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【詩のようなもの】『猫を棄てる』の感想



ネタばれはあるかな?


村上作品は読んではいるけど
ものすごく読んでいるとは言えないです。

多くの村上作品の読者が感じているのか
感じていないのかはわからないけれど
私は作品を読むたびに彼の父親に対する何かを感じ
どんな人なのだろうか、どんな親子関係だったのかと
いつも考えていました。

そのルーツだと言うことなので
購入することになるわけですが
彼の作品同様なにか煙に巻かれたような
内容でした。


村上自身は親子の関係は悪いわけではなかったと
書いているけれど言い知れぬ
父親のプレッシャーの中で
村上自身が生活していたのではないかと
描写の中から感じとりました。
ある均衡の中で親子関係を築いているような
画が思い浮かびます。


村上自身の親子関係の深い部分を
あからさまにするわけもなく
父親の人生のルーツを語ることで
親子関係を匂わす感じです。


大学を辞めたあたりからは
絶縁状態だったというので
そこまで行くにも
紆余曲折があったに違いないが
それも語らない。
(そこが知りたい笑)


父親の人生を知るにつれ
父親がそうならざる負えないものを
抱えながら生きていたのだと
薄々感じていたものが確信に変わる。
同時に戦争が父親の人生とは
切っても切れないもので
戦争が父親を父親たらしめているというのを
実感したと言うのが
彼の大きな結論のようです。


短めに言うと
子供時代、家では多くを語らない父と
それを聞くのをためらう息子。
父親が亡くなって
そのルーツを調べているうちに
戦争が父の人生を左右するのに気が付く。
その影響でなにかしっくりこない親子関係には
理由があり、それは単なる村上家の話だけではなく
多くの歴史の一つにすぎない、みたいな感じ。
(ざっくり過ぎる)


考える余地を与えるのは随筆でも
一緒だなと思うのでした。


あっという間に読めるので村上作品好きにはオススメです。











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