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IDPと紐付ける『プレイヤーレビュー』

日本では選手の成長度や現在のプロファイル、そしてアクションプランなどを選手と一緒に振り返る『プレイヤーレビュー』はどれだけ行われているだろうか。イングランドやウェールズリーグではクラブにもよるが、シーズンに2回程プレイヤーレビューが行われるのが一般的だ。

以前、奈良クラブアカデミーが個人分析レポートを使って各選手の振り返りを行っているのを見かけたが、奈良クラブアカデミーのように選手1人ひとりと定期的に振り返りを行っているクラブは日本ではあまり多くはないのかもしれない。

私が高校生の頃に所属していたユースチームでもこのような取り組みはなかった(7年以上前なので、そもそもプレイヤーレビューというものが一般化していなかった時代)。1つ覚えているのが、冬の遠征先での監督との1対1での面談でサッカーの話だけではなく、学校の成績や将来の目標や夢などについて話したことはあった。しかし、それもどちらかというと進路指導のような教育的な意味合いの方が強かったように感じる。

どうしても日本では大会の数も多く、1年を通じてほとんどオフがないため、プレイヤーレビューのように選手1人ひとりと振り返る時間がないことは背景として考えられる。更には、1つのチームに対してスタッフが足りていないため、指導者が複数のチームを担当していて選手1人ひとりと向き合うほど体力と時間がないことも現状としてあるだろう。例えば、100人以上の部員を抱えるサッカー部の場合に選手1人ひとりと向き合うことはほぼ不可能に近い。そういった社会的背景もあって日本ではプレイヤーレビューが導入されづらいのかもしれない。

そもそも、イングランドやウェールズでは1人のコーチが30人以上の選手を指導することはまずない。そういったチームの構造的な違いもあり、イングランドやウェールズではプレイヤーレビューが広く活用されているのかもしれない。今回はそんなプレイヤーレビューについてまとめていく。

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