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現実逃避のうた

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2020年3月の記事一覧

ロマンスの現実逃避18

あなたとわたし
少しだけ離れた場所で、
別々のことをしているときが
大好きな時間です

会話がなくても流れてくる、
2人だけのハーモニー
カモミールティーの香りのように
豊かなメロディを感じて

特に好きなのは
わたしが居眠りをして、
あなたが本を読んでいる時。

起こさないでいてくれる、
あなたが好きなのです。

お互いがなにも求めていない時間
風のようにあっという間に流れていく

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マザコンの現実逃避【マザコンの現実】

マザコンは南国へ飛び立った 
飛行機に乗る直前。
搭乗ゲートへ入る前の、母と私の僅かな時間の輝く抱擁。
この瞬間さへ 
わたしは南国へ呼ばれているのだ

一歩、一歩とゲートへ進む、むすめを見守るわたしの母君。
ああ、尊敬すべきお人が、みえなくなるまでわたしをみている
頬の感触、手の感触、腹の感触、服の感覚。
すべてがわたしの記憶にはりつき 
とってもさみしい
ああ もうあんなにとおく・・。

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マザコンの現実逃避「だれかがわたしを呼んでいる」

だれかがわたしを呼んでいる。
このマザコンのわたしを。
たとい孤独でも、友達がいなくても、
1日何回も呼んでくれる。
1日何回も笑ってくれる。

しつこく誰かがよんでいるのだ。
このマザコンのことを、大切におもってくれるひと。
それは間違いなく、わたしのマザーであった。

マザコンの現実逃避「庭掃除をする母君」

カーテンのすそが盛り上がっている 
庭掃除の途中の、母君が窓を開けて
はいってきた
すすすす って、聞こえるの。
足を引きずるように歩く母
ロングスカートのすそがよごれてしまわぬよう、わたしがみているわ
こぐまのぬいぐるみのように無表情な母君

カーテンのレースが風にゆれて窓は開いたまま。どうしよう 
その僅かの隙にどろぼうがはいってきてしまったら・・・。

母君がくまでをもってやってきた

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ロマンスの現実逃避17

あなたが目に見えるものを
より大事にしていると感じるとき
目に見えないものの価値よりも
表面的な、分かりやすいものに
価値を置き、
それが満たされないと
不満を感じているとき
不平を言っているとき
私はなぜか少し、悲しくなります。

目に見えるものは大事ですよね。
それは生きていく上で不可欠だから。
それは、より損をせずに、より楽しく、豊かに生きていくために不可欠なものだから。

だけど、

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