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芸術の書 断片 (芸術家の精神) 本多裕樹 記

7、結局、かぎりなく自由であれ


 かぎりなく自由であれということで語ってみようと思います。芸術家は自由というバックグランドがないとなかなか作品が出ないものです。しかし、いろいろな束縛や拘束の中をこえて自由を得るのが、感動を呼ぶ物語を形成していく、あらゆる困難が芸術家の足腰を強くしていく、創作の中で自由になって行く。演奏のさなかに表現が爆発していく。社会に生きていて拘束されていく中で真の精神の自由を得ていく。あらゆる困難が自由を鍛えていく。そういうものであると思います。書き続ける、制作し続ける、演奏に一生涯をもってやっていく。その拘束された、あるいは、逆境の中をこえて行った時に、悲しみも苦しさもある。感動はそういう艱難をこえたときに自由に、創作における自由に太陽の光を放つ日の出を見る事でありましょう。自由は自由としてあるでありましょう。自由の感動は鍛えられることがある。それは、人生を決してあきらめない精神に、自由の精神を開いていく事にあるということ、それがこの世界で得る自由であること。自由は努力して得るということ。もちろん生来、自由な人もおられるでしょう。それはそれで恵まれたことであります。その人は自由ののびのびと余裕をもって生きて作品を作って下さい。あなたの余裕ある生き方に、すばらしい芸術を表現して多くの人の心を潤していただきたいです。恵まれた人も、逆境の人もすばらしい芸術を作り、書き、演奏をしていってください。芸術家としての生き方に自由を求め、すばらしい作品を制作して行ってください。




8、自由の中から傑作の可能性がある


 自由の中から傑作の可能性があるということで、前節でも述べましたように、怠惰な中には傑作は生まれないと言いました。基本、芸術家は訓練しておく必要がある。天からインスピレーションが降りたときにそれに対応できる自分を作る。訓練をして準備をしておくことが必要である。たとえば、画家であれば毎日制作を少しでもする。音楽家であれば楽器の演奏を腕の落ちないように日々練習する。詩人であれば書き物を毎日する。そういう日頃の努力があって天上界からの霊感が、インスピレーションが降りたときに芸術とし具体的に表現するのであります。自由という事ですが、心を常に自由にしておく、自分であれこれ行動、自力であることも大事ですが、すべての生活において、潜在意識を信頼して、無我に生きる。神を信頼して日々生きる。神に全託して生きる。生きていく中であらゆるものは神の与える試練であり、幸福の可能性を含んだ自分を作るもの、人生は1冊の問題集として、課題を解いていく。神に全託して生きる。神の使徒として生きる。これが本当の自由であります。神の使者としていきること、これが重要であり大切な精神であります。神の使者である自覚が強ければ強いほど、自由を得るでしょう。神に向かって信仰をもって生きる中に、知恵も開発されていき、道徳も開発されるでしょう。神の無い自由はないということ、これは言っておきたい。では、神の自由とはなにか、天上の世界を第三の目で見ていくものであります。霊的な感覚、霊的な自由であります。自由があってこそ、天上界から霊感が降りてきたときに芸術家が神かかった表現が可能となり、傑作になっていくでしょう。芸術家にとって傑作をつねに夢を見ており、それはつねに天上にあるイデアであること。そこに通じていく信仰心にすべての芸術の理念があるということ。




9、善悪を超えて、美意識を大事に


 善と悪はいわゆる二元論としてとらえることかもしれませんが、ある事象、ある行為、行動、言葉には善の力と、悪の力が両方とも抽出することができる。しかし、それはあらゆる立場上、そうなってしまうこともある。そのどちらもある意味正しい場合がある。芸術の世界では、美を基準として作品に「光」として光り放つでありましょう。 美は善も悪も超えた境地にある。美は光りであります。美は神の性質の根源にある理念であり、その理念は光であるという事です。美は、善も悪も支配して、運命の輪に投げ込み表現をしている。なので、善い作品、悪い作品いろいろありますが、芸術作品の場合は、音楽にしても、美の観点から考えていかねばならないのです。その作品にいかほどの光りが内包しているか、光りの波動を放っているか。そういう意味で美は芸術の根源であり、芸術家は美意識を鍛えていかねばならないのです。美意識を養い、美の道徳でもって人生を生きていく。ここに美意識を大事にすることが大切になっていきます。美意識という観点で世界を見てみるのもまた、あらたな世界が見えてくるでしょう。そして、善悪をこえた神の美をもって世界を変えていく事も新時代に大切なものとなって行くと思います。どうか、芸術家の課題として美意識の修養をして行くことが重要でしょう。

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