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短・小説①~僕のハッピーエンド🎶


『ゴン!ゴン!ゴン!』 『ギューン!』

『バンバン!』 『オォアッ!オォアッ!』

俺『え~!まぁた、隣の⭕チガイおっさん、日曜大工始めよったんか~ もう、たいがい触るとこないんちゃうんか~ 病気やろ、あのオッサン💢』

そうなのだ。。ウチの隣の家には、独身の初老の⭕チガイおっさんがいる。

週末になると、触らないと気が済まないのか、いっつも家のどこかを触っている。

ウチの家は、中古で買った、築20年の2階建て。 ⭕チガイおっさんの家も、同じような作りなんだが、 
昔の建築設計だから?境界線が曖昧で、それをしってか知らずか、そのあたりを基本いじっている。

過去に何回か、週末とはいえ、朝も早くから日曜大工をするもんだから、
注意したことはあるが、

『家が古いからな、修理せな、住めまへんのや。悪いな、兄ちゃん。文句あんにゃったら、裁判しよか? 民事訴訟起こすか?』

ホンマに…面倒くさいオッサンやで😥話にならん。

僕らが引っ越してきたときは、オッサンはいなかったが、
その家で産まれ、高校時代まで住んでいたが、家を出、 何らか事情で戻ってきたらしい。
なんでも、学生時代は、たいがいな奴やったそうで…

『はぁっ(´-ι_-`)』ため息…

『ちょっと、パパ』

バァン! 娘と嫁である。

娘『もー、うるさすぎて 殺意いだくわ。なんとかならんの?あの⭕チガイ!』

嫁『…お互い様ちがう?』

娘『はぁ?!アタシの成績 下がってもいいんやな? たっかい学費の私立高校になってもええんやな? なぁ』

嫁『…そんなこと、誰も言うてないやん…』

娘『あー、もーいや、こんな家!』

バァン!バァン!どぉん!

(´-ι_-`)今度は、ウチの中が、激しくなってきた。


と、まぁ、 いつも~ こんな感じの悪循環なんだ。
こっちがウルサくすると、隣の⭕チガイおっさんは

『オォアッ!オォアッ!』

て、タンを絡ませながら、さらにエスカレートさせていくんだ。。

ときには反対側の老夫婦までが、

『オォアッ!オォアッ!』『ハンッ!』

ちゅうて、同調しだしよるんだ。まさかのタン絡みのコラボレーションなんだ。。






(´・_・`)ん? あれ? なんか、揺れてないか?


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ‼️

グワッシャァ~ッ‼️ バリン!バリン!

突然。家が、考えられない力で揺さぶられ、
聞いたことのない音できしみ合うッ

ガラスは割れ、飛び散る。

こんなタイミングで
『大地震』が きてしまったのだ‼️

恐らく半壊してしまった我が家。

玄関あたりに、たまたまいた俺は、
仕事で履いている安全靴を、とっさに履き、仕事で使っているゴム手袋を装着

急いで、娘と嫁のいる2階リビングに!

娘『パパ!』 嫁『お父さん…』

俺『どうもないんか! 大丈夫か!』

娘『うん。。めちゃくちゃ怖かった…』

幸い、嫁も娘も怪我は無いらしい。

『よかった。。』

嫁『もうこの家、住めへんのん?』『地震保険入ってへん…』

相変わらず 現実的な奴。

面倒くさい! 俺は、無理矢理 2人を抱きしめた。

予想外のことが起こった。

なんと、嫁も娘も 泣きながら、俺に抱きつきかえしてきた。。

いったい、いつぶりだろう、こんな感覚。この感触。この温もりは…

自然と、俺のホッペにも、熱い涙が、こぼれ落ちた。。

何年かぶりに、2人の手を取って、家の外に出てみる。

どういう規模の地震だったかわからないが、
外から自宅を見てみると、
やはり半壊してしまっていた。 よく無事だったと思えた。。

ふと、なぜか。

『あ。⭕チガイおっさん、大丈夫かな?』と思えた自分がいた。信じられなかった。

その前に、タン絡み同調老夫婦の家を覗く。

『おじいちゃん、おばあちゃん、大丈夫かぁ?!』

タン絡み同調老夫婦は、あまりの恐怖に震えていたが、怪我は無いようだった。

『よかった。でも、家の中危ないから、外でとかなアカンで!』

タン絡み同調老夫婦は、うぇ~っと声にならない声で、了解していた。

あ、そや。⭕チガイおっさんや!

反対側にまわり、なんや。。複雑な気持ちやけど、

『おっさん、おっさん!無事か?返事しいや!』

っていうと、
『オォアッ!オォアッ!』

て、タン絡みで返事しよった。
ホンマに舐めたオッサンやで。

けど家は、損壊がひどくて。。

娘『パパ、オッサン 怪我しとる!』

家から出てきたオッサンは、何かでキレたのか、頭から血を流している。 

『オッサン、ちょ、待っとけよ、今 包帯とか探してくるから』

俺は、半壊してしまった我が家の
中をひっかきまわし、包帯とかガーゼとかを適当に見つけてきた。

『これ、頭に巻いてやりーな』

娘は、露骨に嫌な顔をしたもんだから、
仕方なく、嫁が手当てをすることになったんだが…

オッサン『奥さん、すいませんねぇ。。』

いいながら、嫁の脇の下やら、胸の谷間やら…
ガン見しとる。

俺『おぉい、コラ、オッサン💢どこ見とんねん!』 

オッサン『いゃあ、ごめん、つい、なぁ…オォアッ!』

まだ絡むか、タン。ホンマに舐めたオッサンやで。

オッサン『せやけど兄ちゃん。これから、どないする。。。ここらは高齢者が多い。ワシら、ここらじゃ、まだ若い方やでなぁ。色々、手ぇ貸してやらんとアカンやろな』

俺『そやなぁ。嫌でもオッサンと協力してやっていかな、アカンやろな』

オッサン『嫌でもは、余計やわ(笑)オォアッ!』

『まぁ、でも。思ってたより、ええとこあるやないか兄ちゃん。見直したで!』

俺『あたりまえやがな。あたりまえのこと、しとるだけや』

そう言って、ふと横を見ると…

俺をキラキラ光る目で見つめる 嫁と娘がいた。

俺『嫁、俺にほれなおしたやろ!』

嫁『……』 

娘『パパ!惚れたわ! 』

だって(笑) なんじゃそら!






でも…その場にいた皆…

ニコニコ ニコニコ 満面の笑みや✨
こんなこと、今まで無かった。

今、かなりのピンチに陥りながら、
俺は、最高の『幸せ』を感じている。。

これがホンマの災い転じて福となす
 ってことなんかなぁ… 


オッサン 『オォアッ!オォアッ! ぺっ!』
タンを吐くな、タンを!💢



その時…

ピカッと光った。

その瞬間 皆 満面の笑みのまま、

『蒸発』 してしまった… 


どっかの国が、この混乱に乗じて
攻めてきたのだ。
終わりが始まるのだ。


#オールカテゴリ部門 #創作大賞2023
















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