社会人だった僕が高校生になったら(前編)

忘れられないナンパがある。
正確には逆ナンというヤツだ。
僕は数年前、高校生だった。大人だったけど高校生だった。高校生をやっていなかったから。やっぱりやりたくなって高校に行ったのだ。そして現役高校生の中に混じっていつもコソコソ勉強していた。
そして行ったのは県内でも屈指のヤンキーやバカの吹き溜まり高校だった。

弱気な正確と童顔なのが災いして、年下だけど二、三年生に下校途中に絡まれたりした。
知らないクラスのヤンキーにも絡まれたりした。
『何見てんだこらあああああああ!!!』と言葉を浴びせかけられるのも一度や二度じゃなかった。

みんなバカなので、見てもいないのに上記の言葉で声をかけられることも多々あった。
バカ高校だからヤンキーもウジャウジャおり、ポケモンGOのエンカウント率を遥かに凌駕し、誰もそんなポケモンを捕まえたくもないし関わりたくないのだが、、まぁそうゆう状態であった。
その日はいつもより学校が早く終わる日だったのでちょっとウキウキしていた。目を付けていたクレープ屋さんに帰りに行こうと考えていたからだ。もちろん1人で。
授業が終わりバッグに教科書をいそいそと詰め込んでいると教室のドアが勢いよく開いた。

どばあああああんん!!!!!

そんな登場音が聞こえた気がした。

ソイツは違うクラスのヤンキー女子だった。
くるぶしまであるロングスカート、ガッツリと空いた胸元。かなり見えている真っ赤なブラ、腰まで伸ばしたロングヘアーをキンパツに染め上げ、身長は160センチ程度なのだが真っ赤なピンヒールを履いていた。おい、上履きはどうした?そして、確実に僕の2倍はあるふくよかな体型だった。

(ロングスカートって昭和かよ、、、)
しかし、1番迫力があったのはその子の顔だった。
エメラルドグリーンの口紅、鋭い一重の目は黒と赤のアイラインがガッツリ引かれていた。

ありがちなセンターから分けられた髪型は、ちょっとスラムダ◯クの三井くんのようにも思えた(比べんな)

ソイツの存在感は本当に凄かった。ジ◯ジ◯に出てくる敵のような存在感を放っていた。

完全にスタンド使えるな、、とか考えていると

ソイツはのしのしと歩き出した。ヤンキー友達と一緒に帰るのかな?と思っているとソイツは、、、、間違いなく一直線に僕に向かって歩いてきた。

なんで僕!?ちょっと待て、カツアゲか!?高校生にカツアゲされちゃうのか僕は!?ハタチ余裕で過ぎてるのにぃ!と考えているとソイツは僕をガッツリ見つめながら僕の机にどっかりと腰掛けた。

教室の空気が止まった気がした。

デ◯オばりのスタンドをぶちかます(の様に見えた)巨体のヤンキー女。気が付くと窓際にいたヤンキー達も僕の行く末を見守っていた。いや、助けてよ。そこはヤンキーなんだから「てめーどこのクラスだごらぁ!!」くらい言ってよ。

「おい!テメエどこ見てんだよ!!」

びくっと、しながら前を見ると僕の眼前10センチ前まで巨体ヤンキーが迫っていた。
おい、顔近すぎんだろ、、、

「くくく、アタシはさぁ〜結構前からアンタに目ェ付けてたんだわ。てめぇいつも教室出るの遅せぇからよぉ〜」

ソイツはニヤつきながらそんなセリフをこぼした。

「そ、そうなんだ、、はは、、」

「何笑ってんだごらああああ!!!」

ソイツの威圧感はもう十代がかもし出すレベルではなかった。デ〇オじゃない、、、完全にクロ◯ズの世界から飛び出してきたかのような殺気だった。(いや、あの漫画もほとんど十代だぞ)

巨体「名前」

僕「へ?」

巨体「テメエの名前だよゴラァ!!さっさと言えやああああああああ!!!!!」

僕「は、はやまる、、」(本名は伏せる)

巨体「名前覚えたぞ、、、」

やべ、、この年になって十代にびびらされちゃうのか僕は、、、ビビりすぎておしっこちびりそう。そんな事を考えていた、すると巨体が思いがけない言葉をぶちかました。

「レイカあああああああ!!!入ってこいやあああ!!!名前分かったわあああ!!!」

巨体は教室の入り口に向かって叫び出すとそこにはものすごい勢いのリス顔の女の子がいた。

金髪に髪のインナーにグリーンが入った前髪ぱっつんの髪型。コイツに至っては制服も着てなかった。(私服オッケーの学校だから)生足をガッツリ出し、デニムのショーパン。ネオンカラーの目が痛くなるようなイエローのTシャツを着ていた。
Tシャツのプリントには『shock!!』
と書いてあった。いや、こっちがショック受けてるよ。みたいな事を考えいた。

「はやまるね、、、やっと分かったわ。」
レイカと呼ばれたその女子は当たり前のように僕の横に立った。本当にめちゃめちゃ怖かった。そんな時なのにコイツ、顔はアレだけどすげえいい足してんな、、、とか考えてる自分死ねと思った。死ね。

巨体「良いじゃん。はやまるよぉ〜。んで、なんであたしらが来たかアンタ分かってる??」

僕「か、課題見せて〜とか??」

巨体「てめぇ、アタシが勉強してるように見えんのか?あ?」

レイカ「ミナ!そんな事より早く言ってよ!!」

巨体の名前はどうやらミナと言うらしい。
嘘つけよ、、、ルックスとまるで合ってねぇじゃん、、もっと安易な『ダンプ』とか『トラック』じゃねえのかよ、、。

ミナ「オメェ、帰りヒマだろ?付き合えよ。」

僕「確かに、、、ひまだけど、、」

レイカ「じゃあ、ちょっと来て。」

手を引かれ2人に連れられて行く僕。言葉だけ聞くとなんやらハーレムを想像しそうだが、内心は『フクロか!?フクロにされんのか!?ケンカとか絶対無理!!殺されるううううううぅぅぅ!!!!』しか考えて無かった。

後編へつづく。


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