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音楽的コラム

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記事一覧

歌ってみたのミックスで弄れる場所(3)

 ミックスで弄る事が出来るパートは、ボーカルとオケデータの2種類だけだ。コーラスが入ればまた話は変わるのだが、大体このどちらかしか無いのである。

 基本的にオケデータはパラデータとは違い、パンニングや音量調整が個別に行う事が出来ないので、ボーカルの処理を頑張らなければならない。そもそもオケを弄って良い事なんて本当に無いので、原則ボーカルを中心に弄るのだが、オケが馴染まない理由のほとんどは実際には

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歌ってみたのミックスで弄れる場所(2)

 そもそも論の話から入るのもどうかと思ったのだが、結局現実問題としてオケに馴染まないとか、ボーカルが前に出てこないっていう悩みの大半って、使っているプラグインだとかテクニックとか以前の話なのである。

 何度も口すっぱく言っているのだが、歌ってみたで出来る事なんてそもそもミックスではなくて、オケにボーカルを乗せるだけの工程でしかなくて、それ以外の事は出来ないのである。やってる風に見えている作業工程

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歌ってみたのミックスで弄れる場所(1)

歌ってみたのミックスで弄れる場所(1)

 歌ってみたをやっている人の中で、自分でミックスをするという人は多いのではないだろうか?10年ぐらい前の環境ではミックス師と呼ばれる方々が趣味でミックスを行ってくれていたのだが、今無料でやってくれるエンジニアってなかなか少ないのではないだろうか?やってくれたとしても本当にどうしようもないようなクオリティーの物しかなくて、揉めてしまうというのが定番。まあ、もめ事という意味ではもはや有料でも揉めている

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正しいピッチとは何だろう?ってなった話

正しいピッチとは何だろう?ってなった話

 私たち音楽家は歌ものを作るとき、切っても切り離せないのがピッチ修正。特にミキシングを行う人であれば絶対避けることが出来ない作業だと思う。

 私は音楽家としては作曲家というより、ミキシングエンジニアの方が仕事があって、今まで色々な人の楽曲のピッチ修正を行ってきた。すごく簡単に作業が終わる案件もあれば、ピッチ修正だけで2時間を超えてしまう案件も正直ある。それはまあ依頼主の提出するデータによるので仕

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作曲コンペのAI事情

作曲コンペのAI事情

 AIバカみたいな記事にはしたくないのであまりこのテーマを扱うのもどうかと思ったのだが、現実の話をしたいと思う。

 24年の昨今でも、相変わらず作曲家は作曲コンペに苦しんでいる。無名の作家なんて指名なんか貰える訳がないので、どうしても作曲コンペに参加しなければならな事情がある。昨今のyoutubeで有名になってという方法もyoutube自体が飽和状態なので、結局実力の世界である。当然と言えば当然

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産学共同という低コスト労働

産学共同という低コスト労働

 産学共同という言葉をご存じだろうか?実際の業務現場へ学生が授業の一環として、企業と連携をして様々なサービスの開発を行ったり、イベントを行ったりする教育プログラムと言えば分かりやすいだろう。音楽業界でもこの産学共同による業務は行われており、未来を担う専門学生や大学生もこの産学共同プロジェクトに参加をする生徒が多い。まあ、このタイトルをつけている時点で私はこの産学共同プロジェクトというものに対して余

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名曲

名曲

 少し忙しくしている間に何故かフォロワーが増えたので、ミキシングの事や音声配信についての記事を書こうと思っていたのだが、正直まだ準備は出来ていないのできまぐれにエッセイでも書こうと思う。

 フリーランスになってから、私はテレマーケティングの仕事も請け負うようになった。というより、現場に行ってアポイントを取っている。現場ではBGMとして色々な曲を流しているのだが、時々インスト物ではなくて歌物をBG

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DTMレッスンのハードルが高いのではないだろうか?

DTMレッスンのハードルが高いのではないだろうか?

 私は接客の仕事をしており、9月までは週4で入っていた。それと同時に音楽の仕事、特にミキシングの仕事を中心に行っていたものの、最近は依頼して下さる人も増え、依頼頻度も増えており、接客の仕事を続けたままではこれ以上仕事を増やす事は厳しいと判断し、接客の仕事は週1にした。しかし、それでは当然生活を維持することが厳しい為、いっそ接客の仕事を何か別のフリーランスで出来る仕事に置き換えようと思い、現在はテレ

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最近のリバーブ事情

最近のリバーブ事情

 最近ちょいちょいエンジニアのTwitterやnote、youtubeを目にする事が増えており、そのエンジニアにリバーブの使い方について質問をしている人を見かけた。

 結構どのエンジニアも質問をされているし、それに対して答えているのだが、最近ちょっと違和感というか何というか、ちょっとモヤっとする回答を目にする。

 どういう話かというと、リバーブというのは基本的にインサートではなく、センドリター

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DTM用のサブ機(1)

 (1)とかつけてみたものの、きっと継続して書けるのはせいぜい(3)ぐらいだと思うが、私の気力が残っているうちは書き続けてみたい。

 数週間ぐらい前に私はDTM用にノートPCを中古ながら、サブ機として購入している。仕事で使うのであればそもそもノートPCを選ぶのはあまりお勧めはしたくなくて、どうしても持ち運びが必要な仕事が中心になる場合を除けば、デスクトップと比べて拡張性が弱く、移動させれば故障の

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KOMPLETEシリーズか、Total studioか

 このタイトルがピンと来る人は間違いなくDTMをやっている人、或いはこれから始めるつもりの方々ではないだろうか?

 前回執筆した記事、DTMは敷居が高いのか?というタイトルで色々書いたものの、もう少し突っ込んだ話を書いていきたいと思い、このタイトルの記事を書くことにした。

 このKOMPLETEとTotal studioはNative Instruments社とIK Multimedia社から

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DTMの敷居は高いのか?

DTMの敷居は高いのか?

 この春に心機一転として音楽をやってみよう!て人が果たしてどれぐらい居るだろうか?しかもDTMをやってみよう!なんて人は居るのかと。居ないだろうなぁ。

 大体DTMを始めようとしている人って、その前に楽器やら歌やら、何らかの音楽体験が先に来て、その延長戦でかじり始める。或いは将来的なものを考えた時に手を出すようなイメージで、「よし、今日からDTMやるぞ!」て感覚で興味を持つものではないだろう。ほ

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Waves従来のライセンスも残すってよ

Waves従来のライセンスも残すってよ

 二日ぐらい前にWavesのサブクスに関する記事を書いたのだが、あれからWaves側でサブスク一本化の撤回される形となった。

 前回の記事を読んでもらいたいとは思うものの、簡単に言えばDTM界では知らない人はいないだろうWavesのプラグインが今後サブスク一本化にするという事で界隈が大荒れしていた。今でも業界では多くの作家やエンジニアが使っているプラグインで、サブスク一本化となればOSが変わって

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wavesサブスクオンリーだって

 DTMをやっている方なら一度は耳にしたことがあるであろうWaves。私も一時期かなりお世話になっていたプラグインの会社。私が学生の頃はまだまだ高いプラグインで、でもプロは当たり前のように使っていたプラグインだったので、プロになる為の登竜門的な存在だったように思う。今となっては色々選択肢も増え、izotopeやUADなどを優先にしている人もいるし、私も今メインにしているのはどちらかと言えば、T-R

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