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結局、海外に行っても人間は変わらないということ

私は神奈川県の田舎の方で生まれ育ち、小中高ずっと公立、家族にも海外にゆかりのある人なんておらず、ごくごく一般的な日本人として、日本人の感覚を持って生まれ育ちました。

その中でも両親の宗教や学校でのいじめ、疎外感、自分の性格や能力など、(客観的に見ると大したことなかったのかもしれないですが)色々と悩み、時には死にたいとつぶやき続け、突然涙が止まらなくなることもあり、もがき続けた結果、私はこのままではいけない、ここにいてはいけないという潜在的な思いが、海外志向へと繋がっていきました。

結論、外の世界を知ったこと、海外に出たのは私にとって明らかに良いことで、後悔はしていません。この道に進んだことは間違いなく、私の人生においてプラスであり、決断してくれた10年ほど前の自分にありがとうと伝えたいです。

ただ、期待を裏切られたというか、予想外だったことが1つあります。私の性格は全く変わっていないのです。

昔から人見知りで、小中まではほぼずっと仲良しと呼べる友達がおらず、基本的に1人で時間を過ごしていました。少人数で話すことはできますが、大人数でワイワイガヤガヤすることは苦手でした。

大学生ぐらいになった頃から、別に1人が心地よいと感じるのだからそれで良い、これが私の性格であり、私の人生なんだから無理して周りに合わせる必要はないと気づき思い悩むことは減りました。そのようなマインドになってからやっと、ごく少数ですが親友と呼べる友達もできました。それでも、たくさんの友達に囲まれてキラキラ楽しんでいる人を見ると、「普通の人は楽しめることをどうして私は楽しめないのだろう」と、落ち込むことは未だにしばしばあります。

それでも、皆が明るくてオープンなイメージのある欧米にくれば、私もワイワイガヤガヤ楽しめるように、毎晩パーティーに繰り出して飲んで踊りまくるようなことができるようになるのかなと、海外に行ったことがない頃は淡い期待を抱いていました。が、実際に海外に出てみても、残念ながらそんな魔法のことは起こりませんでした。

私が未だに人付き合いが得意でなく、学校や仕事でアサインされた内容を話したり、聞かれた質問に回答することは余裕ですが、日常の何でもない会話、いわゆる、「Small talk」と呼ばれるものは非常に苦手です。初対面の人に、名乗って挨拶することはできますが、その後何を話していいか、どう会話を盛り上げるのか分からず、そもそも会話を続ける気力もあまり湧かず笑 そのまま沈黙からフェードアウトしてしまうことがほとんどです。

それでも、別に相手のことが嫌いなわけでは決してなく、相手に不快に感じてほしくもないので、聞き手に回りつつも頑張って輪に馴染もうと努力することが多いのですが、どうしてもしばらくすると心身ともに疲れてしまい、1人でその場を離れて座ったり帰ったりと、休まざるを得ないのです。(休みながら涙が出そうになることもしばしば…)特に結婚式のように丸一日のイベントごとなどは結構きついものがあり、楽しみたい、お祝いしたい気持ちはあるけれどもその気持ちを態度に表しきれず不甲斐なく思います。

今の私が生活しているのは、故郷からははるかに離れた場所で、言語も環境も違い、日本にいた時の家族や知り合いは1人もいません。周りの環境、変えられるものは全てまるっきり変えた状態ですが、結局のところ、私は私であり、私の人生を形作っているのは私自身に他なりませんでした。

私はどこにいようと私、あなたもどこにいようとあなた。自分を変えることが「不可能」であるとは思いませんが、それは生活する場所、国を変えるという、決まった事務的プロセスを踏めばほぼ確実に実現できる事柄よりも、はるかに難しく、全く異なったアプローチを必要とすることなのです。

実際、私自身の抱いていた期待だけでなく、私は現在も周りの人から、「海外に移住するなんてすごい」「1人で海外に行くなんてすごい」と言っていただくことがあり、褒めていただけるのはとても嬉しいのですが、現実として全然すごいことをしている気はなく、むしろ、本来はもっとしっかりと自分自身と向き合って改善していくべきところ、海外へ行くという表面的に大きなことをすることで自分と周りを誤魔化し続け、本当に大切なことから逃げ続けているような、罪悪感を覚えることさえあります。

もちろん、よくよく考えれば私自身の価値観や行動にも徐々に変わっている部分はあります。さらに、前述の私の性格については個性にすぎず、別に誰かを傷つけることがない限りは良い悪いと判断されるべきものではないので、あまり思い悩むことではないのかもしれないですが、どこにいても、何をしていても、常に「自分を向き合うこと」を忘れてはいけないなと思います。

私は逆に、海外に来て周りの環境をガラッと変えたからこそ、自分の本質が浮き彫りになって自分自身に対する理解が深まった部分もありました。どうしても海外に行くとなると、「新しい文化を学ぶ」「自分の生まれ育った環境の良さを知る」など、個々の人生においては外的な要素に目が向けられがちだと思うのですが、どんなに周りの環境が大きく変わっても変わらないものに気づき、それを自分はどうしたいのか、どのように活かしていきたいのか、どのように改善していきたいのか、考えるきっかけになるというのも、大きなメリットとして認識されてほしいです。

フリーランスですがまだまだ駆け出しなので、少額でもサポートいただけると本当に助かります。これからも楽しくて役に立つコンテンツの作成を頑張っていきますので、そのエネルギーにするためにサポートいただけると嬉しいですm(_ _)m