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罪の季節

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罪の季節 ep.4

罪の季節 ep.4

「俊哉く―ん。まだー? トイレ、長くねー」
 だらだらと潔くない。やっと終わって、おれは手を洗って、外で待っていてくれた翼と継介と合流する。
「何でそんな長いの?」
 そう言って、翼はおれに教科書とエプロンを渡す。次の授業は、家庭科室で調理実習だ。
「知るかよ。最近、長くなってきた。不思議だなあ」
 三人で並んで、家庭科室へと進んでいく。
「老化の始まりじゃね?」
 継介が思いついたように、言った

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罪の季節 ep.3

罪の季節 ep.3

 学校近くのファーストフード店に翼と継介を呼んだ。偽装「お泊まり」を手伝ってもらったから、お礼としておごるためだ。
「マジでおごってくれんの?」
 愛美と同じバスケ部の練習を終えたばかりの継介が尋ねる。汗で髪形が落ち着いている。
「ああ、ジュースなら」
「ジュースだけかよ!」
 ウチはそんなに裕福じゃねえんだよ、という言葉は飲み込んだ。不景気な話してもしょうがない。
「じゃあ、一番高いのにしようぜ

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罪の季節 ep.2

罪の季節 ep.2

「なあ、炊飯器が五千円って安いの?」
 日が暮れて、駅まで向かっている途中で、翼が不意に言った。彼の視線の先を見ると、電気屋の店先に「大安売り!」と冠された炊飯器が並べてあった。パソコンとか、デジカメが店先に並んでいる光景は、よくお目にかかるが、炊飯器はあまりない。だから翼も、
興味を持ったのかもしれない。
「さあ? ものによるんじゃね?」
「おれは高いと思うけどな」継介は反対のことを言う。「だっ

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罪の季節 ep.1

罪の季節 ep.1

 雲のかかった月がきれいな夜だった。ラコステの靴音を自慢するように響かせながら、駅前をうろついた。特に用事もないけど、家に遅く帰るのが習慣みたいになっているから、なかなか帰る気にならない。稀に早く帰ると、親に怪訝な顔をされるし。口癖のように
早く帰って来い、って言うくせに。
 交番を通りかかるときに、俯きがちだった頭を上げた。夜中に出歩いていると、声をかけられるときもある。でも、堂々としてればどう

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