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世知辛さを励まし続けると信じる

最近、ターコイズと翡翠でできた
分厚いヴィンテージの指輪が届いた
古いカレッジリングは
大きなサイズしかなく、やっと12号を見つけ
「まあ、いいか」

人差し指や中指を飾るには、外れない大きさ

青い石や緑の石は、幼少期で得た憧れだと思う
神沢利子さんの『うさぎのモコ』
青空を「青石を磨いたような」と比喩されていた

「青石ってなんだろう」
百科事典を開くと
代表としてサファイアの画像が載せられて

雨続きだと、百科事典に挟んだ栞代わりのチラシを
目印に、画像のサファイアを見ては
「外で遊びたい」
そこはやっぱり幼稚園児だなって、今は思う

「迷路で立ち止まる、もうひとりの私へ」

他者の言葉に委ねる事なかれ
顔色は拾うなかれ
目を伏せるのは、自由が狭い子どもの頃だけでいい

成人になった今、自分の意思は
誰に問うことなく、自分で確立するのよ

青石を見ていると、そこには自分の青空
どんな雲や塵の上にも拡がる、果てしない真っ青
心だけは、何事にも縛られない
うさぎのモコに倣い、とんぼがえり出来る

古いカレッジリングは、視線が留まるたび
世知辛さを励まし続けると信じる

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