かつて高校生だった私へ 何者でもない私より
晴天に恵まれながらも寒さは容赦なくやってきたその日、私はまた一つ未来に足を踏み入れた。
桜はまだ咲かない。北風がセットした前髪をかき混ぜて走り抜けていく。数ヶ月ぶりに顔を合わせた友達ときゃあきゃあ騒いで写真を撮り、実感ないねーなんて中身のない話に興じる。
あの小さな世界から自分の居場所がなくなって から、早くも5年半が過ぎていた。かつての私は生きるモチベーションなど持ち合わせていなくて、明日の朝が来ませんようにという絶望を煮詰めたような祈りだけがそこにあった。
ただ日々を