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【風呂酒日和10-2】 BathHaus (バスハウス)

※この記事は緊急事態宣言前に訪れた時のものです。

【風呂酒日和(フロサケびより)とは】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。


普段は銭湯を出て、駅に着くまでの道のりでちょっと気になった店に入る。
赤い提灯や、漏れる店の明かりを眺めながら狙いを定めるのも面白い。

だが、今日は違う。
だって、お風呂を出てのれんをくぐったその先にはクラフトビールが飲めるバーがすでに待ち構えているのだ。
湯冷めすらさせず、秒速でお酒が飲めるとは天国だろうか。


先程入れ替わりで浴室を出ていった女性がカウンターに座っていた。
やはりここに来てお風呂だけ入り帰るというのはナンセンスだよね、うんうん。なんて、勝手に肩を組んだような気持ちになる。

とはいえ人見知りなので彼女の座っていたカウンターではなく、空いていた窓際のテーブル席をこそこそと陣取って私はメニューを眺めた。

クラフトビールはその時々によって様々な銘柄が並ぶそうだ。
フードは、ガパオライスやカオマンガイ、カレー、バインミーなど多国籍な文字が並ぶ。
しっかりした食事もあれば、ちょっとつまめるピクルス、トルティーヤチップスなどもある。
ドリンクもクラフトビールはもちろんのこと、カクテルからフルーツジュース、コーヒーまでラインナップも豊富だ。


IPA好きの私は黒板のIPAの文字を見て、それを頼んだ。
夕食も食べていなかったので、一緒にガパオライスを頼む。
そうこうしているうちに1人、2人と客が来店。
カウンターに座った。

どうやら銭湯としてではなく、普通のバーとしてクラフトビールを楽しみに来る人も多いらしい。
もったいないと思いつつも、確かにバーとして飲みに来て常連となった後で、いつもの顔見知りと全裸で遭遇するいうのもなかなか気まずいのかもしれない。
IPA独特の苦みとフルーツのような香りを堪能しながらそんなことを考える。


ガパオライスはスパイシーながらもシンプルな味付けで美味しい。
普段お酒を飲む時にはあまりごはんなどの炭水化物を同時にはとらないのだが、今日は空腹に負けついつい頼んでしまった。
なんだか昔旅行で行ったプーケットの屋台を思い出す。
あの時はガパオと一緒に生ぬるいシンハービールを水のように飲んでいた気がする。海外旅行、恋しい。
感傷に浸りながらもペロリとガパオライスを平らげた私。
同じくスパイスが効いていて美味しそうなカレーも気になった。
次に来た時はカレーを食べてみたい。


IPAのハーフパイントを飲み終えた私は、程々に満腹なくせに早速次は何を飲もうかと考える。
せっかくクラフトビールがこんなに並んでいるのだから、さすがに一種類だけでは帰れない。
二杯目は飲みやすいとおすすめされたホワイトエールにした。
柑橘のさわやかな香りが鼻腔を抜ける。
おすすめの通り飲みやすい。

壁に並ぶサーバーから注がれる、その時期ならではの生のクラフトビールもいいが、奥の冷蔵庫に並んでいるビンや缶のビールもなかなか捨てがたい。
国産にこだわって仕入れているらしいちょっと見慣れない銘柄のそれらは、デザインもおしゃれで、買って帰って美味しく飲んでから窓の縁にでも並べたくなるような個性豊かなラベルばかりで、見ているだけでも楽しくなる。

銭湯もバーも程よいスペースとアットホームな空気。
思わずカウンターの人とも一言二言会話を交わす。
どの人もよくここに来るようで、それでいてがっちりとした身内感もなく、新参者の私にもやわらかく言葉を交わしてくれる。

銭湯や一人で入った飲み屋でこんなに話したのは初めてかもしれない。
店を出る時には入口まで店員さんが見送ってくれ「また是非来て下さいね」と暖かく見送られた。
美味しいごはんとクラフトビール、あたたかい人達からたくさんのCHILLをもらって、私はBathHausを後にした。


【 BathHaus 】
住所: 〒151-0066 東京都渋谷区西原1-50-8 1F
電話: 080-6694-6529
アクセス:小田急小田原線「代々木八幡駅」「代々木上原駅」
     千代田線「代々木公園駅」下車、徒歩10分
定休:第4水曜日


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