ウーマン・トーキング 私たちの選択
解説・あらすじ
実在の事件を基にしたミリアム・トウズによる小説を、『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』などのサラ・ポーリーが映画化。とある宗教コミュニティーを舞台に、性暴力に遭った女性たちが自分たちの今後について議論を交わす。『キャロル』などのルーニー・マーラを主演に、『ファースト・マン』などのクレア・フォイ、『ワイルド・ローズ』などのジェシー・バックリー、『007』シリーズなどのベン・ウィショー、製作も務めたオスカー女優のフランシス・マクドーマンドらが共演。製作陣にはブラッド・ピットが名を連ねる。
2010年の架空の村。独自の生活を営むキリスト教一派の人々が暮らす村で、女性たちに対する性的暴行が多発する。これまで女性たちは、そのことを悪魔の仕業や作り話だと男性たちから否定され、真剣に取り合ってもらえずにいたが、やがてそれが明らかな犯罪であることを知る。男性たちが街へ出かけ不在となる2日間、彼女たちは自らの未来を懸けた話し合いを行う。
映画をみる会、2回目。
遠い外国の話とは思えない。全て私たちが経験してきたことだ。
戦後になっても地方では「おっといよめじょ」や「夜這い」があったのだ。
私は小さい頃から痴漢に遭いやすい子だった。
小柄でガリガリに痩せ細った色白でひ弱な子どもだった。
小学校時代のあだ名は「赤毛のアン」「ヘレンケラー」だったので察して欲しい。
痴漢被害を両親や姉妹に訴えても
「あんたみたいな子どもなんか相手にする訳ないじゃない」
と鼻であしわられた。
その恐怖と絶望が色濃く記憶に残っているため、虐待で女の子が亡くなると性虐待があったんだろうな。と思う。
「近親相姦なんて日本じゃ有り得ない」と嘯く奴らが多いが、
「日本じゃどんなに訴えても揉み消されているだけなんだよ!」
と声を大にして言いたい。
最近では自分の身に起こった性虐待を話せる女性が出てきたが、30年前はとても口にできなかった。
それは「子どものくせにそんなこと言って、ませたガキ!」
「色気づきやがって!」と言われると、自分自身が醜い汚れた存在に思えて惨めだったからだ。
女性の中でも痴漢やストーカーに遭いやすい人と遭いにくい人がいる。
奴らは美人や露出の多いギャルを狙ったりしない。
ただ弱そうなおとなしそうな女を狙うのだ。
自分が遭いにくいからと言って、やっと声を上げた人の声を潰さないで。
映画の中で女性たちは徹底的に話し合う。
長老たちはカトリックの教えを説いて「男たちを赦さない以外にどんなことができるの?」と引き留める。
そんな長老も顔に刃物で斬り裂かれた大きな傷が残っている。
以前にも気付いた女性が村を追放されたり、暴力を振るわれて支配下にいるしか生きられなかったのだろう。
レイプされ子どもを次々と産まされ、奴隷のように働かされる女性たち。
しかし若い母親が
「私たちがやられたことを娘たちには味合わせたくない!」
と立ち上がる。
そうなんだよ!!
私の原点はここにある。
私が遭ってきた辛い経験を次世代に残したくない。
だからいつもどこにいても、ファイティングポーズを取っている。
殴られるかも知れない、殺されるかも知れない。
それでも私が生きて来られたのは、挫けず挑戦してきたからだ。
映画の女性たちは延々と話し合って、ついに長老女性が娘に
「守ってあげられなくてごめんなさい」と謝罪する。
もうその辺から涙が溢れ出て止められなかった。
最終的に女性たちは出発するが、障がいのある子、世話をしなくてはいけない子を全部連れて行く。
ここが男と女の違いだ。
男社会では変わった子、障がいを持った子は虐められ見捨てられる。
女は放っておけない。
古代から女性が治めた地域は繁栄した。
後から歴史は男たちによって改ざんされたが、痕跡は残っている。
今の日本は、急速に滅亡に走っている。
やはり女がクオータ制を用いても、政治に入らなければならない。
それを対等に話し合える友達に会えて、嬉しい。
ありがとうね。
あなたたちは私の宝物だよ。
ずっと一緒に付き合っていこうね。
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