ヤマメ

川よ、さらば。 2019.10.9

春のヤマメ釣りに始まった川通いは、鮎の納竿を持ってその幕を閉じる。3月から数えて7ヵ月強。毎年、半年以上に亘って、川を想い、川に遊び、魚と戯れる。しかし、いざオフになったら、きれいさっぱり川から釣りから遠ざかる。このパターンをもう40年続けている。

大学の授業も、このオフに詰め込んだというのが真相だ。物わかりのいいM教授に感謝したい。ヤマメのフライフィッシングは、20代前半から始めたが、鮎の友釣

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見える魚は。 2016.3.29

連日の晴れ。随分暖かくなってきた。平地ではダウンはもう要らない。

3月はヤマメ釣りを愛する人間にとっては、特別な月。前年の9月末日をもって始まった禁漁が、1日から解禁になる。言わば正月。春は名のみの厳しい天候も珍しくないが、ヤマメは流れの中で、しっかりコンディションを整えている。さあ、暖かくして出掛けよう。

もう10年か、それ以上、ライズ・フィッシングという釣りにはまっている。ライズとは、魚が

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チョコモナカジャンボ

いま義兄家族が住んでいる、妻の祖父母の家に泊まりに来ている。

子どもたちは、従姉妹のお姉ちゃんたちと一緒に朝のだらだらを楽しんでいる。

夏休みだ。

今日はヤマメを釣りに行こうかと話している。

義兄は筋トレに行った。

息子はウンコをしたそうだけどトイレに行かない。

ぼくは曲を作るけど、ズバ抜けたフレーズやコード進行ができるでもなく、毎日つくるってところをクリアしてるだけで、このノートとお

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川へ行こう。 2017.3.6

3月。またこの季節がやってきた。ヤマメ釣り解禁。釣り人の正月。24歳の春から始めたフライフィッシング。病膏肓に入って、はや幾星霜。いまだに熱病は回復の兆しを見せず、季節が巡ると、毎年重篤な症状をぶり返している。多分、動けなくなるまでこうなんだな。

ヤマメは、川を流下する羽虫を、水面に鼻先やときに全身を露わにして食べることがあって、それをライズの釣りとか、魚が見えるので、サイトフィッシングと言った

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行状の告白。 2017.6.16

ヤマメのフライフィッシングを覚えたのは、いまから37年前。当時の僕は、実家の米穀店で働いていて、休みは日曜と祝祭日のみ。冬の禁漁期間を除くと、最初の3年間の休日はすべて釣りに費やしたように記憶する。それから数年後、僕はコピーライターになっていた。

ある広告プロダクションに籍を置き、初めてサラリーマン生活に浸ろうとしていたのも束の間、約1年後にはなぜかフリーランスになった。この間、大切な趣味である

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野外スカイプ。 2017.9.26

働き方については、ずっと考えてきた。いまも考えている。世間では、企業に勤めるサラリーマンが、なんとなくスタンダードになっている感があるが、それはあくまでも近代の、ごく一時期の話であって。どうせなら、そんな事情とは無関係に模索してみたいものだ。

魚釣りを本業と呼ぶほど、人生の中心に置いていて、それ故に住む場所を川に近いところに定めるという酔狂を実行して、早20年弱。もっとも、いまやその川にさえ、W

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なぜ魚釣り? 2018.2.25

今年もあと数日で、ヤマメ釣りの解禁。3/1。全国で地域差は多少あるが、ほぼ同じこの佳き日にシーズンが始まる。僕は、いつの間にか齢を重ねて、ついに39年目に突入。今年も初夏まで、悲観と楽観の滑稽な往復を続けるのだ。あ、その後の友釣りも、それは同じか。

10代の終わりに陥った精神の落ち込み、心身の混乱。もがき続けていたあの日あの時、僕は突然釣りがしたくなった。それは衝動。一気にフライフィッシングに辿

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日常のカタチ。 2018.4.16

大事なのは日常。いつもそう思っている。非日常と日常。ハレとケなどとも言う。祭りのようなすべてが解放される非日常によって、日常の鬱屈を消すバランスは知恵とは思うが、必ずしも健全とは考えない。人生の大半を占める日常こそが、僕らが築くべき時間だろう。

ジョギングを例に挙げると、フルマラソンを走れるかどうかは関心が無く、日常の健康を維持向上させる習慣作りをすることに興味がある。仕事で地域活性化に携わると

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夕暮れ散歩。 2018.5.9

最近は、ヤマメ釣りは夕方のみ。たかだか1時間ほどの愉しみのために、陽が傾いてからおっとり家を出る。春先は日中でも釣れるが、直に朝と夕にピークタイムは移っていく。基本早起きだけれど、早出は嫌いなので、どうしても夕方になる。もちろん、仕事もあるし。

下道で小一時間ほど走れば目的の渓流に到着する。友人と待ち合わせるときもあれば、1人で川へ入るときもある。夕方が条件がいいのは、餌となる羽虫が集中的な羽化

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冬が来れば春。 2019.2.8

前の年の9月末、ヤマメが禁漁に入り、ほぼ時を同じくして、鮎は落ち始める。僕ら釣り人は、その寂寥感をもって冬の訪れを受け入れる。それまで、あれだけアタマとココロを支配していた魚釣りが、唐突に終わりを迎え、モードは強引にスイッチオフ。秋風が身に染みる。

現金なもので、その途端に道具はほったらかし、翌春までまず顧みない。他の釣りをしない僕は、呆れるほどオフが鮮明に訪れる。大学で後期だけを受け持っている

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