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読み終わったときに書き手と話がしたくなる文章


2024年5月1日(水)朝の6:00になりました。

僕は耳と目を閉じ、口を噤んだ人間になろうと考えた。

どうも、高倉大希です。




J.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』。

好きな小説を聞かれときは、この作品を答えるようにしています。


はじめて読んだのはたしか、高校生のころでした。

思春期真っ只中の青年に、ホールデンの言葉が見事に突き刺さったわけです。


好きな場面はいくらでもあるのですが、とくにこの一節が印象に残っています。

今でもこのページには、青い付箋が貼られています。


本当に僕が感動するのはだね、全部読み終わったときに、それを書いた作者が親友で、電話をかけたいときにはいつでもかけられるようだったらいいな、と、そんな気持ちを起こさせるような本だ。

J.D.サリンジャー(1984)『ライ麦畑でつかまえて』白水社


読み終わったときに、書き手と話がしたくなる。

まさに、サリンジャーと話したくなったのが『ライ麦畑でつかまえて』でした。


つい数年前までは、書き手は遠い存在でした。

感想を一方的に送りつけるのが、関の山というものです。


ところがSNSの普及によって、書き手と直接つながれるようになりました。

送ったコメントに返信がくるなんてことも、珍しくはありません。


僕の現場に、「ここで働かせてください」という手紙がきっかけでスタッフになった人がいます。だから僕はこういう手紙やメールが届くと、そのスタッフに聞くんです。「どういう気持ちなのかなって。すると「私にはこの人の気持ちがわかります」って言ってくれるんです。一本のメールを、どれだけ勇気を振り絞って送信しているか。自分は一通の手紙を何度書き直したことか。そんな話をしてくれます。

小林賢太郎(2024)「表現を仕事にするということ」幻冬舎


毎朝投稿をはじめて、今日でちょうど487日目になりました。

言い換えるなら、17ヶ月目に突入したというわけです。


読み終わったときに、書き手と話がしたくなる。

果たして、自分が書いた文章を読んでこう思ってくれる人はいるのだろうか。


数ヶ月前にはじめた「20分のはじめまして」で、検証したかったことはこれです。

X のスペース機能を用いて、話し相手を募集しました。


人間って、自分がしたことに対してフィードバックがあると、それによってつぎの動機が生まれるんですね。逆にいうと、フィードバックのないことって続けられない。人は、フィードバックというご褒美を得て動いているんです。

ほぼ日刊イトイ新聞(2019)「岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた」ほぼ日


募集って、けっこう緊張するものです。

誰ひとりとして、反応を返してくれないかもしれません。


そこも含めて、ひとつの大きな検証でした。

お時間をいただいたみなさま、本当にありがとうございました。


読み終わったときに、書き手と話がしたくなる。

このGWはもうひとつ、新たな試みを行います↓






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