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『学びとは何か』3/8回

「学ぶ」を「学ぼう」!
そう思い立った私にとってどストライクなタイトルの本書を8回に分けてアウトプットしています。
今回は3回目(第3章)!一緒に学びましょう!

前回は↓です。

前回までのざっくりおさらい

人が生まれてから母語を習得していく過程は、
知識をシステムとしてつくりあげている」ことだと学びました。

「行間を補うために使う知識」であるスキーマは新しいことを学ぶうえで非常に大事です。

スキーマというのは「大概はこれでうまくいく」という経験則のようなもので、必ず正しいとは限りませんスキーマは「思い込み」でもあるからです

スキーマが「思い違い」だったらどうなるのでしょうか?誤ったスキーマ(思い込み)を持っているとすればどう克服すればよいのでしょうか?


❸乗り越えなければならない壁
 〜誤ったスキーマの克服~

①割り算

割り算が苦手な子、多いですよね。うちの子も苦手です。

これは、「数=自然数」というスキーマ(思い込み)と矛盾するからなのです。
割り算を概念として理解するには、生まれてから自然と培ってきた思い込みを壊して、「数」の概念の土台からつくりなおさなければならないのです。

②思い込みの例1

問題です。
ボールを転がして崖から落としたときの軌跡は以下のどれでしょうか?

学びとは何か_図3-4

私も間違えてしまいました。
正解は「スキ」を押すと出ます。

・・・嘘ですすみません😅。最後まで読んで確認いただければ幸いです。

③思い込みの例2

またまた問題です。
コインを投げ上げたときに上昇中の●の地点でかかっている力は以下のどれでしょうか?

学びとは何か_図3-5

ええ、またまた間違えてしまいましたよ。

「思い込み」がいかに強く、怖いか、こんな簡単なテストでも身をもって感じることができました。

なんとガリレオも運動については誤解していたらしいです。

④外国語を学習する際の思い込み

子どもは、母語の単語の意味を自分で考えて学習します。母語の学習=知識のシステムづくり、でしたね。

一方で、大きくなってから外国語の単語を学習する場合は、母語で訳された単語の「意味」で覚えます。中学、高校ではそんな学習でした。
このとき、その単語と母語がまったく同じ範囲で使えると思い込んでしまうのです。

例えば、「wear」と「着る」。
日本語だと帽子は「かぶる」だけど英語では「wear」もつかえる。
「着る」は動作と状態を表せるけど、「wear」は状態であって、動作は「put on」をつかう。
など

このように、外国語を理解するとき、母語で獲得した思い込みが学習を妨げるのです。じゃあどうすればよいかと言うと、

母語とは別に、その外国語での概念領域の意味地図をゼロからつくり直さねばならない

のです。これは大変なことです。

⑤小さいころから英語を習っても…

大きくなってから外国語を学ぶ際に母語の影響を受けてしまうのであれば、小さいころから母語と一緒に外国語も習うのはよい気がしますね。

例えば、お父さんは英語、お母さんは日本語がそれぞれ母語で、日常生活でそれぞれが母語で子どもに話しかける。そんな状況であれば、二か国語を知識のシステムとして構築できるでしょう。

逆に言うと、そんな環境でもなければ知識のシステムをつくることはできません。

⑥誤ったスキーマをつくらないためには

誤ったスキーマ(思い込み)がダメなんだったら、最初から誤ったスキーマをつくらければいいじゃん!
ですが、

誤ったスキーマをつくらないことは不可能

なんです😲
スキーマは自分でつくるものなので、人から直接教えることもできません。

アクション系のゲームを攻略本を見たからって初見でノーミスクリアなんてできませんよね。

⑦誤ったスキーマ(思い込み)を乗り越える

スキーマについて大事なことは、

誤ったスキーマ(思い込み)をつくらないことではなく、
誤った知識を修正し、それとともにスキーマを修正していくこと

これが学ぶうえでとっても大切です。
間違ったっていいんです。間違いに気づき、もしくは人に指摘されたときは素直に受け止め、それを正し、そこから学び、成長することが大事なんですね。

▼次回

熟達していくことについて掘り下げていきます。
熟達にともなって知識はどう変わっていくのでしょう?

つづき↓

②の正解はA
③の正解はB


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