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歴史群像シリーズ『決定版 図説 戦国合戦地図集』

 日本史マニアには堪らない本です。

 戦国時代に起きた有名な戦の概要を、日本地図を使って紹介。

 各武将の位置、おおよその兵数、進攻ルート、経過、勝敗がまとめられています。

 地図のあちこちを見ながら、「もしこの武将がここに着陣せず、例えばこの場所に陣を構えていたら、歴史はどう変わっていたのだろう?」と妄想するとワクワクします。

 歴史小説を読みながらこの本と照らし合わせるのもおすすめ。

 戦の状況をイメージしやすくなります。

 なお、わたしは鹿児島生まれ鹿児島育ちなので、最も気になるのは関ヶ原の戦いにおける島津軍のこと。

 この本に載っている配置図を見れば見るほど、完全に孤立状態だった島津軍が、いくら多大な犠牲を払ったとはいえ薩摩へ逃げ延びられたのが信じられません…。

 当時一体誰が予想したでしょうか。

 敵が少ない所へ後退するのではなく、まさか敢えて敵だらけの所へ突っ込んでいって退却していくなんて。

 この本に掲載されている他の戦で武将たちが辿ったルートと比べてみても、敵中突破がいかに珍しいことか驚かされます。

 現代に「鹿児島県」が存在するのは、敵中突破をして、更に捨てがまり戦法をした島津軍の義勇士たちのおかげ。

 もし彼らの働きが無ければ、薩摩国は徳川家によってどこかに併合されていたかもしれません。

 わたしは時折、敵中突破を成し遂げたうちの一人・中馬大蔵さん(非常に豪胆なエピソードが多く、わたしの大好きな人物なので、いつかこのnoteでご紹介したいです)のお墓に手を合わせに行くのですが、心から頭が下がります。

 いつかわたしも関ヶ原の戦いの跡地を訪ねて、沢山の義勇士たちに手を合わせたいです。

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