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天使の囀り/貴志祐介(1998/07/01)読書ノート】

北島早苗は、終末期医療に携わる精神科医。恋人の高梨は、病的な死恐怖症(タナトフォビア)だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンでいったい何が起きたのか? 高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか? 前人未踏の恐怖が、あなたを襲う。

貴志祐介先生は、日本の文化がどのように進化してきたかについて話しています。かつては古典をより身近に感じることを目的として始まった日本の文化ですが、時代が変わるにつれて、その役割も変化し、今ではエンターテイメントの最前線に立っていると述べています。貴志祐介先生は、これが日本の強い文化的アイデンティティーを形成していると感じています。
さらに、貴志祐介先生は文章を書くことの重要性に触れています。彼は洗練された文章や飾り立てることに囚われず、実用的でシンプルな文章を心がけるべきだと助言しています。特に、日本語での書き方には、英語とは異なるアプローチが必要だと述べ、動詞だけで充分なこともあると指摘しています。貴志祐介先生は、自由に多くを書き、経験を積むことが重要だと考えています。
新たな挑戦と探求
貴志祐介先生は自身のキャリアにおいても、これまでとは異なる新しいことへの挑戦を望んでいます。ジャンルを超えた作品への挑戦や、新しい分野への進出を例に挙げています。これは、彼が文学という形態を通じて、常に新しい地平を探求し続けたいという願望を表しています。
本の普遍的価値
最後に、貴志祐介先生は本の持つ普遍的な価値に言及しています。どこに行っても、本は常識を超えて新しい知識や視点を提供してくれると述べています。彼は、本を通じて人々が共感し、新しい発見を共有することができると信じています。
貴志祐介先生は、日本の文化の変遷、文章を書くことのアプローチ、新たな挑戦への意欲、そして本の価値について語っています。彼の話からは、変化を恐れず、常に新しいことに挑戦し続けることの大切さが伝わってきます。

物語の主人公は精神科医の早苗です。彼女の恋人であり作家の高梨は、アマゾンでの調査をレポートするために現地に向かいます。二人は定期的にメールを交換していましたが、ある時を境に高梨からのメールが途絶えます。高梨が日本に戻ってきた時、彼は以前とは大きく変わっており、「天使の羽音」が聞こえると言い出します。
その後、主人公の周りで凄惨な事件が次々に起こります。高梨の変貌、天使の羽音、そして起こる事件。これらがどう関連しているのか、オカルトなのか人為的なものなのか、物語を読み進める中でドキドキさせられます。
物語自体の面白さはもちろん、小説内で触れられる様々な知識、特に古代の蛇信仰や医療の神様アスクリピオスに関する話は非常に興味深いです。ただし、少しグロテスクな描写もあるため、苦手な方は注意が必要です。
『天使の囀り』はホラー好きだけでなく、多くの読者を楽しませる作品です。貴志祐介の独特な世界観を味わいたい方は、ぜひ手に取ってみてください。



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