新小２の息子が新学期を迎えた月曜、早くも息切れと必要以上の心臓の脈打ちを感じている。
今週は夫が社員旅行で、金曜の夜までいないのだ。

我が家は夫が担当してくれている家事が比較的多い。
植物の水やり、ごみ出し、週末には料理を作ってくれることもある。

ささいなことだが、毎日の負荷は普段よりいくばくかかかる。
溜まった洗濯物を洗いに出し、掃除機をかけ洗い物をする。
台所用の消毒液が底を尽きそうなので、スマホの買い物メモに加えておく。

加えて、やはり息子の新学期だ。
仲良しの子と同じクラスになったそうで、疲れたと言いつつも晴れやかな顔をしていた。

午前に帰宅し、早速ニンテンドースイッチを起動する息子を横目に、まずは折れ目やよれのない教科書に油性ペンで組と名前を書く。

プリントやチラシを仕分けながら目を通し、すぐ提出する書類は記入。
そのなかに今日提出するはずの書類があり、「なんで出してないの〜」とげんなりする。
明日の朝出すよう息子に声かけせねば。
週末までに出せばいい書類は即、後回し。

明日の持ち物に目を通し、ぞうきんの補充が足りないため買い物メモに追加する。
お道具箱の中身も、今日中に息子と一緒に改めなければいけない。
算数ブロックとクーピーは出しっぱなしだ。

黄と白のツートンカラーをした算数ブロックは、麻雀の雀牌に似ている。
我が家は息子含め、夕食後よく麻雀をする。
昨日卓を囲み、久しぶりに大勝ちしてニッコニコだった夫の笑顔がよぎった。
帰ってきたら間違いなく、私も息子も「麻雀しよう」と口にするだろう。

昼ごはんに冷凍のオムライスを用意し、私は食欲がないので一旦パスする。
午後イチでスーパーとドラッグストアへ向かい、日用品の買い出しをした。

外に出るとすっかり空気は緩み、陽射しの暖かさが息苦しさを和らげてくれた。
残雪が解けきったら、広い公園まで足を伸ばしたい。

息子に頼まれ、エバラの「焼肉ザクだれ」という瓶詰めの調味料を買う。
「食べるラー油」の親戚みたいな中身だ。
明日あたり、絹豆腐にそのままかけて一品にしたい。

帰宅するとさすがに胃の中に物足りなさを感じた。
備えてある「やき弁（ペヤングの北海道版みたいなインスタント麺）」を手早く作る。

「湯切りが見たい」と息子が見学に来た。
いつも見ている大食い系YouTuberが、湯切りのシーンをカットしているためらしい。
子どもは妙な部分に興味を注ぐものだと、自分の幼少期をなんとなく思い出した。

飛行機の乗り継ぎ中に夫がLINEを送ってきた。
目まぐるしいとこぼすと、無理のないよう、息子のゲーム時間をゆるめてもいいとのお達しが出た。

やき弁こと、焼きそば弁当をすするひとときは、息子と会話のラリーをせずに済む。
いつもよりゆっくり食べた。

息子はなぜか、ラスボス前まで大方やり尽くしたドラクエ11を再プレイしていた。
巨大なクモのボスに勝てず、あえなく全滅。

「そこ、推奨レベルどのくらいだっけ」
食べ終えてから攻略サイトを見てみると、１番レベルが低いキャラと10の開きがあった。
「それは全滅するわ！」

ドラクエはレベルを上げながらお金を稼ぎ、装備を整えてあげれば乗り越えていける。
日常にボスや特別なイベントはほとんどないけれど、地道な積み重ねは家事に通ずるものがある。

見かねた私は息抜きと息子とのコミュニケーションがてら、探索し忘れている町を歩き回り、ダンジョンにこもってレベル上げを手伝った。

私がRPGで重視するのは、こまめな回復だ。
僧侶系のキャラには、ボス戦はもちろん、通常戦闘でも回復優先の作戦「いのちだいじに」を課す。
ドラクエ11ではセーニャという清楚系の女の子が主な回復役で、夫と息子のお気に入りでもある。

私の日常の作戦は「いろいろやろうぜ」だが、今週は「いのちだいじに」かもしれない。

レベル上げの末、ボスは楽勝で倒せた。
そのうち「おなかすいた」と言い出す息子。今日は手間暇かけた料理を作る余力はない。
せいぜい塩ラーメンにゆで卵をつけ、昨晩夫が切ってくれた小ねぎを散らすのが精一杯だ。

食後は息子が明日持っていくお道具箱や、教科書類、ほかの持ち物を揃える。
夫と短いLINE通話をして、旅行先の景色を見せてもらった。
普段いろいろ頑張って、助けてもらっている分、ゆっくりしてきて欲しい。

11時前に帰ってきた息子とのやりとりが多すぎて、さすがにお風呂前まではひと息つかせてほしいとお願いした。
息子はピクミン４をやり始めた。
今日だけだ。明日からはいつも通り、１時間までだ……。

いつもの私ならすぐ弱音を吐いているが、何とかやり過ごしているのは、週末に買った小説「クリームイエローの海と春キャベツのある家」を読んだおかげでもある。
通称「クリキャベ」の話は、別の記事でじっくり書きたい。

ひとまず、今週の目標は「いのちだいじに」。
HPが減ってきたら、息子に伝える。
自分で毒を抱えて、ダメージを増やさないように。

※ヘッダーはみんなのフォトギャラリーからお借りしました。ありがとうございます。