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【詩】新月の君



あたりを照らす光に安心して、一歩ずつ進むその先に、あなたの表情が見えないのは、私がその光を隠してしまったからなのか、いつも通りの挨拶が、斜めに歪む、嫌いじゃないし嫌わないで、その声が導き出す答えに、不本意な最善策が今日を紡ぐ。月に一度、巡ってくる順番に、逆らうことがあったなら、反比例して、そのまま上下に揺れるのでしょう、どこまでもずっと、帰り道もわからないまま、居心地が良くなってしまって、それが今の幸せで、抵抗すれば、針に指を刺す、その痛みも抱きしめて、すべては正しいと、今夜も夢を見る、あなたの笑った顔が、朧げになってしまったことは、全部忘れることにした、体の中心が少しズレる感覚があったけど、気づかないフリをする、そんな存在物を闇夜だけが優しく包んだ、長い永い眠りにつけるように。

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