろうか。

ドミニク・チェン(2022)「未来をつくる言葉 わかりあえなさをつなぐために」新潮社


ひとりが陥った穴に、ほかの人もつづけて落ちる。

これは「種」として、もっとも防ぎたい事象です。


すばらしい能力を、ひとりだけが保有する。

これもまた「種」としては、防ぎたい事象です。


自分だけで抱え込んではいけません。

図太く生きることが、だれかのためになります。






サポートしたあなたには幸せが訪れます。