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映画

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2024年1月の記事一覧

【ファンタジーと思いきや…】映画『ペルリンプスと秘密の森』感想

森を救う謎の存在「ペルリンプス」を探す2人のエージェントの姿を描いた映画『ペルリンプスと秘密の森』。監督は『父を探して』のアレ・アブレウ。 監督の過去作は未見だが美しいビジュアルとブラジル発のアニメーション作品ということで気になっていた作品。 1月14日の日曜日にセンチュリーシネマで鑑賞してきた。客数は10~15人ほど。男女半々くらいだったと記憶している。 アニメーションポスタービジュアルや予告編通りの美しさ。音楽も良い。 「ブラジルのアニメってどんなもんだろ?」とい

1/21開催 ボンダンス国際映画祭セレクション2024@シネマハウス大塚【告知】

脚本&助監督をつとめました『晴れて成仏』が都内で上映されます。ぜひお越しください! 1/21(日)14:30 ~ 17:30(開場14:10) シネマハウス大塚(巣鴨4-7-4-101) 入場料1500円  *被災地へ全額寄付が決まったそうです https://peatix.com/event/3799246 ボンダンス短編映画セレクション2024 佐賀県嬉野市で開催されているボンダンス国際映画祭から、オフィシャルセレクション 12作品が上映されます。映画漬けの一日

【雑文】2023年に観たオススメのミステリー映画

 昨年は1年間、観た映画を記録してみました。全部で95本観たようです。他にもテレビドラマやアニメ作品も観ているので、動画作品は大量に消費してきたみたいです。  その中で、コレは面白かった! 他のはいいからコレは観て! というのをピックアップしておきます。暇だなぁ、なんか映画でも観ようかなぁ、と思った時はこの辺をどうぞ。想像を超える結末をお楽しみに。 罪の声 原作は、塩田武士『罪の声』(2016年、講談社)。 映画は2020年公開。小栗旬、星野源が主役です。 アマゾンプライ

フェデリコ・フェリーニ監督 『道』:粗暴な男の話(ネタバレあり)

 シンクロするように、フェデリコ・フェリーニ監督 『道』の記事を見つけたので書いてみます。 参考にさせていただきました。  かなり前に、NHKのBS放送で見ました。その時は実況しながら見てましたが、大道芸人のザンパノへの憐憫みたいな書き込みがあって、それがテーマなのかな?と思ってました。  自分が興味が薄かったのは、リァリティが無いからです。  粗暴な男は昔の女の事で泣いたりしません。すぐ忘れます。別の女を見つけてよろしくやってます。まぁ父の事です。  映画はドラマ

【世間知らずの坊や、社会を知る】映画『ファニーページ』感想

高校生のロバートは恩師と崇める先生の死をキッカケに学校を辞めてプロの漫画家(カートゥーン作家)を目指すようになるのだが… 映画『ファニーページ』は『A24の知られざる映画たち』で公開されている作品の1本だ。Youtubeで予告編を観た時から「これ絶対好きなヤツだ!」と気になっていた作品。 結果的から言うと 大好きな作品だった。ただ人にはお勧めはしない。 かなりブラックでシニカル、おまけに下品な描写もある。 冒頭、ロバートが先生をモデルにスケッチを始める場面から始まる

『ラーゲリより愛を込めて』 シベリア抑留実話に基づいた映画/世界は不条理に満ちている(感想文のない映画感想文)

Amazonプライムに来ているのは分かっていたが、実話が元となっていることを知り、観るかどうか迷っていた。 シベリア抑留から帰国した叔父(私の母と年の離れた兄)から子供の頃話を聞き、内容は途切れ途切れだが、今も心に残っている。 その後、叔父一家は個人的な事情で離れた場所へ引っ越し、私が実家を離れていた学生時代に亡くなったと、数年経ってから聞かされた。 映画の配役は、メディアでよく知られている方々 感想noteで『ラーゲリより愛を込めて』を検索するとたくさんの記事が出てく

【日常という名の幸せを】映画『枯れ葉』感想

フィンランドのヘルシンキを舞台に、生活に困窮しながらも生きる男女のすれ違いの恋を描いた映画『枯れ葉』。監督はフィンランドの名匠アキ・カウリスマキ。 主演は『TOVE トーベ』のアルマ・ポウスティ。『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』のユッシ・バタネン。共演に『街のあかり』のヤンネ・フーティアイネン、『希望のかなた』のヌップ・コイブが名を連ねる。 アキ・カウリスマキは自分のベスト3に入るくらい好きな監督だ。 だから引退撤回と新作発表の知らせを知った時は本当に嬉しかった。

【奇妙な町の奇怪な事件】映画『スライス』感想

幽霊と共存する町キングフィッシャー。 ある日、ピザの配達員が仕事中に殺される事件が起きる。 犯人は久しぶりに町に返ってきたオオカミ男なのか、それとも… 映画『スライス』は現在公開中の『A24の知られざる映画たち』の1本だ。 人気ヒップホップアーティストのチャンス・ザ・ラッパーが主演をつとめているほか、共演に『デッドプール2』、『ブレットトレイン』に出演してるザジー・ビーツも出演している。 キングフィッシャーという田舎町で起きる連続殺人事件。 ただし普通の殺人事件と違うの

【諍いに大きいも小さいもない】映画『ソルフェリーノの戦い』感想

2012年、フランスのソルフェリーノ通りでは国の未来を左右する大統領選挙が行われていた。その裏ではある元夫婦の争いが勃発していた。 熱狂の選挙と交互に描かれる夫婦の争いを描いた映画『ソルフェリーノの戦い』。 監督は2月23日に公開予定の『落下の解剖学』のジュスティーヌ・トリエ。 『落下の解剖学』は2023年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門でパルムドールを受賞しゴールデングローブ賞でも脚本賞&外国語映画賞を受賞するなど話題の作品である。 ちょうどJAIHOで配信されて

2023年 映画ベスト10! <日本映画編>

あけましておめでとうございます。 2023年の映画ベスト10、<外国映画編>に続いて、<日本映画編>です。 こちらもかなり観た中からの厳選10作品となります。 では早速どうぞ。 10位 『首』 北野武監督による待望の新作! 本能寺の変に向かう戦乱の世を秀吉、光秀など跡目を狙う面々がしのぎを削り合う。 中でも加瀬亮の信長がセクハラにパワハラという完全なるブラック企業の社長という感じで狂っててかなり良かったです。 秀吉については相当調べたらしく、曽呂利新左衛門など落語の始

ゴジラ -1.0 感想:相克と相殺のニュートラル

公開から随分と二の足を踏んでおり、信頼するレビュアーの方達、価値観の近しい、あるいは違える友人からの評価を伺うにつれ、より一層見るのが億劫になってしまっていたのだが、ついぞ観てきた。 意を決して蓋を開ければ、清く正しく面白くない、かといって不快でもない、毒にも薬にもならない作品だったので安堵している。 完全にニュートラルじゃん。なにが-1.0と書いてマイナスワンか。梅田望夫でもゼロ年代でもないんだぞ。 もっと席に座っていることが苦痛になるほどつまらないか、あるいは自分の嫌

【この話は陰キャによく刺さる】映画『ショーイング・アップ』感想

新年最初の映画感想の記事はこちら『ショーイング・アップ』の感想を。 「新年最初」とあるが今年最初に観た作品ではない。 2023年に感想を挙げきれてなかった作品の1本だ(ちなみに後3作品挙げれてない映画があります)。 監督はアメリカインディーズ映画で有名なケリー・ライカート。 奇しくも現在公開中の『ファースト・カウ』と公開時期が被ってるけど製作された時期は離れている。 日本での公開にタイムラグがあったことで時期が重なったということだろう。 また『ファースト・カウ』と違い本

2024年公開を心待ちにしてる新作映画10本

新年明けましておめでとうございます。 ヴィクトリー下村と申します。これまで付き合いのある方も初めましての方もよろしくお願い致します。 新年早々、正月気分どころではないことが起きてますね…被害に遭われた方は心よりお見舞い申し上げます、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。 さて、新年最初の記事は2024年公開予定の映画で特に楽しみにしてる映画10本を挙げてみました! 巨匠の新作を中心にさまざまな作品を挙げてあります。興味ある方は是非覗いていって下さい。 ①女性版フラ