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シミュラークルに思いを馳せる
90年代、ボードリヤールの「シミュラークルとシミュレーション」という本を読んだことを思い出していました。
大量消費の時代は、イメージを「盗用(アブロブリエーション)」することによってオリジナリティから脱却し、社会的システムとイメージの関係性を考え直す時代になっている、というような趣旨の内容だったのですが、そうしてできたアブロブリエーション美術がヴィトンとリチャード・プリンスとのコラボやコム デ
作家の顔を作家の文章でつくる
ストレージのファイルを整理していたら、前に暇つぶしに作ってみたものが出てきました。作家の肖像を、作家の文章をバラして文字で描いてみたものなのですが、割と似せることができたなぁと思っていますので、公開。
宮沢賢治(銀河鉄道の夜)
萩原朔太郎(猫町)
泉鏡花(高野聖)
特に発表するところがなかったので、なんとなく貼っておきます。
Glyphsでローマン体に挑戦(2019/3/29若干加筆)
ここのところ温めていた書体のアイデアがありまして、せっかくだからフォントにしてみようと思い立ちました。
アイデアの概要を書いておきます。ローマン体を骨格としたもので、ステムの細い部分が曖昧になったような、ちぎれたりかすれたりしたような書体を描いてみたい、というもので、名前は「Obscure(朦朧とした)」と決めていました。
ネヴィル・ブロディが90年代にデザインした書体「FF Blur」という書体
HTMLの「デザイン手法」の推移とWebタイポグラフィ
前回、いくつかのWebによるタイポグラフィの初歩的手法を書きました。
文字表現を含め、現在のWebデザインの手法に落ち着くまでに、実は幾度かの技術の刷新と、それに伴う手法の変化がありました。まずは現在の手法をざっとおさらいしてみます。
現在:CSS3によるレイアウトとスタイル
主に、文書の意味をあらわす構造を持たせたHTMLと、デザインやスタイルといったレイアウト情報をコントロールするCSSは
で、デザイン思考はそう特別なものじゃないはず
わたくしが「デザイン思考」を知ったのはずいぶん前です。こういうワードは、いわゆる「意識高い系」な感じがしてアレだなぁとも思ったりしたのですが、デザイナーがデザインを実行する上で、ごく当たり前の行動じゃないかと理解しています。
わたくしの話で申し訳ないのですが、デザインする上でまずアイデアは拡散していって、若干とっちらかったりすると「めんどくさいなぁ...」となるものですが、とりあえず少しとっちら
エディ・スリマンについて雑感
エディ・スリマンについて触れたので、ちょっとエディについて書いてみます。DIOR HOMMEの立ち上げから多くの人々を熱狂させた彼のクリエイションはあっという間に伝搬し、世間の「ふつう」までもアップデートしてしまった感があります。エディは自身のスタイルが模倣されていることに対して「人生そんなもの」と鼻で笑いましたが、彼の目論見は、自分のスタイルが世の中に浸透することを確信犯的に望んでいたのではない
もっとみるストリートファッションとラグジュアリーストリート雑感
パンクについて書いた時に、ファッションにも触れたので、ファッションのことも知っている限りで書いてみようと思います。
モード界の台風の目と目されるデムナ・ヴァザリアが立ち上げたVETMENTS(彼の提案した襟をスカしたオーバーサイズのシャツは日本の某ファストファッションブランドが「襟抜き」と称してパクったのは記憶に新しいです)、そして彼がクリエイティブディレクターに就任して、急にむさ苦しく、もとい、