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映画

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2020年11月の記事一覧

映画を見た後に感想を言うのはこそばゆい

頭の中をグルグルと巡る言葉にしがたい感情と向き合いながらエッセイを書くことは好きだけど、結構気持ち的に沈むことも多いので、雑記が書きたいと思った。大好きな人は「どうでもいいことほど宝物にしようぜ」と言っていたので、これからは雑記も書いていこうと思う。 昨日『STAND BY ME ドラえもん2』を観てきたんですが、 映画を見た後にその映画の感想を言うのが私はこそばゆくてあまり得意ではない。これ分かる人いるのかな。 すごく”ワタシの話”になってしまうけど、映画を見終えた後、

泣く子はいねぇがの感想(ネタバレあり)

この感想では仲野太賀作品比較の為、 石井裕也監督作「生きちゃった」のネタバレもしております。 ご注意ください。 MOVIX京都で鑑賞。結構混んでた。 コロナがいよいよ第三波に突入してきたし、ぼちぼち外出しない方が良いのかなぁと思いつつ来てしまった。 大人になりきれない主人公の右往左往を観ていく内に「じゃあ大人になるというのはどういうことなのか?」とブーメラン的にこちらにも返ってくるような痛みがあった。 目の前の痛みから安易な方法で逃げてしまう事は誰にでもあると思うし、

ゆっくりとみる映画『ストレイト・ストーリー』

最近の映画ってどれもすごい早くないですか? いきなりクライマックスのような演出があったり、終盤にかけて急展開があったり、最後に大どんでん返しがあったり、常にハラハラドキドキなんて映画が今のトレンドなのかなと思ったりします。 だから古い映画を見るとそのスピード感に驚いたりする。 「ストレイト・ストーリー」はまさにそんな映画でした。 物語は主人公のアルヴィン・ストレイトが兄に会うために1ヶ月以上かけてゆっくりと旅をする物語です。アルヴィンは73歳のご老人、足腰が悪くて両手

幸運にも上映後に撮影を担当したカメラマンとお話しすることができた。 自主制作映画で写真のクシナ役は撮影2日前にやっと決まりリハーサル無しで本番だったとか。     映像が美しく、母と娘の絆を問う話は監督の私的な経験から生み出されたもの。 広めてくださいと言われたので遠慮なく。

驚愕のストップモーションアニメ『ミッシング・リンク』がやっぱりすごい!

スタジオライカのストップモーションアニメ『ミッシング・リンク』が遂に公開! アカデミー賞の長編アニメーションにノミネートされた時から楽しみに待ってましたがようやく観られる時がやってきました。 今回はこの驚愕のストップモーションアニメの『ミッシング・リンク』をネタバレなしで見所をnoteに書いてみたいと思います。 ストップモーションアニメとはそもそもストップモーションアニメとは何かといいますと、簡単に言うと「コマ撮り」で作成したアニメーションのことです。 今回のように人形

僕の大好きな中国映画「薬の神じゃない!」が日本で公開されているらしいのでぜひ観て欲しい

日本では鬼滅の刃が大ヒット中でしょうか?映画界が盛り上がっていて素晴らしいと思います。 今日は僕からもとっておきの中国映画を紹介したいです。「我不是药神(薬の神じゃない)」という、2018年に中国で公開された映画なのですが、なんと日本でも2020年の10月16日から公開されているという情報を見つけました。 この映画、ワンフレーズで言うなら「実話ベースで社会問題を描いていて、全体はポップな雰囲気なのにとても感動する傑作」です。 Wikiからあらすじを拝借 上海で、男性向

わたしは、生きている画家を何人言えるだろう

昨日、映画『ある画家の数奇な運命』を観た。 久しぶりに映画館で観る映画だ。 映画を観たあとに、映画の世界から戻ってくるのに時間がかかるのは、いつものこと。 でも、今回の映画は、抜け出すのに時間がかかりそうだ。 頭の中に言葉が、映像が、溢れている。 少し頭を落ち着けるために、感想とも批評とも言い難い、心に移りゆくよしなし事を、綴らせてほしい。 先週、大学のオンライン授業で、先生からこの映画を勧められた。先生とは、あまり映画の趣味は合わないけれど、とりあえず見ることにした

ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒の感想(ネタバレあり)

T-JOY京都で鑑賞。 初週の土曜に観た割にガラガラだった。 スタジオライカの前作のKUBOの時は吹き替えと字幕両方あったし、お客さんもかなり混んでいた記憶があるのだけど、今回は宣伝も力が入ってない感じで客足もなかなか寂しい。 アメリカで興収大コケしたらしいのでしょうがないかもしれないけど作品のクオリティとは無関係なのでもったいない。 スタジオライカ最新作。 「パラノーマンプライスホローの謎」が大好きで新作が出たら毎回観ている。個人的に前作の「KUBO」はそれほど好きになれ

ミニミニ大作戦

鑑賞時の感想ツイートはこちら。 2003年のアメリカ/フランス/イギリス映画。ヴェネツィア(ベニス)とロサンゼルスを舞台に、凄腕のスキルを持った窃盗のプロたちが集結し、50億円相当の金塊をめぐって大掛かりな強奪計画を実行する、痛快なアクション作品です。原題 "The Italian Job"。 『ザ・シューター/極大射程』『ディパーテッド』のマーク・ウォールバーグ、『マッドマックス 怒りのデスロード』のシャーリーズ・セロン、『ファイト・クラブ』のエドワード・ノートン、『ト

「作品に罪はあるのか?」問題に真っ向から挑む問題作『悪の絵』

10月31日から11月9日まで開催されていた東京国際映画祭。その中のワールド・フォーカス部門で上映された本作は、死刑囚の描いた画に魅せられた画家を描いた物語だ。 映画祭の会場の六本木ヒルズでは映画祭で上映される全ての作品のポスターが飾られてるのだけど、その中でもひときわ異彩を放っていたのがこの作品。下の画像を見てもらえれば分かるが、インパクト抜群。思わず目を止めてしまう迫力がある。筆者は、11/1の10:40からの回で鑑賞してきた。 【死刑囚の描いた絵に魅せられた画家…】刑

ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷の感想(ネタバレあり)

イオンシネマ京都桂川で鑑賞。公開二週目なのもあるのかガラガラだった。 ハリウッド版呪怨の最新作というかリブート作品。 僕は日本版は最初のOVA版2作と映画版1、2、それとこないだの三宅唱監督のNETFLIXのドラマ版を観ているという感じ。 ハリウッド版は今回が初めてだったのだけど、日本側の宣伝でほとんど「呪怨」の最新作であるという事を謳っていないのでなんとなく「設定だけ借りて呪怨の原型を留めてない作品なのかな?」と思っていたけど観てみたら全然そんな事なかった。超呪怨。 冒

ミステリアスなトルーマン・カポーティの生涯

『ティファニーで朝食を』の原作者、トルーマン・カポーティのドキュメンタリー映画が公開されました。 「誰もが一度は会いたいと願うが、一度会えば二度とは会いたくない」と言わしめるほどのクセ強な男。 彼を題材にした映画も公開されたりしていたんですが、実際どんな人だったのかは知らず。それがドキュメンタリーとして本人映像とともにその謎めいた生涯を知ることができるとは。 若き天才作家として注目され、セレブリティであり、ゲイを公表し、パーティとドラッグに溺れたトルーマン・カポーティに

血と暴力に彩られたインセプション『ポゼッサー』

10月31日から開催している第33回東京国際映画祭。今年はコロナの影響により、昨年まで実施していた「コンペティション」、「アジアの未来」、「日本映画スプラッシュ」の3部門を「TOKYOプレミア2020」という1つの部門に統合している。本作はその中の1本。人を操り暗殺者に仕立てる女と意識を乗っ取られた男との攻防を描いたSFスリラーだ。10月31日の16:30の上映回で鑑賞してきたので、感想を交えながら紹介をしていきたいと思う。 【監督はあの鬼才の息子!父の遺伝子を引き継ぐか?

恋のロンドン狂騒曲

鑑賞時の感想ツイートはこちら。 2010年のアメリカ/スペイン映画。ロンドンに暮らす離婚した老夫婦と、中年の娘夫婦。二組のカップルがそれぞれ新しい恋に振り回されてゆく姿を、ウディ・アレン監督ならではの “くすっと笑える” ユーモアで描いたコメディ作品です。原題 "You Will Meet a Tall Dark Stranger"。 出演は、老夫婦役に『羊たちの沈黙』『日の名残り』のアンソニー・ホプキンスと、『ブリジット・ジョーンズの日記』『ロケットマン』のジェマ・ジョ