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私はどうやら「ありがとう」が多い世界が好きになったみたいだ

人は今までの人生で出会ってきた様々な人に、影響されたり憧れたり、こんな人にはなるまいと反面教師のように思ったりしながら、自分というものを形成していく。

意志を持って自分はこういう人間になるのだと決めていることもあるだろうし、全く無意識のうちに身についている口調や性格などもある。
今まで誰の影響も受けずにまっさらな自分のままで人間を形成している人というのはおそらくいないだろう。


先日実家に帰った時に、父がゴミをまとめて倉庫に移動していた。
いくつか袋があったので、これも持っていくのかなと私は残された袋を持って父のあとを追った。

倉庫の中をごそごそと整理しているところに、無言で持ってきた最後の袋を持ってつっ立っていると、私に気づいた父が言った。

「そこ、置いといて。」

ぽてっと袋を置き、私は家の中に入っていった。
いつものなんてことないやり取りではあったのだが、私はなんだかちょっとした違和感を感じていた。
「あぁ、ありがとう」くらい言えばいいのに、と思ったのだ。

ありがとうも何も、1,2日とは言え自分もそこにいたのだから父にやらせていないでむしろあなたがゴミをまとめなさいよという話でもあるのだが。

そして私が違和感を覚えていたのは、ありがとうと言わない父に対してではなく、ありがとうって言えばいいのにと思った自分自身に対してだった。
違和感というか、ほぅそう思うなんて、という意外な心境とでもいうのだろうか。

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