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おもしろいはいつも不安の中に


2023年10月5日(木)朝の6:00になりました。

きみの動体視力はどうだ。そして、その目でなにを見ているんだ。

どうも、高倉大希です。




海外への旅には、不安がつきものです。

普段とはちがう異国の文化に、身を置くことになるからです。


言いたいことが、まったく伝わらないかもしれません。

身の危険を感じるできごとが、発生するかもしれません。


ただ、だからこそ「価値観が変わった」だなんてことが往々にして起こります。

新しい発見はつねに、不安の中にあるのです。


デューイは「不確定な状況」をかき乱された、困った、曖昧な、混乱した、矛盾に満ちた、不明瞭な状態、などと表現している。モヤモヤなどのわからない状態を不安と感じるかワクワクと感じるかは個人差もあるかもしれないが、わからない、わかりたいという気持ちこそが深い学びを引き起こしていくのである。

藤原さと(2023)「協働する探求のデザイン」平凡社


不安があまりにも大きいと、わたしたちはその一歩を踏み出すことができません。

だからこそ、そんな不安を上回るべつのなにかが必要になります。


それは、海外に行ったらこんなことができるという魅力的な目標かもしれません。

はたまた、信頼するだれかからの力強いあと押しかもしれません。


自分にもできそうだと思えるだけの、他者の前例かもしれません。

もしくは、自分がやらなければならないという義務感かもしれません。


頭のいい人は見通しがきくだけに、あらゆる道筋の前途の難関が見渡される。少なくも自分でそういう気がする。そのためにややもすると前進する勇気を阻喪しやすい。頭の悪い人は前途に霧がかかっているためにかえって楽観的である。そうして難関に出会っても存外どうにかしてそれを切り抜けていく。どうにも抜けられない難関というのは極めてまれだからである。

寺田寅彦(1948)「寺田寅彦随筆集 第四巻 科学者とあたま」岩波書店


不安を脇に置いて進めるなにかがあれば、その一歩を踏み出すことはできます。

踏み出しさえすれば、あとは慣性に従って進むのみです。


「経験した」という経験が、はじめに抱いていた不安をすこしずつ小さくします。

不安が小さくなればなるほど、相対的におもしろいが大きくなっていくわけです。


「不安を恐れるな」という言葉は、やや強引です。

恐ろしい不安を、いちど脇に置くことができるかどうかが大切です。


一人で生きていけることこそが、真の意味での「自立」なのだと信じ、自立していることこそがほんとうに自由な人間に必要なことなのだとうそぶく。誰にも頼れないから、ふとした時にすごく不安になることもあるけれど、その不安は「自由の代償」だと自分をごまかし、我にかえって他人に自立を求める。それが今の「大人」たちの姿です。

孫泰蔵(2023)「冒険の書 AI時代のアンラーニング」日経BP


ひとつの不安を解消すると、また新たな不安に出会います。

その不安ははじめに出会った不安とちがい、避けたいものではありません。


なぜなら、その不安が新たな発見の種であることを、よく知っているからです。

おもしろいはいつだって、不安の中にあります。






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