若月房恵

自分の言葉で、イエス・キリストと暮らす現実について書きたいと思っている、本の虫なクリス…

若月房恵

自分の言葉で、イエス・キリストと暮らす現実について書きたいと思っている、本の虫なクリスチャン。海辺に住んでいる信州マニア。

マガジン

  • 本の虫12カ月

    2024年、今年こそは読んだ本をぜんぶ記録する(たぶん)

  • 読書録

    本棚を見せることは、わたしにとって自己紹介のようなこと

  • 日本語訳

    日本語に訳したメッセージなど

  • お寺の国のクリスチャン (小説)

    留学先のアメリカでイエスキリストに出会い、人生を変えられてしまった真木さんは、じつは信州の旧家の跡取りだった。故郷で彼を待ちかまえている、封建的な家制度から逃亡すること二十年。ついに帰国を余儀なくされた真木さんは、まわりからの冷たい視線に曝されながらも、苦しみながらキリストに従う道を選んだ。じぶんの屋敷を伝道所として開放した真木さんと、その教会のひとびとについての一連の連作小説。ふふふ。

  • キリストと生きる日常について (散文)

    ただイエス・キリストと生きているわたしの日々を、誠実に、飾ることなく、じぶんの言葉で書くことが出来たなら。

最近の記事

  • 固定された記事

ジョウロのはなし

 山を下りてゆくと、ちいさな菜園がみえた。竹のはやしに囲まれて、瓦葺きの農家がたった一軒、谷戸の奥に建っている。湿った風が斜面をふいてゆく。きれいに立てられた畝に、太った白菜が育っているのを、わたしは階段のうえからぼんやりと眺めた。  畑には、頑丈な身体に、粗末な服を着たひとがいた。鍬から手を離すと、彼はわたしに呼びかけた。やさしくて、なにかを思い出すような声だった。名まえを呼ばれて、畑にあしを踏みいれる。きょうは、作物の育てかたを教えてもらう約束だった。自信はない。わ

    • 本の虫12カ月 4月

      ↓先月の分 Dear me 本屋に寄るたびに 積ん読を増やすのを、 当分止めてくださると 助かります。

      • 信州松本、PARCOと南松本のヨーカドーと井上百貨店(←new)が撤退になって、駅前のアルピコプラザは生きながら死にかけていて、どうなるのだ。やはりイオンのせいか。ふと気がついたら、なにかの局面に立っていたような。とおくからどきどき眺めている信州マニアです。

        • 「癒されるために」 ウィリアム・ブランハム

           これはウィリアム・ブランハム(1909-1965、米)の説教から、癒しに関しての言葉を抜粋した本、 ”Healing thoughts”を日本語に訳したものです。  何年前に訳したのかも覚えておらず、しかも未完です。元の本をひとに贈ってしまったので、もう終わらせることも出来ません。そんな中途半端な文章ですが、眠らせておくのも勿体ないというだけで、ここに上げてみます。どなたか必要とされている方に届きますように。 「癒しの祈り」  身体のどこが悪かろうとも、いまこそ癒

        • 固定された記事

        ジョウロのはなし

        • 本の虫12カ月 4月

        • 信州松本、PARCOと南松本のヨーカドーと井上百貨店(←new)が撤退になって、駅前のアルピコプラザは生きながら死にかけていて、どうなるのだ。やはりイオンのせいか。ふと気がついたら、なにかの局面に立っていたような。とおくからどきどき眺めている信州マニアです。

        • 「癒されるために」 ウィリアム・ブランハム

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        • 本の虫12カ月
          4本
        • 読書録
          15本
        • 日本語訳
          5本
        • お寺の国のクリスチャン (小説)
          39本
        • キリストと生きる日常について (散文)
          61本
        • クリスチャン短歌
          30本

        記事

          はるかに大きな、 大きな

           「あなたはわたしに  悪事を企みましたが、  神はそれを善に  変えてくださいました。」  ヨセフはそう言った。じぶんに嫉妬し、憎しんで、挙げ句の果てに奴隷商人に売り飛ばした、みずからの血肉、血の繋がった兄弟たちに。  -あなたがわたしを憎んで、苦しめてやろうとしたことを、神さまは良い結果のために 用いてくださったのです。わたしが売り飛ばされたおかげで、多くの民の命が救われました。  簡単に言える言葉ではなかった。苦しみと葛藤であがなった、一世一代の赦しのことば、

          はるかに大きな、 大きな

          もう半分の痛み ―アレクシエーヴィチを読みながら―

          子どもを上手く寝かしつけられなくて、 何も書けない日が続いている。 この記事は、下書きに眠っていた。 去年の夏に書いたらしい。 なんで投稿しなかったかは、 もう覚えていない。 三冊目のアレクシェーヴィチである、 「チェルノブイリの祈り」を まだ最後まで読みおわっていなかったなあ、 と罪悪感を覚えながら。 *  わたしは痛みを知らないらしい。  十代の頃のこと、毎年夏を過ごしたアメリカの教会に、介護を必要とする、ひとりの高齢のおばあちゃんがいた。彼女が淋しくならないよう

          もう半分の痛み ―アレクシエーヴィチを読みながら―

          「愛」 ジョージ・ハーバート (日本語訳)

           シモーヌ・ヴェイユの本に出てきた 彼女が愛した詩、 ジョージ・ハーバート (1593-1633) の 「愛」  さっき岩波のイギリス名詩選を 読み返していたら見つけたので、 友だちに見せようと、 じぶんでも訳してみることにした。 愛がわたしを迎えてくれた。けれど罪と塵で埃まみれのわが魂は後ずさりした。  一歩踏み入れて怯んでしまったわたしを、愛は目ざとく見つけると、 近寄って、やさしく訊ねた、 「なにか足りないものでもあるのかね」 「お客さまが、ここにふさわしいお

          「愛」 ジョージ・ハーバート (日本語訳)

          本の虫12ヵ月 3月

          ↓2月の分 大量消費みたいな、 いまのじぶんの読み方に疑問を感じて、 すこしペースを落としている (またはさぼっている)。 図書館で借りてきた本を、 期限内に読みきるのは良いことだけど、 こう首狩り族みたいに、 大切に読むべき本を読み飛ばすのは、 じぶんの為にならない。   ……と思っていたのに、 後半に結構追い上げて、 今月もかなりの数を読んだ。 ↓next month

          本の虫12ヵ月 3月

          砕かれる (短編小説)

          これを二年前に書いたとき、 「今回のは素晴らしいよ!」 と牧師が初めて褒めてくれました。 「心砕かれるための学校」について、 その学校の先輩である彼と 話し合ったことがあった からかもしれません。 その学校に入ったつもりでいて、 わたしはまだまだ塊のままです。 わたしもあんなふうに、 柔和に、キリストを映せるように なりたいのですけれど。 そのことを思い出して、 未熟な文章を整え、 すこし書き直してみることにしました。 「これは頭脳だけの宗教じゃないんだ。 じぶんの身

          砕かれる (短編小説)

          All is well

           いつの頃からだろうか。どんな愚痴を牧師に宛てて書いても、「All is well」としか返ってこないようになった。  牧師に愚痴を言うなんて、ですって?  そう、わたしも愚痴という形で書いていたわけではない。でも「何々について祈ってくださいますか」と言いながら、クリスチャンは愚痴を語りがちなのだ。  祈りのリクエストという名の愚痴、またはゴシップ、それから自慢話。  All is well「ぜんぶ大丈夫だよ」  どれだけ長い文章を送り付けても、答えはそれっきりだっ

          安房を旅して

           関八州をひとつずつ数えてみると、千葉県だけ三つに分かれているのに気付く。  どこまでが上総で、どこから安房なのだろう、とつぶやきつつ、房総半島を旅した。  鴨川シーワールドのシャチショーは、3月16日14:00の回を最後に、当分のあいだ「動物の事情により」中止になったらしい。  その最後の回を見た。  水族館好きの夫と、海の生き物好きの息子にとって、待望のシャチショーだった。  ショーが終わったあと、「ぼくは恐竜よりもいちばん、シャチが好きになったよお」と息子は

          安房を旅して

          ちいさな証し

           どんなにちいさくとも、神さまのしてくださったことには、感謝して、証しをしなさいと、いつか誰かの言葉を思いだしながら書いてみる。  じぶんのことばかり語りたくない、と最近思う。語りたいのは、キリストのことだけ。言葉が表面的にならないように、じぶんが生きて、体験したことばを書きたい。けれどすべての行き着く先がキリストでなくては、書くことなど虚しい、とコヘレトの書みたいに思う。  だからいまから書くのは、わたしの話というよりも、わたしの暮らしを恵みによって保ってくださって

          ちいさな証し

          メアリが信じていたもの

           「神を信じる人と、頭のおかしい人との違いは紙一重だ」  そうナイジェリア人のKさんの台詞を訳し終えたとたんに、背後からくすくす笑いがした。分かってる、これは中国人のFさんだ。元の英語では誰も笑わなかったのだから、わたしの訳が飛んでいたのだろう。意訳と誤訳の違いだって紙一重だ、とこのハチャメチャな通訳は思う。    でも確かにそうだ、と思う。おかしいかもしれない、と思ったことはある。この前、わたしは聖書のすべてを、神のみことばとして信頼しています、と人に言ったとき。本を

          メアリが信じていたもの

          本の虫12か月 2月

          ↓1月の分  ↓next month

          本の虫12か月 2月

          わが半生 ウィリアム・ブランハム (日本語訳)

          これは筆者が、何年も前に翻訳した、 ウィリアム・マリオン・ブランハム (William M. Branham アメリカ、1909-1965) による一説教の全文です。 どなたか探されている方の、 お目に止まりますようにと祈りつ、 ここに掲載することにいたします。 大変長い説教の書き起こしを 翻訳した文章ですので、 お読みになられたい方は、 どうぞご自由に 印刷等なさってください。 Life Story Preached on Sunday afternoon, 19t

          わが半生 ウィリアム・ブランハム (日本語訳)

          ななねんめ、 夢十夜に行く

           ななねんめの結婚記念日。 おばあちゃんたちに子どもを預けて 神奈川県湯河原町の 『夢十夜』という コンセプチュアル旅館に ふたりで行きました。 ななねんかん、わたしたちと 共にいてくださった神さまが これからも日々助けてくださいますように

          ななねんめ、 夢十夜に行く