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拝啓 好きじゃないあなたへ。

私の恋人へ。

私とあなたは出会って数年の時間を過ごしましたね。あなたはおそらくnoteをやっていないと思うので、ここに愚痴を書いておきたいと思います。
はっきり言いましょう。私は出会ったときからあなたのことは好きではありませんでした。

そもそもあなたとの出会いは、私が迷子になっていたところをひょんなタイミングで見つけて案内してくれて、その後にいろいろあって付き合いましたね。
あなたは私のことを「愛している」と真面目な顔で伝えてきたときは、何も考えずに返事をしました。
正直私はあなたに告白されたときには、興味がありませんでしたが、とりあえず付き合う精神で一緒になりました。
愛なんてものは存在しないし、時間が流れれば別れの時間も来るはずなのにどうしてそこまで喜ぶことができたのか私には理解できませんでした。

付き合う中で私はあなたにいくつもの不満があります。

まず、あなたはおせっかいですごく腹が立ちます。
今まで私がトラブルを起こしてしまう度に傍にいて、命を懸けて守ろうとしてくれることや、ときどき本気で怒ることがありますよね。
正直とてもうざいです。
トラブルを起こしていたり、周りから散々言われているのは私だけです。あなたには一切関係ないはずです。それなのに「苦しかったね」と言いながら離れずに、私のことをいちいち気にかけて、ときには遠いところからわざわざ駆けつけてくるのは、どういう神経をしているのでしょうか。いっそのこと気にしないで無視をしていてくれれば、あなたも傷つかないで済むはずなのに「悲しいところを見るのは嫌だから。」といって自己犠牲をするところが気に食わないです。
あなたはただ自分の幸せのために、自分の好きな生き方をして笑っていればいいのに「君と一緒にいることが幸せだから」と言ってくるのは何でしょうか。

次に私の障害を受け入れて一緒に乗り越えようとしているところが嫌いです。
私に発達障害や音声を認識できない障害があると分かっていながら、何故すぐに切り捨てずに傍にいるのですか。
私はあなたに再三忠告しましたよね?
特性をカバーしても人を傷つけるようなことを防げないし、それによって暴走してしまうことがある。
それに結婚をして子どもを産むことが難しいかもしれない。
これを何度も私はあなたに気持ちをぶつけて話しましたよね。
そしたらあなたは「それでも良いよ」って言ったのは、一体どういうつもりなのですか?さすがに何も考えなさすぎなのではないでしょうか。
私が特性上で苦しんでいるときに、クールダウンスペースに連れて行ってくれたり、爆発した気持ちを伝えられない時に、言わなきゃわからないことだってあると叱って、私が「別れよう」とキレて大喧嘩に何度も発展しましたよね。
それでも何故一緒にいるのですか。
正直人間としてかなり問題があって、突発的に命に関わるようなことをしているのに、それでも受け入れようとして、障害について学んでぶつかりに来るのは、正直恐怖でしかないですよ。

最後に、私への愛が重すぎます。
あなたは私と一緒に居たいと強く願っていて、願わくば生涯共に過ごそうと決意をしていますよね。
はっきり言いましょう。愛が重すぎる。
そもそも私は過去の自分との決別もできていないし、今だって障害のこととか自分の悪いところしか見られてなくて、結婚に後ろ向きなのに、何故そうやって前向きにさせようとしてくるのですか。
それに私は好きという感情が分からずに、あなたに一言も「愛している」なんて言ってないじゃないですか。
こんなやつと一緒にいても、将来疲れ切って終わりを迎えるしかないですよ。
それなのに「君に会えて幸せだな」や「こんなに支えてくれる人といられて本当に良かった」と私の良いところばかりを探して一生懸命伝えてこないでください。もう既に覚えきれないほど長所を伝えられて辟易しています。
私はあなたと結婚はできないし、子どもだって望めないかもしれない。あなたを傷つけてしまう。
こんなこと言っても、「結婚だけはしてもらうけれど、子どもがいようがいなくとも構わない。君が傷つけてしまうかもしれない、迷惑をかけてしまうって悩んでいるなら二人でしっかり話し合おう」なんて結婚前提で話を勧めて説教をしてくるなんて上から目線すぎます。
あなたは心優しい人だから、私なんかじゃなくて別のしっかりした人と出会って幸せになっていればよかったのに。

まだまだ言い切れないほどの愚痴がありますよ。
でも書いているとキリが無いし、こっちもげんなりするのでもうやめます。
どうせこんなことを書いても気が付かずに平穏な日々を過ごすだけだし。

でも私はあなたに嘘をついていて、どうしても謝らなければならないことがあります。





あなたに「結婚なんてしたくない」って言ってごめんなさい。
あなたと長い時間を過ごす中で、私から逃げずに真正面から常にぶつかってきましたよね。
それにあなたは人の喜びも悲しみの一緒にしてくれる素敵な人間です。
そんな姿に「好き」という感情は芽生えませんでしたが「愛」のことを学ぶことができた気がします。
あなたは「できた人間じゃないし、支えてもらわなきゃ生きていけない」とへこんでいることがありますが、それは私のセリフですよ。
あなたが思っている以上に数えきれないほども愛をもらいましたよ。だから心の奥底であなたの傍に一緒に居たいと願うようになったし、少しだけ前向きになろうと思いましたよ。
けれども私の口からあなたへの気持ちを言語化できないせいで、こういう形でしか書けなかった。憎まれ口しか叩くことができなかった。
私はあなたのことを好きじゃないって思っていたのは真っ赤な嘘です。
本当はどこにも行ってほしくないほど寂しい気持ちにもなるし、穏やかに生涯を共にしたいと思っています。
「私の表の存在」じゃなくて「私の中見そのもの」といつも向き合って、時には励ましてくれるあなたが心の支えなのです。




もし、またあなたが「結婚しよう」なんて言葉を吐いて見なさい。
そのときは今度こそ「はい、喜んで」って答えてやりますからね。


いつもありがとう。私はあなたのことを本当に愛しています。

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