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ホセ(さみだれうさぎ)
2020年1月11日 13:38
幸せだ君の宇宙が垣間見られる波のように押し寄せる幸福ぼくはいつも君の宇宙のゆりかごに揺られ、ゆらゆらゆらゆら、いったりきたりしている何も進化がない そこでぼくは、広く青い海の満ち潮に体を委ね、塩辛い現実に飛び込むことにした初めてみる現実 そのなんとも無残な姿は例えようがない荒んだ人々の目乾ききった大地広くて深い絶望が、灰色の埃となって宙を舞うだがぼくは見慣れない現実の中
2020年1月8日 20:36
真夜中、実験室に二人はいたノートを片手に持つ教師アルコールランプを見つめる生徒その実験は、全く予想のできないものだった準備のない予測不可能な実験危険で、眉をひそめることになりそうな、あまりに不可解な実験火の赤さえも答えをしらない切れかかった蛍光灯と、ほのかに香る理科室の危ない硫黄の香りもそれを知ることはなし微動だにしない先生ペンを持たない学生けれども一つだけ分かっている
2019年11月28日 09:35
わたしの体の中に、白い綿がはいっているしろい綿はとてもふわふわなのに、ああそれなのに、縫い目が時々痛み出すちくちくちくちく時計の針の音とおんなじリズムでちくちくちくちくサボテンの針とは比べ物にならないほどにちくちく痛いずきずき心も痛み出すああそこにいる女の童がはさみをもっているはやくこっちへ持ってきて、わたしのあたまのてっぺんから、足の先まで私の縫い目を切ってちょうだい
2019年11月26日 12:07
たたみの激しい匂いに狂いそうになる小麦色の古臭い畳のひっくり返った裏には、何者かの絶望と、苦渋にみちた表情が敷き詰められているように想像するが、四畳半の見た目はさほど暑苦しくはない足裏にこびりつくいぐさのしつこさは、まるで去ってゆく母にすがりつく坊やのようだが、四畳半に置かれた唯一のちいちゃなタンスは、ツンと澄ました顔であるかけじくなんぞ ありゃせんがちゃぶ台なんぞ 見当たらない
2019年11月25日 15:24
ドラム缶の上に背筋をのばして座る黒猫その顔つきは、とても恐ろしかったいままでみたことのない野良猫の勇ましい表情黄色く光るその目はまるで、感情を失くした兵隊のようにどこかへいってしまっていたよくみると、そのかおには生えるはずのない場所から、放射線上にくろいひげがはえていたしなやかな体には、とげのようにぴんとたった体毛が、敵を警戒するかのようだったけれどもシッポがみあたらない蛇のように
2019年11月6日 15:35
ぼくの名前は、肥え太。その名の通り、ふとってる。でもね、太ってから、いいことがたくさんあるんだ。まず洋服にアイロンをかけなくていいってこと。着ちゃえば、あら不思議。シワが勝手にのびてくれる。 それと、周りの人が自分をみて安心するって言うんだ。一昔前、ひどく痩せていた時期があってね。その頃のぼくはいつもせかせかしていて、イライラを当たり散らしたり、周りの人を不安にさせたりしていた。で
2019年10月19日 21:52
ギターの美しい音色その音色に乗せられてあなたは一曲の音楽という川を流れて行くいつの間にかある場所へ辿り着いているのだ 繰り返し 繰り返し満たされたその身体は何かを成し遂げた後のように心地よい そんな音楽のように人生を生きられたら、どんなに幸せだろう その一曲は、完璧なのさ何も恐れず苦しまず誰にとっても平等にゆめを見させてくれるような、そんな曲。 誰もが幸せ
2019年9月29日 11:54
今日、きみとの約束の時間に間に合わなかった大雨の日だったのにざあざあ鳴り響く雨の音の中に、数え切れないくらい多くの人々の幸せそうな笑い声があったはずだなのに君は下を向いたまま口元だけにやつかせながらきっと、ぼくのことだけを想って、独り待っていてくれたんだね薄黒い空は、君になにもしてくれはしなかったのだろうぼくは一時間もおくれてしまった さむかったよね?つらかったよね?心
2019年9月28日 22:34
君の白昼夢をはじめてみたよ朝を知らない真っ暗な世界そこにきらきら光った星の屑を身にまとうおまえがいた偶然通りがかったわたしに君はぎらりとわらって唾を吐いてきた君に話しかけようとするわたしがいるのだけど、そのたびに君は逃げようとする けたけた笑う青ざめた顔の貴女の体は透けているんだその姿に見とれていると、いきなりむこうの方から何匹ものハエがはえースピードでわたしをつかまえにやっ
2019年9月17日 16:02
夕暮れ時にけえってくるおやじ毎日かならず土産さ持ってびいびい泣く子も黙らす土産おれの土産は世界一おれのけちさも世界一こどもが喜ぶ顔が浮かぶが、同時にがっかりするのも浮かぶんだおやじの気苦労しらないこどもははてさてもう寝ちまったか 12月、クリスマスイブに家にいないおやじ今日こそ必ずまともな土産さもって、子供の寝床に向かうもののおやじの足は途中で止まる大事な土産を何に入
2019年9月16日 15:33
酔っても寄らない あの家にだけはしぐれの音をききながら、わたしは今にも倒れそうだれか、毛布をもってきてちょうだい道端にふとんがしいてあるように見えるが、あれは違うの?ここは公園ね あすこの砂場がふとんに見えたようだああ、誰もこないようね 私はもう疲れ果てたあのように次々と注ぎ足されるビールの泡は、まるで儚いこのわたくしの命とおんなじ。ぱっと消えてしまうの うふふ ね
2019年9月12日 09:22
ささくれで埋め尽くされた手なんて親のいうことを聞かない子なんだいたくてかゆくて、死にそうなのにそんな自分がいとおしいああ(je t’aime)だれかこのいたいけな我がか弱きお手を救えよ褒めよ、いたわれよ! それをするのはいったいだれだい?ジュテーム、それはおまえだ
2019年9月11日 11:43
ミゲルミゲル、わたしはここだ 常に光りと一体になっている気がするんだここへおいでミゲルはここで眠ってる 今にもきえてしまいそうだけど、ここにいたいんだおまえにとって、心地いい場所をああミゲル、みつけたよ!
2019年9月11日 11:34
あんたはなにも言わずにいっちまったどこへ?きっとアマゾンへ。ずるいよせいこいよみずくさいよあんたはあんただろうけど、わたしだってあんたと共にいたい 自分はあんた。あんたはわたし。アマゾンに食われて、きえてしまえばいいんだ