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ヴンダーカンマー

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7/16に発売日を迎えた最恐小説大賞の作品に関するnoteです。
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【感想】ヴンダーカンマー

【感想】ヴンダーカンマー

昨晩、もう少し仕事探しに時間を割こうと思っていたのに、一昨日から読んでいた星月渉さんの「ヴンダーカンマー」を夢中になって読んでいた。
読み始めた当初は「新年一発目の読書だし、読み終えるまでに少し時間がかかるかなあ」なんて考えていたのだけど、そんなことはなかった。読み始めたら止まらない、読者を一気に引き込んでいく展開は、ジェットコースターのような速度で進む。
けれど、あくまで読者は共感こそできても外

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さすがに誰にもオススメできない ― 星月渉『ヴンダーカンマー』

なんとなく読み始めたら、ひさびさに「私はとても楽しく読んだし大好きだけど、さすがに誰にもオススメできないな!!!」という小説で、止まらなくなって一気読みした。

まったく予想がつかない展開!ではなく、地方都市を題材にしたイヤミス・ホラーを嗜む人間には「うわぁ……コレ絶対こういうことじゃん……」と予想可能なエグい展開が、次から次へと積み重なっていく厭さ。そこへ更に、予想が追いつかないエグさと感情が追

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『ヴンダーカンマー』

『ヴンダーカンマー』

読んでいる間ずっと、口の中に血の味を感じていた。

フィクションを読むのは久しぶりだ。まして「怖い話」など、自分から進んで手に取ることは滅多にない。だが縁あってこちらの書籍を購入し、一気読みしてしまった。

「イヤミス」という言葉は知らなかったのでググってみたが、確かにこれはイヤミスなのだろう。最恐小説とのことだが、恐いというよりおぞましい。ねっとりと濃い血の匂いがする。ここでいう血とは、血液でも

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『ヴンダーカンマー』の着想の源になった「つやま自然のふしぎ館」について

『ヴンダーカンマー』の着想の源になった「つやま自然のふしぎ館」について



 『ヴンダーカンマー』の着想の源になったのは「つやま自然のふしぎ館」です。私としては『津山科学教育博物館』の名前の方がなじみ深いです。2004年に名称を変更したようなので、それは自分で納得しました。その頃はもう津山にいなかったので。私たちは小学校でも中学校でも高校でも恐らく全部で三回以上この現「つやま自然のふしぎ館」に訪れました。小学生の私は「赤ちゃんが瓶に詰まっている」あの部屋は怖い。という

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『ヴンダーカンマー』が発売されました。

『ヴンダーカンマー』が発売されました。



14年前、夫の仕事の都合で東京から姫路に引っ越した私は孤独でした。現在中学三年生の娘はまだ〇歳で、育児の合間に自分の既読のマンガや小説を読んでいました。娘がすくすくと育って、三年保育のこども園に入ると私は完全に時間を持て余していました。もう自分が持っているものは読みつくしていました。

そのころはいわゆるケータイ小説がテレビで話題になり始めていました。要するに大ヒット作が出て、話題になっていた

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第1回最恐小説大賞受賞の問題作、鬼子のイヤミス『ヴンダーカンマー』試し読み

第1回最恐小説大賞受賞の問題作、鬼子のイヤミス『ヴンダーカンマー』試し読み

最恐小説大賞とは?小説投稿サイト〈エブリスタ〉と竹書房がノールール、ノータブーで募る新たなホラー小説賞、最恐小説大賞。心霊、サイコ、サスペンスなどジャンルは不問、とにかくいちばん恐い話を決めようという目的のもと生まれた、バーリトゥードなコンテストです。

その第1回受賞作の長編がこちら、『ヴンダーカンマ―』(星月渉)。

ヴンダーカンマーって?ヴンダーカンマーとは、近世に流行した怪奇珍品の陳列室。

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