沙器

いろいろ書いています 戯曲 小説 エッセイ 肩書きは看護師 ふつうが不通な世の中に自分…

沙器

いろいろ書いています 戯曲 小説 エッセイ 肩書きは看護師 ふつうが不通な世の中に自分でありたい

マガジン

  • 看護師が芸術系大学に入学したのですが

    看護師から社会人で芸術系大学を卒業しました。 大変でしたが、やりきれました。 これから社会人で大学に入りたい方、看護師で別にやりたいことがある方、芸術に興味がある方の参考になればと思っています。

最近の記事

父と姪

半年ぶりに実家に帰った。 春に帰ると田舎では、道端のそこかしこに花が咲いている。 ガーデニングとかそういうのではなくて、蜜が吸えるムラサキのやつ、ブルーのオオイヌノなんとか、黄色い花が咲くクローバーみたいなやつ。 小さい頃からの知り合いのような雑草が小さくつぼみをつけていて、あの頃には気づかなかったけど、春になったら君たちもちゃんと花をつけるのねと、思ったりする。 実家で飼い始めた1歳になるゴールデンレトリバーの女の子は、前回会った時の3倍の大きさで勢いよく駆け寄ってくる。

    • 看護師が芸術系大学に入学したのですが

      私は現在30代前半の看護師なのですが、実は昨年の3月まで芸術系大学に通っていました。 子供の頃から憧れていた芸術を学ぶべく、人生二度目の受験を経験し大学生活を送っていました。 もちろん、学費や生活費を稼ぐべく看護師の仕事をしながらの大学生活だったので大変なのは大変でしたが、通り過ぎてみればあの時にしかできなかった経験だったな、もうできないかな、、、なんて満足感と達成感でいっぱいです。 若さとお金は一瞬もの 学びと経験は一生もの 大学を卒業した今、月並みですが本当にそうだな

      • 横道世之介に憧れる

        あたしはいつも誰かの目を気にしてしまう 相手にそんなつもりは全くないにしても 誰かと一緒に仕事をしている時にはいつも 機嫌をうかがったり、自分のやっていることが間違っていないかを考える 当然、あたしの気持ちに平静なんて訪れない 上手に客観視できるわけもなく 迅速にスマートに考えを表現する用意もなくて 戸惑うばかり 相手と自分の気持ちやタスクが交差している間に 仕事や日常を「平静」を保ちながらこなしていける人が 人間の基準になってしまうのか 本気で怖くなる 間違いを晒

        • 人を引き寄せる人。

          今、水戸にいる。 広すぎるロータリーにひっそりと忘れられずに佇む黄門様をちゃんと見てから、サザコーヒーもちゃんと飲む。 水戸グルメが納豆以外まったく浮かばなかったのだけど、入ったとんかつ屋さんに納豆がかかってるメニューがあったのでそれにした。納豆は何にでも合うのだと、信じてほしい。 あたしはトリプルワークをしているため、毎月ちゃんと自分で調節しないと、平気で休みが消滅するのだけど、明日はじつに15日ぶりの休日なので、仕事終わりに水戸にいるソウルメイトに会いにきたというわ

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        • 看護師が芸術系大学に入学したのですが
          1本

        記事

          無言がこわい

          さて、無言の時間というもののやり過ごし方をついぞ身につけずに大人になってしまったあたし。 無言という不穏な状況でも自分というものを貫き通すことができず、その場を何とか穏便にやり抜けることが社会で身につけた技なのだとしたら、あたしはとっくに社会不適合者なのかもしれない。 7年も働いた職場でさえも無言の時間を避けてしまう、今日このごろ。 ほぼ一人作業で稼働する職場なので、それだけの歳月を勤労できたのだろうが、それでも、少しの間、暇な時間とか休憩の時間とかに同僚と話すとなると、

          無言がこわい

          老い

          「本人たちが困っていないんだったらそれでいいんじゃないかな」 訪問に同行していた先輩が交差点を大きく左折しながら答えてくれた。訪問看護に転職し先輩看護師といくつかのお宅へ伺うようになって3ヶ月を過ぎても、あたしは病院で染みついた「老い」への嫌悪感を拭い去りたい一念で、玄関先のチャイムを鳴らしていた。 訪問看護は、在宅で看護が必要とされる方へ看護師が直接訪問し生活で困っていることや医療的ケアを行う看護の形で、超高齢化社会を達成した現代においてまさに需要が高まっている医療サー

          ご飯憧れ

          「韓国に一人で行った深田恭子が赤くて辛そうな鍋に豆腐が入っててめっちゃ熱そうでフーフーしながら長いスプーンで食べてて美味しそう」 後にそれが、その年はサッカーWカップ日韓共催の記念で日韓共作ドラマ企画に深田恭子とウォンビンという韓国人が出演していて、それが「フレンズ」という国際恋愛のドラマで、韓国料理のスンドゥブという辛旨スープに豆腐が入っていて韓国には柄の長い銀スプーンがあって、ということだったのを知るのだが、小学生にして韓国語の本まで買ってしまうほど韓国という国にのめり

          ご飯憧れ

          別れ。

          正直、もう付き合いきれない。 もう12年以上もいるのだけど、あたしも限界。 あの夜、人生で何度目かの泡盛ロックは一気にあたしを暗いベッドの上へ運んだ。汚く湿っている髪の毛と放り出された液体入りのビニール袋を先に認識し、すぐに浮かんできた「どうしよう」は、この後、ちゃんとした「どうしよう?」として社会人のあたしにのしかかってくる。 強い女と言われ続けた。 グラスを片手に景気良く騒いでいる写真ないし動画は、スマホの中にも昔の携帯のSDカードの中にもいくつも保存されている。つい

          別れ。

          行動力:極めてキメの粗い鳥瞰文

          さて ここ数年のくすぶっている生活を頭の上から考察していく! 行動を起こすのに大体4回くらい生まれ変わらんといけない性分は どうしたらいいもんか。 生まれ変わるとは 生まれて 生きて 死んで また生まれ直す みたいな感じやろうけど 人生の1ヶ月やらもっと半年の生活単位 あるいは10年20年くらい人生スパンで言い換えるならば  やる気起こして準備して(生まれて)     やらんとって思って(生きて)       目を逸らして(死にかけ)         疲れて(死んで

          行動力:極めてキメの粗い鳥瞰文