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思い出の中に広がる草原 〜 「心の草原」 岡村孝子



中学生の頃。

中学校までの道のりは、街を流れる大きな川に沿っていました。その道のりの一つが土手。家を出て土手に向かい、川を見ながら上流方向に進むと、中学校が見えてくる。

土手は周囲よりも高い場所に存在しているため、遮るものが無く、風を感じながらの登校は気持ちのいいものでした。

土手から川に向かう場所には、草が群生していて、さながら草原の様相。その草が風に吹かれて揺れるときに立てる音。そんな音も心地よいBGMでした。

当然、帰り道も同じ道のり。今度は下流方向に向かうので、夕焼けに向かって帰ることになります。これもまた風情が合ってよかった。街灯はなく、夜は真っ暗な場所ですが、夕暮れ時、世界の色合いが濃厚な朱色にとってかわられるその瞬間の美しい風景はいまだに記憶の中に残っています。

そんな風景の中に3年間。

13歳から15歳までの時期を毎日往復していたわけで、あの頃、あの道のりで、あの風景を眺めながら聞いていた音楽もまた、あの風景の記憶と共にあります。

あの時、あの時代、好んで聞いていた、この曲を聞くと、心の中にあの草原が浮かび、草が揺れる音が聞こえてくる、そんな気がします。

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