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部下が求めていることはそこではない

部下が求めていることは実は小さなことばかり

社員や部下の気持ちがわからなくて困っているという上司の方の悩みをよく伺いますが、ズレてるなと感じることが多いです。

部下の働きに報いてあげようと思い、

・昇格させて役職をつけてあげた
・昇給をした

といったことはよくある話です。

部下本人もそれらが決して嬉しくない訳ではないものの、求めているのはそこではないというミスマッチをよく見聞します。

実際に、昇給した翌月に退職されてしまったという経験を持つ経営者の方も多いのではないでしょうか。

部下が求めているのはお金や肩書だけではないのですね。
特に女性の部下はそうした傾向が強い気がします。

役職を与えられることでは、

・残業代がなくなり、手取りが減っては困る…
・仕事が増えるのは困る…
・プレイヤーとして仕事をしたいのに…
・仲間との関係性の変化に戸惑う…

こうしたこともありますので、良かれと思って待遇だけを見直すとかえってモチベーション低下を招くことがあります。部下が求めているのは待遇とは限らないのです。

また、待遇以外では、世の中にモチベーションアップに関する施策はたくさんありますが見当はずれのことも多い気がします。

部下といっても大人の人間です。パブロフの犬ではないので、AすればBになるという効果はほとんどないのではないでしょうか。もしそうした施策を導入しようと考える際には自社に合っているのかをよく検討することをお勧めします。

それよりも、モチベーションを下げる要因を排除していくことの方が現実的で大事ではないかと思います。お金もかかりません。

部下の不満の具体例

自社の職場はどんな状況でしょうか。実際に私が関わってきた会社での社員の方々の不満の具体例の一部を紹介します。

・毎日、お昼休憩を取る時間がない
・共有して欲しい情報を上司が抱え込んでいて、いちいち確認しないといけない
・頼まれた仕事を終えた時に、感謝の言葉もなく、重箱の隅をつつかれるようなダメ出しばかりされる
・ある日突然新入社員が入社してきて教えてあげてと言われる
・マニュアルを作れと言われてもそんな時間はとてもない
・社員、部下として大切にされている実感を感じられない
・上司の実務知識のレベルが低い
・上司がクレーム対応から逃げて丸投げされる

お金や役職で満足できるものではないものばかりですね。

部下がストレスや不満を感じること

抽象化すると以下のような特徴が見えてきます。多くの職場で部下が感じるストレスの原因としてよく聞くことではないでしょうか。

・業務の負担を増やされ続けて迷惑している
・情報共有してくれない
・上司のものの言い方が気に入らない
・上司から責任感を感じられない
・実務者として尊敬できない
・困っていることに気づいてもらえない
・意見を言っても聞き入れてもらえない
・大切に扱われている気がしない

経営者、上司の立場にある方でこれらに複数心当たりがあったら真剣にマズいです。退職予備軍が控えているかもしれません。

ただ、自分では気づけない場合も多いのでしょう。明らかなハラスメントをした覚えもないし、その場では部下もわかりましたと言っているから何か問題があるとは夢にも思わないのです。

ですが、こうしたことが積み重なるといずれ部下も許容量を超えて、辞めようという固い決心をするのがオチです。そして、退職の申し出に際しても部下は絶対に本音は言わないので、いつまでも同じことを繰り返すことになるのです。

頭でっかちなリーダーにならないために

世の中にはリーダーシップに関する多くの情報が溢れています。SL理論やらオーセンティックリーダーシップやら〇〇〇やら…。

どうにか職場を良くしよう、部下を育てようと真面目に考えて、リーダーとして日々見識を高めることはとても大切なことですが、肝心の目の前にいる部下がどう思っているのかに無関心なままで、いくら高尚な学びをしたところで何の役にも立たないのが現実です。

上司として心がけること

では、上司としてどうすればいいのかということですが、簡単です。部下に興味を持ち、自分の日頃の言動がおかしくないか幽体離脱して客観視してみることです。

もし、考えてみて自分で気づけないようなら、部下に指摘してもらうことです。その際は黙って聞くだけです。間違っても怒り出すようなことがあればその部下から見限られます。

部下が求めていることは上司としての日常の立ち振る舞いを改めて欲しいことです。

上司は何か特別なことをして良くしようと思わず、部下にストレスを感じさせる日々の言動、態度、姿勢に気を付けることです。

コミュニケーションは接することだけではない

さて、部下がストレスや不満を感じる具体例も見ました。結局のところ、言葉の選び方、発し方に始まり、情報共有の大事さ、責任感といったことを意識して気を付ければできることばかりです。

つまりは、コミュニケーションの在り方の話になるのですが、こういうと日頃からコミュニケーションは取っていると仰る方は多いのですが、コミュニケーションの中身をよく考えていない場合があります。

コミュニケーションを分解すると、以下のように分けられます。

・会話
・メールやチャット上のテキスト
・態度などの非言語
・身だしなみなどのビジュアル

会話では、わかりやすい言葉を使っているか、威圧的でないか、一方的に話してないか、情報が非対称のまま話していないかがポイントです。

テキストでは、簡潔でありながらも背景や感情も読み取れるような配慮が重要です。メールやチャットでは面倒くさがらずリアクションを取るべきです。ほんのひと手間で印象が異なります。

態度は横柄で尊大でないか。黙って指示したことだけやっていればいいといった態度で接していないでしょうか。自分がされたら嫌な態度は人にもしないことです。

身だしなみが整っているかです。おしゃれである必要はありませんが清潔感があり、だらしない印象がないか、体質の問題もあるかもしれませんが口臭などにも気を付けたいところです。女性の部下などは不潔さで生理的な拒否反応を示します。

特に言葉は大事です。何気ない一言でカチンとさせて、人によっては恨みを抱く部下もいるかもしれません。

部下と言えども他人を不快な思いをさせない気遣いをしていれば、それだけで部下との関係性も良くなるものです。部下が求めていることは、日々の小さなやり取りを見直して欲しいということです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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