電車のホームで倒れかけた日 | 恋人の話
日曜の夜、22時半。電車から、転がるように降りて、掲示板になだれかかり、床に座り込んだ。
手にしていたポシェットは、力を失った私の手を離れ、地面に転がる。
酷い腹痛。気を失う直前の感覚。
肩で息をする。腕に爪を立てて耐えようとする。
停車時間の長い駅なのか、電車のドアは開いたままだ。しかし、私が転がり降りた後、誰もおりてくる気配はない。案外、人は不親切だなあ、などと思うことにかろうじて残された意識を使い果たしては片膝を立て、そこに頭を乗せて座る。ポシェットに手を伸ばす気力は