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弓道(弓術・射術)

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弓道(日置流印西派射術)に関する記事です。 射術、弓具、その他、アーチェリーの経験も踏まえた観点で書いています。 よろしければシェアをお願いいたします。
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記事一覧

弦(ストリング)の素材・形状・特徴について

弦(ストリング)の素材・形状・特徴について

 弓道、アーチェリー、ボウガン・・・・
 弓は全てにおいて上下の末端に弦をかけています。
 そして弦に矢を番え、引っ張って離して矢を飛ばしています。

1 弦(ストリング)に求められる性能 離れ(リリース)を行うと、変形していた弓は元の形に戻ろうと復元をします。
 このエネルギーを使って矢は飛んでいきます。
 その復元は、なるべく柔らかく収束することが求められます。
 何を言っているのかと言います

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「狙い」と「練習方法」について(その2)

「狙い」と「練習方法」について(その2)

 前回は、的の真ん中をしっかり狙うことが大切ということをお伝えしました。まだお読みになっていない方は、以下のリンクより御覧ください。

 さて、今回は「距離」と「狙いの高さ」について述べてみたいと思います。

1 「距離」について(1)弓道の場合

 「近的28m」と「遠的60m」です。

(2)アーチェリーの場合

 ターゲット競技では長距離が「90m」「70m」「60m」、短距離が「50m」「

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「狙い(エイミング)」と「練習方法」について(アーチェリーから弓道へ)

「狙い(エイミング)」と「練習方法」について(アーチェリーから弓道へ)

1 狙い(エイミング)について

 アーチェリーでは、弦サイト(ストリングスと弓の位置関係のチェック)とともに、サイト(照準器)のピンを的のゴールド(10点)に付けて狙います。
 弓道においては照準器がない(いわゆるベアボウ)ため、弓と的がどのような位置関係に見えるかによって狙います。「満月」「半月」「闇」などと言われています。

2 エイムオフ(アーチェリー)について

 無風で弦サイトやシュー

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勉強不足は恥

勉強不足は恥

 少し刺激の強いタイトルにしてしまいました。

 誤解のないよう最初に述べておきますが、「勉強時間が足りないことが恥ずかしい。」と言うことではありません。
 「勉強をしていないのにそれを知っているかのように振る舞うことや、勉強をしていないのに評論することこそ恥ずかしい。」と言いたいのです。

 例えば「地球平面説」ですが、古代では殆どの人が信じて疑わないことでした。ところが真実は「回転楕円体(土木

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結果と過程どちらが重要?

結果と過程どちらが重要?

 「優勝は出来なかったけどよく頑張った。結果よりもその過程を大事にして欲しい。」
 「結果が全てではありません。そこに向かって努力したことこそ重要です。」 
 よく耳にする言葉ではないでしょうか?
 これに対してこう思ったことはないですか?
 「結果が出なければ意味がない。結果を手に入れたくて努力してきたのだから。」

 結論から申し上げます。「結果(result)」と「過程(process)」は

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日置流体拝セミナーに参加して

日置流体拝セミナーに参加して

 2022年11月12日(土)・13日(日)の2日間開催され、参加してきました。

 会場は、山形県蔵王温泉の「松金屋アネックス」です。

 こちらのお宿は、館内に弓道場(12人立)があります。
 学生時代に夏合宿でよくお世話になりました。
 それ以来ですので実に30年ぶりです。
 雰囲気が全く変わらなくてとても懐かしく思いました。

 さて、今回のセミナーでの素晴らしかった学びを2点お伝えしたい

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弓道における性能と制御について

弓道における性能と制御について

 射術は、
 ①性能→「矢を的に向けて強く発射する。」という物理運動を行う能力。
 ②制御→①を確実に実行するための指令。
 に分類し、分析稽古することが重要です。

①「性能」について これは、「射手の技量」と「使用弓具の性能」になります。
 「射手の技量」は、目的を「矢を的に向けて強く発射する。」という物理運動に特化すると、重要点は「上押し」「伏せ」「捻り」「回内」「割込」などです。もちろん

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ベアシャフトチューニング②(アーチェリーから弓道へ)

ベアシャフトチューニング②(アーチェリーから弓道へ)

 今回は理論を述べていきます。

1 矢の飛び出し方 弓道の場合、弓に対して右側に矢が位置します(アーチェリーは逆)。
 従って、「離れ」が行われ矢が発射される際、矢は必ず矢摺籐に接触して右側に反発されます。
 一方、弓はその構造上、弦(ストリングス)が矢の最後部(筈・(ノック))を押し出しています。よって、矢の最前部(矢尻・板付け(ポイント))をコントロールすることができないのです。
 すなわち

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ベアシャフトチューニング①(アーチェリーから弓道へ)

ベアシャフトチューニング①(アーチェリーから弓道へ)

 アーチェリーで行われているベアシャフトチューニングについて、弓道版に解釈し、連載でお伝えしていきます。

1 はじめに お断りから入らせていただきます。
 これから述べていく「ベアシャフトチューニング」は、アーチェリーで一般的に行われているものです。
 秘密事項でも秘伝でもありませんし、私(ひろ坊)が発明したことでもありません。
 また、これを実践されたことで、矢所(グルーピング)の大きさや、的

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「ツルネ ―風舞高校弓道部―」をU-NEXTで視聴

「ツルネ ―風舞高校弓道部―」をU-NEXTで視聴

 弓道のアニメとはとても珍しいですね。
 テレビ購入を機にVOD(U-NEXT)に加入して、真っ先に鑑賞しました。
 弓道人としては当然ですよね(笑)。
 では、感想を述べたいと思います。

1 弓道をやってみたい!と感じる内容 これは一番感じました。
 中学での経験者も、高校からの初心者もみんな一緒になって、お互いを理解し刺激しあいながら向上していく。
 顧問の先生やコーチの導き方もとても素晴ら

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矢羽の2枚摺り(アーチェリーから弓道へ)

矢羽の2枚摺り(アーチェリーから弓道へ)

 平成7年からアーチェリー部の顧問として18年間指導に携わりました。
 そこで得た有用なことを弓道に流用しています。
 はじめに断っておきますが、古来から伝承されている「射術」についてアーチェリーから流用する事は一切ありません。

 今回は矢羽の位置についてです。
 通常矢を購入すると下図のように設定されてきます。

 これを「1枚摺り」と呼ぶことにします。
 この状態で矢数をかけていくと、3枚の

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貫中久のこと(日置流印西派弓術)

貫中久のこと(日置流印西派弓術)

 日置流印西派の射術における最高目標として「貫中久」があります。

1 「貫」 「貫=つらぬく」
 矢の飛ぶスピードまたは、的中時の貫徹力です。
 元来弓は戦で用いられており、敵を殺傷するためのものです。
 敵に強いダメージを与えるためには「強い矢」を飛ばさなければなりません。

2 「中」 「中=あたり」
 的(まと)に的中することです。
 特に「星」に的中することが重要です。
 弓道では15間

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日置流印西派(弓道•弓術)のこと

日置流印西派(弓道•弓術)のこと

日置流印西派射術との出会い 高校在学時(昭和63年4月〜平成3年3月)は弓道部に在籍し、全日本弓道連盟流の弓道を3年間御指導いただきました。
 その後、大学進学(平成3年4月〜平成7年3月)と同時に、日置流印西派射術と出会いました。
 実を言いますと当時、「え?なにこれ。弓道は好きだけど何か変だよね。入部やめようかな。」と悩みました。
 それぐらい衝撃的な出会いでした。
 弓道は続けたい。しかし、

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教諭になったきっかけ

教諭になったきっかけ

 現在教諭として27年目です。
 なぜこの仕事に就いたのか。
 きっかけは大きく2つです。

■学生時代の塾講師 その塾の経営者であった戸塚創先生は、塾生1人ひとりから尊敬され、素晴らしい師弟関係を構築されておりました。
 自分自身も個別指導で数十名の塾生を担当しました。指導を通じて中高生は私に徐々に心を開いてくれたと同時に、意欲を持って勉強に取り組むようになりました。
 希望の進路目標を達成して

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