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「例えばだよ、世界中の人がみんな幸せになることができると思うか?」 他愛もない世間話をし…
「だからぁ、違うって言ってるでしょ。そんなんじゃないの。あれはただの友達だって。うん。そ…
トモヒロには悪いが、おれはエミちゃんのことが好きになってしまったようだ。 「あ、そうそう…
「あんたねえ、はっきりしなさいよ」 短く切りそろえた髪、日に焼けた肌。 恐らく運動系の部…
ダイエットと健康のことを考えて最近は水を飲むようにしている。 最初こそ味がなくて物足りな…
時計を見ると14時12分だった。 約束の14時半までには、まだ時間がある。 平日午後の喫茶店は…
我慢の限界だった。 あの男の傍若無人な振る舞いは目に余る。 欲望はとどまることを知らないようだ。 母はそんな様子を咎めるようなこともせず、ただただ粛々と受け入れていた。そんな感じだからあの男にいいように使われるのだ。 こんなことをされて悔しくないのだろうか。 最近は妹の調子も悪く、あの男の怒鳴り声を聞くだけで具合が悪くなっていた。 以前、あの男がいつまでうちにいるのか母に尋ねたことがあった。 母は「あの人がいたいだけいてもらいます」と答え、わたしは暗澹とした気持ちにな
あいつが逝ってから、どのくらい時が経っただろう。 トロくて、賢いやつではなかったが一緒に…
突然、凍てつくような水が身体を包む。 急激な温度変化に細胞全体が驚いて、これでもかという…
険しい表情をしたおじいちゃんが部屋の奥から出てきた。 白のランニングに茶色のスラックス、…
これ、好きじゃないって言ったよね。 わたしは目の前に出された皿をひっくり返した。 派手な…
電話をかけようと思っているのだが、身体が言うことを聞いてくれない。 さっきから彼の名前を…
ちっ、油断していた。 まったくの不意打ちだった。 こんなタイミングで攻撃を受けるとは思わ…
「そういばさ」 「ん?」 「めざしってどんな魚?」 「は?」 「え?知らないの?」 「いや、そういう問題じゃなくて」 「じゃあどんな魚?」 「あのなぁ、めざしっていうのは魚の名前じゃなくて、いわしを串とかで刺したやつのことをいうんだよ」 「え!そうなの!?」 「ホント何にも知らないんだな」 「じゃあさ、上等なめざしってどんなのかな?」 「上等なめざし?鮮度がいいとか?」 「なるほどねー、食べてみたいな。期待のめざし」 「それは眼差し(まなざし)って読むんだよ!」