旅する飾り屋-I.B.melody-

初めまして旅する飾り屋と申します。 相棒のディスプレイトランクと共に素敵な『飾り』とさ…

旅する飾り屋-I.B.melody-

初めまして旅する飾り屋と申します。 相棒のディスプレイトランクと共に素敵な『飾り』とささやかな『旅物語』をお届けします。 飾りはminne、Creemaにて販売中。 ※飾り屋イラスト:かじろさとみ様作 https://kajirororo.weebly.com/

マガジン

  • 飾りと旅物語

    旅する飾り屋の作る飾りや、飾り屋とトランクの旅物語をまとめています。

  • 物語の外側の話

    こちらでは作者による『旅する飾り屋』の裏話などを書き綴りたいと思います。

最近の記事

  • 固定された記事

飾り屋とトランクのこと。

初めまして、旅する飾り屋と申します。 相棒のディスプレイトランクと共に旅をし、飾り(手作りアクセサリー)の販売を生業としております。 また少し不思議に満ちた旅先を廻りなが体験したお話をお伝えしてます。 今後こちらでは飾りは勿論、少し特別な旅物語を書き綴っていければと思っております。 良かったら飾り屋とトランクの旅物語にお付き合いいただけると幸いです。 まずは飾り屋とトランクの簡単な紹介をさせていただきたいと思います。 飾り屋:旅先で見つけた物を飾りにして売る旅人。

    • 星空に佇む猫のロケットペンダント《白猫黒夜》

      【旅する飾り屋の話 ―白猫の願いと宵の明星―】 とあるところに白猫と黒猫の双子の猫がおりました。 二匹は幼い頃に親猫とはぐれてしまい、二匹で寄り添いながらさびれた橋の下で生きていました。 二匹だけで生きていくのはとても大変でしたが白猫は黒猫が大好きだったので黒猫と一緒にいれればそれだけで幸せだと思っていました。 ある日、黒猫が橋の下でお昼寝をしているので白猫が独りで散歩に行ってる時の事。 『あら、こんなところに可愛い白猫さん!』 ふと声が聞こえて白猫が振り返ると目の前に少

      • 星空に佇む猫のロケットペンダント《黒猫白夜》

        【旅する飾り屋の話 ―黒猫の願いと明けの明星―】 とあるところに黒猫と白猫の双子の猫がおりました。 二匹は幼い頃に親猫とはぐれてしまい、二匹で寄り添いながらさびれた橋の下で生きていました。 二匹だけで生きていくのはとても大変でしたが黒猫は白猫が大好きだったので白猫と一緒にいれればそれだけで幸せだと思っていました。 ある日、白猫が散歩に行って黒猫は独りで橋の下でうとうととまどろんでいた時の事。 『あら、こんなところに可愛い黒猫さん!』 ふと声が聞こえて黒猫が目を覚ますと目の

        • 聖夜に贈るブレスレット

          【旅する飾り屋の話 ―聖夜の贈り物―】 ある日、飾り屋と相棒のトランクの元に注文の手紙が届いた。 【飾り屋様 聖夜にぴったりな飾りをお願いします。前夜に取りに伺います。                    ***見習いより】 前日の雨のせいだろうか手紙の一部は滲んで読めなくなっていた。 でも名も知らぬお客の為に飾り屋は聖夜にぴったりな深い紅と緑のビーズと雪のような白いビーズ、 そして雪の結晶やベルのパーツを合わせてブレスレットを作り出した。 そして聖夜の前日、日も暮

        • 固定された記事

        飾り屋とトランクのこと。

        マガジン

        • 飾りと旅物語
          14本
        • 物語の外側の話
          1本

        記事

          ましろ雪のコットンパールネックレス&ブレスレット

          【旅する飾り屋の話 ―ましろな世界―】 ある冬の日、飾り屋が窓の外を見ると外は真っ白に雪化粧されていた。 トランクが外の様子を見たいというので一緒に外に出てみると 道も丘も森もすべてが白く染められていた。 あまりにも白すぎて飾り屋はこのまますべて消えてしまうかのような気持ちにすらなった。 しかしトランクは全く別のことを考えていた。 『うわあ、世界がスケッチブックみたいだ!何を描いてもきっと綺麗に映えるよ!』 はつらつとしたその声に飾り屋はハッとした。 『ねえ、せっかくだか

          ましろ雪のコットンパールネックレス&ブレスレット

          白黒の追想ロケットペンダント

          【旅する飾り屋の話 ―白黒の幸せな日々―】 秋の訪れを感じさせるようなひんやりとした風が吹き始めたその日。 飾り屋とトランクはとある国の大きな公園で昼食を済ませていた。 お昼食べて満腹になった飾り屋がうーんと伸びをしてちょっとお昼寝でもしようかと横になったその時、風に乗って何かが飾り屋の顔の上に落ちてきた。 『飾り屋、顔に何かついてるけど…何それ?』 トランクが聞いてきたので飾り屋もそれを手に取り良く見てみるとどうやら少し小さめでかなり古い白黒の写真のようだった。 写真に

          白黒の追想ロケットペンダント

          悪戯好きなカボチャ頭の子供へ捧ぐペンダント

          【旅する飾り屋の話 ―Sweet or Accesory?―】 月星が不気味に光るある夜、飾り屋とトランクは夜道を足早に歩いていた。 ≪ネエネエ、オカシチョウダイ?≫ 突然の声に驚いて飾り屋たちが後ろを振り返ると フードを深く被った小さな子供が立っていた。 ごめんよ、お菓子は持ってないんだ。と飾り屋が伝えると 子供はクスクスと笑ってこう言った。 ≪ジャア、イタズラシテイイヨネ?≫ その瞬間、子供は飾り屋の手からトランクを盗むと空に飛び上がった。 そこにはフードが取れてニヤ

          悪戯好きなカボチャ頭の子供へ捧ぐペンダント

          情熱に咲く白き花のロケットペンダント

          【旅する飾り屋の話 ―恋する少女―】 昔々ある所に白い花のように穢れを知らぬ無垢な少女がおりました。 とてもお金持ちな彼女の父親は少女を国で一番偉い貴族の所へ嫁がせようとお見合いをすすめます。 しかし少女には小さい頃から傍にいてくれた使用人の青年に恋心を抱いており、貴族の所へは嫁ぎたくないと言いました。 それを聞いた父親は激怒し、使用人の青年を海の向こうの異国へ行く仕事に就かせ少女から青年を引き離してしまったのです。 少女は大変悲しみましたが最後は青年の事を忘れ、貴族の元へ

          情熱に咲く白き花のロケットペンダント

          縁と涙のネックレス

          【旅する飾り屋の話 ―縁の結び目の話―】 人と人が出会うことは縁と言う名の糸が結びあうような物だと話していた旅人がいた。 私が子供頃その旅人に会い、彼の語る旅話を聞くことで これまでにないような感動と興奮を体験したことを覚えている。 彼が私の人生において鍵となる人だったことは間違いないだろう。 しかし出会いがあるという事は別れもあるという事。 旅人はある日突然、次の街へ行くと言った。 私はそれを聞いた時自分でも驚くほど大粒の涙を流しながら行かないでと言っていた。 きっと体

          縁と涙のネックレス

          月夜の薔薇と蝶のロケットペンダント

          【旅する飾り屋の話 ―月光に輝くのは―】 「おやおや、こんな真夜中に珍しいお客様ですなあ。」 突然の声に驚いた飾り屋は声の方に明かりを向けた。 明かりの向こうには白い髪の老人が立っていた。 『びっくりした!僕たちはちょっと探し物をしてたんだけど… おじいさんこそこんな夜中にどうしてこんなところにいるのさ!』 飾り屋同様に驚いていたトランクが慌てた声で老人に言った。 夜更けに森で探し物する為に歩き回っていた飾り屋達もまさかこんなところで人に出会うとは思っていなかった。 白い

          月夜の薔薇と蝶のロケットペンダント

          真夜中の月星ロケットペンダント

          【旅する飾り屋の話 ―大好きな物―】 とある町に飾りの部品の仕入れに来た飾り屋はふと珍しいものを見つけた。 『へえー、ロケットペンダントなんて珍しいね。 最近あまり見かけないし。』 確かにあまり見ないね、と飾り屋が言うとお店の人が声をかけてきた。 「昔は好きな人の写真とか入れて大事にする人が多かったんだけどねー。 最近は使う人がめっきり減っちゃったね。どうだい?安くするよ?」 お店の人がいろいろとおまけしてくれるとのことだったので 飾り屋は何個かロケットを仕入れることにし

          真夜中の月星ロケットペンダント

          星詠みの耳飾り

          【旅する飾り屋の話 ―星詠み―】 まだ寒さが残る頃、とある市場の隅に場所を借りた飾り屋達は 行き交う人達に自作の飾りを紹介していた。 しかし皆、足早に飾り屋の前を通り過ぎていくばかりで飾りを見てくれる人はほとんどいなかった。 『うーん、今日は厳しいね。早めに店終いにする?』 相棒の言葉にしょうがないね、と飾り屋が片付けを始めようとした時 「あの、すみません。耳飾りが欲しいのですが…ありますか?」 と声が聞こえた。 振り返るとそこには黒色の外套に身を包み、夜の始まりのような

          物語のページの外側 ―はじめに―

          初めまして、飾り屋です(*´▽`*) 正確には『旅する飾り屋―I.B.Melody―』と言う名前で活動させていただいており『飾り屋とトランクの旅物語』を書いている作者です。 こちらのマガジンでは物語のページの外側の話、所謂裏話などを少々書かせていただければと思います。 書きたいなと思っている事柄は以下を予定しております。 ・旅する飾り屋が生まれたきっかけ(アクセサリー作りのきっかけ) ・飾り屋が飾り屋になるべく影響を受けた作品 ・物語の外側に存在する相棒のトランクについ

          物語のページの外側 ―はじめに―

          花と音符のプチペンダント

          【旅する飾り屋の話 ―花と音符―】 ある晴れた日に飾り屋とトランクが次の街を目指して歩いていると綺麗な花が満ちた場所にでた。 『これは見事な花畑だ。飾りにはするならピッタリ!』 と相棒が上機嫌に言うので飾り屋は花をいくつか摘んでみた。 色の似た物を組み合わせると飾り屋はトランクから黒い瓶を取り出して透明な液体を一滴垂らした。 するとその透明な雫の中に花がすっぽり入っていった。 『良い感じ、良い感じ。あとは固まるのを待つだけだね。』 液体が固まるまで少し時間がかかるので飾り屋

          花と音符のプチペンダント

          旅する飾り屋の話―悩める青年―

          「はああぁぁ…。」 青年は大きなため息をついた。 人の多い市場の中で歩き回ったことによる体力の消耗と目的の物が見つからないことによる精神的な疲れが青年にため息をつかせていた。 「どうしよう、ここまで良いものが見つからないなんて…もう誕生日は明日なのに…。」 彼は初めてできた恋人への誕生日の贈り物に悩んでいた。 明日は彼女の誕生日。これまで誰とも交際をしてこなかった青年にとって異性への贈り物選びは未知数だった。 この大通りの市場ならきっと何か見つかるだろうとお昼過ぎから

          旅する飾り屋の話―悩める青年―