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空き家の活用方法その1「村全体をホテルに!」

 山深いところで密かに息をしている空き家。そこには、大切な家族との思い出がぎっしりと詰まっている。

でも、そこにはもう誰も帰ってこない。

 「田舎での暮らしがキツくなってきたから、山をおりようか。」「そうね。もうここまでかもね」と大事な物だけを持ち、山を下りる。そして、街中に家を建ててそこからまた新しい思い出を築いていく。

 あるところでは、高齢化や人口減少に伴い限界集落になっているところもある。そういったところでは、たくさんの空き家を今後どのようにしていくか頭を抱えている方もいる。

 「700人の村を1つのホテルに」というコンセプトをもとに一つ一つの空き家を客室として利用。あえて客室内には温泉や土産物店をおかずに、村の温泉施設や道の駅を使用いただくよう誘導するシステム。そうすることで、村全体を1つのホテルにみたてた。これは、地域再生モデルの1つとして山梨県小菅村が行っている。


 ホテルに到着すると村の案内人がお待ちかね。ホテルの経営も村人。朝早く起きて出迎えてくれる方もこれまた村人の案内人。昔から住んでいる方でしか知らないようなワクワクする散歩道。そこで新鮮な空気を吸って心が洗われる。また、神聖な森にひそっり佇んでいる神社でお参りをしてから、朝ごはんをいただく。地元で採れた野菜や魚を使用した健康的な食事。これぞまさに地産地消。エネルギーを補給して少し時間を空けたら、地元の温泉に入りにく。もう何も言葉が出ない。天に昇る感覚。「あ〜気持ちいい〜〜〜!生きててよかった。」毎回、温泉に浸かるたびに思うのだ。帰り際に道の駅でお買い物。村の特産品を目当てに猛ダッシュ。「よし!ゲットだぜ。」
体もクタクタになったところで、ホテルに戻り缶ビールを横に夜の星空を見上げる。「綺麗だ。本当に君(星)は綺麗だ。」時間を忘れてただひたすらにビールを呑み、星を見ながらつまみを食べるこの時間もたまらない。ゆっくりと村全体を堪能し、非日常の感覚を味わって気がついたらもう最終日。村の皆様ありがとうございましたとお礼を言って旅は終了。こんな素敵な時間を過ごせるなんて贅沢だ。

 観光客がたくさん訪れてくれたら地域も潤う。そして、村全体が活力を取り戻していき、村で生まれ育った若者の就職先も増える。また、賑やかで笑顔溢れる村になれば、そこでの新しい思い出が作られ、村での時間がまたゆっくりと動き出すことでしょう。

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