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青春時代の、忘れられない人。

先日、貴乃花さんが、再婚されたそうだ。
17歳の時に初めてデートした、女性と。
その思い出が、辛いときも心の支えだったと動画で話しているのを見た女性の方が、お手紙を出して再会したのがきっかけとのこと。

青春時代の大切な思い出が、生きるうえでの大事な宝物になることは、ありうると私は思う。

なぜなら、私自身にそういう人がいるからだ。

私は既婚で、大事な伴侶がいる。
しかし、実は一番好きだった人は、また別。
その人とは、結婚には至らなかった。
いやいや。つきあうにも至らなかった。
でも、いまでも大切な思い出の人。
      
        

中学3年生の頃に好きだったその彼とは、とにかく気持ちが基本いつも穏やかな感じとか、話のペースとか、お互いの感心の方向とかが似ていて。
話しているとすごく安心できた。

でも、お互いに引っ込み思案で、自分からアプローチとかができず。
一緒に帰ったりもしていたけど、それも帰路が同じ方面の友人を含めてだったりして。
毎日学校の休憩時間には、二人で話し込むぐらい仲がいいのに。友達にからかわれるくらい仲が良かったのに、付き合うまでにはいかなかった。

一度だけ、受験する高校を決めるために、彼が学校見学に一緒に行こうと誘ってくれて。
当時、彼にも同じような学力の男友達はいたのに、なぜか私を誘ってくれて。
私服で会ってドキドキしながら、見学に行った。
それが学校以外で一緒に出かけた最初で最後のできごとで。

結局別々の進学先に決まり、中学を卒業する時、彼は「手紙を書くから」と言った。
(当時はまだPHSが出る直前で、ポケベルも一部の子にしか普及しておらず、家の固定電話に連絡するか、手紙しか連絡手段がなかった。)
社交辞令かと思っていたけれど、卒業してから本当に手紙が来て。しばらく文通していた。

その後も、通学電車が同じ路線で、高校の部活がない日に電車でばったり会ったり。
それで、話をしながら帰ったり(電車で隣に座るのは、彼はわからないが、私はすごくドキドキした)。
高校卒業まで、たまに手紙が来ることが続いていたけど(とっくに携帯が普及してたのに手紙だったなぁ…硬派な2人だ)。それでも、なかなかそれ以上関係は進展することなく。

最後の手紙は、大学受験の結果報告。
私はすべりこんで受かった地元の大学にさっさと入学を決めてしまったのだけど。
彼からの手紙には「どうしてもなりたい職がある。一浪して更に勉強をし、行きたい道をあきらめない」と記されていて、尊敬した。
メールアドレスも書いてあり、一度メールしたけど、なんとなく「勉強の邪魔になるかな」と思い連絡をとりにくくなり…。不器用な私は、大学の新しい環境に慣れるのにも必死で、そのまま時間が過ぎ去ってしまった。

そこまでの長い間、親しくしていながらも、付き合うに至らなかったのだから、もしかしたら御縁が薄かったのかもしれない。
結局、彼もそんなには私へ興味がなかったのかもしれない。彼にとってはただの友達だったのかもしれない。

私も、文通中もその後も、別の男性に全く恋をしたりはなかったわけではなく…。
そして、今は別の人と結婚しているわけだけど。

でもなぜか、ふと彼のことを思い出すことが度々ある。
いや、心のどこかにいつも、彼がいるように思う。
彼ならこんな時どうするかな、とか。
辛いときでも「彼なら頑張るだろうな」と自分の励ましになったり。
その彼のことをすごく尊敬していたし、当時の自分もすごく何でも頑張りやな子だったので。
青春時代を思い出すと、あの頃の心を忘れたくないな、という思いで頑張れる。

まさにユーミンの「卒業写真」の歌詞のような感じで。

彼も今では大成しておられると風の噂で聞いたし、家庭ももっていると思われ。
私も大切な家族がいるので、再会したいとかはないけれど。

そんなふうに、今の頑張りの励みになるような相手にかつて出会えていたことは、私の人生での誇り。

あの頃の、未来だけを輝いた瞳で見ていた自分たちに、恥ずかしくないような生き方をしなければ、と思う。

夫は夫で大事。
そして、あの彼との思い出も大事なのです。
どちらも、今の私を生かしてくれるエネルギーで。本当に感謝です。

そして今、私は堅い御縁を紡いでくれた夫と、大事な我が子を授かっているので。
この人たちを幸せにすることが、残りの人生の私の使命なのだと思っている。

私も、青春時代の思い出を胸に、主人と子供をしっかり守り支え愛し、いつか青春時代のあの彼とは、天国でお茶でもできたら、と楽しみにしている次第です(笑)

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