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「例えばだよ、世界中の人がみんな幸せになることができると思うか?」 他愛もない世間話をし…
「だからぁ、違うって言ってるでしょ。そんなんじゃないの。あれはただの友達だって。うん。そ…
トモヒロには悪いが、おれはエミちゃんのことが好きになってしまったようだ。 「あ、そうそう…
「あんたねえ、はっきりしなさいよ」 短く切りそろえた髪、日に焼けた肌。 恐らく運動系の部…
ダイエットと健康のことを考えて最近は水を飲むようにしている。 最初こそ味がなくて物足りな…
時計を見ると14時12分だった。 約束の14時半までには、まだ時間がある。 平日午後の喫茶店は…
我慢の限界だった。 あの男の傍若無人な振る舞いは目に余る。 欲望はとどまることを知らないようだ。 母はそんな様子を咎めるようなこともせず、ただただ粛々と受け入れていた。そんな感じだからあの男にいいように使われるのだ。 こんなことをされて悔しくないのだろうか。 最近は妹の調子も悪く、あの男の怒鳴り声を聞くだけで具合が悪くなっていた。 以前、あの男がいつまでうちにいるのか母に尋ねたことがあった。 母は「あの人がいたいだけいてもらいます」と答え、わたしは暗澹とした気持ちにな
あいつが逝ってから、どのくらい時が経っただろう。 トロくて、賢いやつではなかったが一緒に…
突然、凍てつくような水が身体を包む。 急激な温度変化に細胞全体が驚いて、これでもかという…
「どうしてこんなことを?」 戸惑うように女性はつぶやいた。 「なぜそんな顔を?ぼくはキミ…
「神様って和食食べるのかな」 「何だよ、急に」 「なにせ神様だもんね。きっといいもの食べ…
険しい表情をしたおじいちゃんが部屋の奥から出てきた。 白のランニングに茶色のスラックス、…
これ、好きじゃないって言ったよね。 わたしは目の前に出された皿をひっくり返した。 派手な…
電話をかけようと思っているのだが、身体が言うことを聞いてくれない。 さっきから彼の名前を表示させては消すを繰り返している。 あのケンカからもう1週間以上経つけど、電話はおろか、メールもLINEもしていなかった。 きっかけは小さなことなんだけど、お互いに意地を張って仲直りできずにいた。頑固な自分の性格が恨めしい。 彼が謝ってくれればいいのに。 そう思っていたけど、そろそろこの状況には耐えられそうになかった。 わたしから謝った方がいいかな。 再び深呼吸をして、彼に電話を