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コーヒー焙煎メモ

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早川コーヒーというところで「おすすめセット」というバラエティセットを買って楽しんでます。そのメモ。
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#自家焙煎

グアテマラ カフェピューマ SHB

概要こちらの記事にもある通り、VOLCAFEが「昔ながらのグアテマラ」を目指し、昔ながらの経営を続ける小規模農家から集荷・選別を行ったものだそうである。「ピューマ」というのは、環境破壊の影響を受けやすい頂点捕食者をシンボルに据えてSDGsに取り組んでいますよというアピールする目的のようだが、実効性は不明である。 生豆インプレッションインプレッションの項で書いた通り、生豆の選別が非常に厳格に行われているのが特徴で、コモディティのグアテマラSHBの時にも書いたが、ハンドピックの

昭和の深煎り愛好、王道の中煎り

久々にコーヒーの記事を書いたので、前によくスキを付けてくれていたユーザーの記事を見てみたところ、大学生で通販商売をしていたあおみどろ珈琲さんは大学を卒業しており、同じく大学生のまなみんさんは喫茶店を開業していた。 そのまなみんさんが、自家焙煎の本について「少し年配の方の堅苦しい話ばかりで若者にはキツイ」と辛口の評価をしていた。Amazonレビューを見ても、「価値観が偏りすぎ又古い印象」「昭和的なコーヒーが前提であって、実用的な部分はあまり無く」と散々な評価である。 主著者

コーヒー生豆価格、昨年の2倍に高騰

次の記事の通り、昨年の今頃ほぼ1年分の豆をまとめて買った。 それがほぼなくなったため、追加の豆を買うべく発注してみようと、通販サイトを訪れた。だがしかし…… 高っか! とにかく高い。生豆ダイレクトはマージンが少ないぶん国際価格の影響が直撃しており、回転の速いコモディティ豆は昨年の2倍ほどまで高騰している。 今現在の価格高騰は、昨年後半の南米での不作から生じたもので、これはニュースでも報じられていた。さらに、ロシアウクライナ紛争が影を投げかけ、来年あたりまで豆の高騰が続

エチオピア イルガチェフェ地域 G2

前回エチオピア グジ ゲイシャG3を買った際、結局これは本質的にイルガチェフェ(ないしシダモ)とあまり変わらないのでは?という気がしていた。今回アフリカ産豆の選択を迷ったのだが、こちらのほうがグレードも高く(=欠点豆も少ないと期待され)価格も安く、前回と同じでもつまらないのでこちらを選択。 モカはワイニーな風味づけにブレンドで入れる用途が多いのだが、今回はドライオンツリーやレッドハニーなどナチュラル寄りでもともとワイニーな豆が多いので、必要かどうかは分からないところ。まあエ

iwaki(イワキ) 耐熱ガラス コーヒーサーバー ウォータードリッパー

点滴法のコールドブリュワー/ドリッパーは一つは欲しいと思っていたがなかなか手が出なかったのだが、下記の機種が比較的安価で、楽天で割引やらポイント還元やらを足すと実質2000円程度で買える機会があったので、勢いで買ってしまった。 連休の間これで試行錯誤を繰り返しカフェイン摂取過剰で若干頭痛がするほどまで飲んだので、その結果をまとめておく。 味の特徴点滴法で淹れるコーヒーやお茶の味は、よく言えば雑味がなくキレがある味になり、悪く言えば単調で尖った味になりやすかった。理由を考え

ニカラグア サンタマリア デ・ローデス農園 レッドハニー

概要前回購入したペラルタ一族が別に経営する農園で、COE経験もあるとのこと。品種はカツアイで、性質上マイクロロットに近いと思われる。 今回これだけ5 kgで購入。理由は4点あり、 ①この商品だけなぜか5 kgが異常に割安。 ②基準が厳しいワタルコーヒーで近年扱いがあり、外れの可能性が低い。 ③ワイルドコーヒーの評価で欠点豆が少ないとあり、大量に買ってもハンドピックに手間がかかる恐れが少ない。 ④レッドハニー(残果肉の多いナチュラル寄りのパルプドナチュラル)で果実香が強めと推

コーヒー使用器具紹介

焙煎機:カフェプロ101 自家焙煎店にアクセスしにくい場所で仕事をした時に自動焙煎機の購入を決断しました。当時モデル更新か何かで型落ち品が公式ショップでだいぶ割引されていたので購入。 それまでは趣味で手網焙煎をしつつ量が必要な時は適宜買っていたわけですが、毎日お茶のように量を飲むという前提で、とにかく量が捌けて手間が少ない機種を選びました。耐久性も抜群にあります。趣味でやるならもっと細かく調整できる機種、例えばPanasonic the Roastあたりを選ぶでしょう。

我が家の水出し/コールドブリュー/冷水浸漬

noteでフォローしている方が夏になってコールドブリューを始められていたので、うちでも久々に冷水浸漬用の道具を引っ張り出してきた。ハリオの水出しコーヒー用ポットの5杯タイプで、ずいぶん長いこと使っているが現行品ではMCPN-7CBRがそれに該当する。 ハリオ系の冷水浸漬のストレーナー(フィルター)は、 ①目がそこまで細かくないので微粉が漏れ出やすい(口当たりが嫌い) ②洗うのが案外面倒(排水に豆が散らばるため) という理由で使うのを控えていた時期もあるのだが、ある時期から1

ブラジル 南ミナス地域 ベラビスタ農園 ブルボンアマレロ樹上完熟

概要ここで言う「樹上完熟」はいわゆるドライオンツリーで、日本国内ではトミオフクダ農園のものがプレミアム価格帯で流通しているが、こちらのベラビスタ農園もやっているようである。南ミナスということはチョコジャポンことカフェドルチェと同じ地域の生産である。 樹上完熟自体は早川のセットに入っていたトミオフクダを一度飲んでいるのだが、当時のログを読み返す限りそんなにインプレッションを受けなかったようである。 ただ、別のログを読み返すと、ブラジルのキャラメルの風味を引き出すには1週間以

自家焙煎エアプ勢

風を使って効率よく熱を加えているとかで、10分以内という超短時間でローストすることができるんだそう。これなら忙しい朝でもギリギリOKでしょ? 焙煎直後の豆を飲める前提で書いているあたり、自家焙煎エアプ勢…… まあこのtabi-laboとかいうサイト、コーヒー記事が結構あるんですが軒並みエアプ勢の記事って感じで突っ込みながら見て楽しむサイトって感じですね ローストが終わったら自動的に冷風で冷ましてくれるので、やけどの心配もありません。 冷却は焙煎の進行度のコントロールが

2021年6月到着分 生豆インプレッション

今回の注文で生豆ダイレクトから届いた豆の生豆段階でのインプレッションをメモしていく。なお、写真は撮影距離がバラバラなので大きさは信頼できないのと、すでにハンドピックを終えた後なのでヤバい豆は映っていない。ナチュラルかウォッシュドの雰囲気が分かる程度である。 ニカラグア サンタマリア デ・ローデス農園 レッドハニー 5 kgあるので1割を全数検査した。その過程でカビ豆や虫食い豆を検出しなかったので、残りは軽くサーベイするにとどめた。小石やカビ豆など特にヤバいものが入っていな

半年ぶりにバラエティに富んだ生豆が届いた

前回買った10 kgの豆を消費しつくし、生豆ダイレクトから豆が届いた。 【ニカラグア サンタマリア デ・ローデス農園 レッドハニー】 【ブラジル 南ミナス地域 ベラビスタ農園 ブルボンアマレロ樹上完熟】 【エチオピア イルガチェフェ地域 G2】 【グアテマラ カフェピューマ SHB】 【ブラジル チョコジャポン】 【ベトナム ダラット アラビカ(エバーグリーン) 18M】 【コロンビア ウイラ県 グランドロック S18】 生豆ダイレクト自身が公開している「お客様の声」の中

嗅覚の慣れやすさとコーヒー

コーヒーの「味」の骨格は香りである、というのは論を待たないだろう。もちろん味覚の部分もあるのだが、香りがないコーヒーが味だけで今のような地位を得ることが出来るとは考えられない。 さて、そのコーヒーの骨格たる香りを感じる嗅覚は、非常に慣れてしまいやすい(順応しやすい)感覚として知られる。人は日常的にさらされている香りを次第に感じなくなっていく性質がある。例えば「家の臭い」は自宅では無臭と感じるがよその家に上がると「その家の臭い」が感じられるものであるが、よその家の人はその人の

焙煎の定量化

コーヒーの焙煎の深さには様々な表現がある。例えば日本語では、 浅煎り 中浅煎り 中煎り 中深煎り 深煎り といった5段階評価がよく用いられるし、横文字で ライトロースト シナモンロースト ミディアムロースト ハイロースト シティロースト フルシティロースト フレンチロースト イタリアンロースト あたりの評価も良く用いられる。 問題は、これらはおおよその共通了解はあるものの、人によって微妙に指している焙煎度合いが違う、ということである。この問題を回避するため、物理的・