鈴木秀樹

東京学芸大学附属小金井小学校で、ICTを活用してインクルーシブ教育を実現することを目指…

鈴木秀樹

東京学芸大学附属小金井小学校で、ICTを活用してインクルーシブ教育を実現することを目指した「ICT×インクルーシブ教育」を進めています。

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プロフィール

東京学芸大学附属小金井小学校 教諭 慶應義塾大学 非常勤講師 ICTを活用してインクルーシブ教育を実現する「ICT×インクルーシブ教育」を進めています。それについて詳…

鈴木秀樹
4年前
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EDIX2024②公開授業

EDIX2024について書く記事の第二弾。東京ビッグサイトに到着してすぐに行った公開授業について書きます。 「言葉の意味が分かること」 教科は国語。単元は「言葉の意味が…

鈴木秀樹
3日前
14

EDIX2024①怒涛の一日

これまでEDIXにはあまり縁がありませんでした。もちろん一般参加者として行くことはありましたが、登壇のお誘いってほぼなかったんですよね。それが今年は突然、大変なこと…

鈴木秀樹
10日前
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AIを授業で活用するための3つのステップ

GIGAGIGA 2024終了しましたので、登壇させていただいた際の内容を(有料イベントだったので)サラッと。 私のお題はサムネの通りで「AIを授業で活用するための3つのステッ…

鈴木秀樹
2週間前
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オンライン配信室からの挑戦

小金井小にオンライン配信室なる部屋ができました。教室ひとつ分を改装して1/4が編集室、3/4がスタジオです。 なぜ、こんな部屋ができるに至ったか。それを書くだけで本一…

鈴木秀樹
1か月前
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EdTechZine vs こどもとIT

2月3日の公開授業が2本の記事に! これはもう本当にありがたいことと言わざるを得ないのですが、2月3日(土)の公開授業をいくつかのメディアで記事にしていただきました…

鈴木秀樹
1か月前
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Unlock Learning

「ICT×インクルーシブ教育」を掲げて様々な実践・研究に取り組み始めてから6年になります。学びに困難を抱えている子どももICTを活用して環境を整えれば学びやすさを手に…

鈴木秀樹
1か月前
17

成果を報告する

何らかのプロジェクトを進める時、「成果をどう出すか」というのはもちろん考えるわけですが、「成果をどう伝えるか」ということもかなり考えます。 我々が取り組むプロジ…

鈴木秀樹
2か月前
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脚本家とAIの物語から子どもは何を感じるか(後編)

前回の授業は、子どもたちがこのプロンプトを考えるところまででした。 1週間後、これを元にできあがった短編小説を携えて和田さんが再び教室に来てくれました。 まずは…

鈴木秀樹
3か月前
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脚本家とAIの物語から子どもは何を感じるか(前編)

ちょっと前に書いた「画家とAIの絵から子どもは何を感じるか」の第二弾。今度はプロの脚本家を教室に呼んで、同じプロンプトで物語を書いてもらおうということを試みました…

鈴木秀樹
3か月前
17

映画『夜明けのすべて』

僕は今、ストーリーを紹介することなしに「なぜ、その映画を見るべきか」を訴える文章を書くという困難なことに(生成AIにも頼らないで)取り組もうとしている。そんなこと…

鈴木秀樹
3か月前
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生成AIのHidden Curriculum

今度珠美先生にお声がけいただいて、JDiCE第14回オンラインゼミに出させていただきました。テーマは「AIが問い直す教育」。我ながら大きく出たものです。その時のことで、…

鈴木秀樹
3か月前
17

思考、教科の目的、生成AI

2月3日(土)にKOGANEI授業セミナーで公開授業を行いました。4年生の国語で「ウナギのなぞを追って」。どんな授業だったか書いておきます。 プロンプトは何だ? 「ウナギ…

鈴木秀樹
3か月前
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画家とAIの絵から子どもは何を感じるか(後編)

生成AI時代、人間の価値はどこにあるのか。人間がすべきことは、目指すべきことは何か。それを考えるのは、これから生成AIと共に人生を歩む子どもたちであるべきであろうと…

鈴木秀樹
4か月前
46

画家とAIの絵から子どもは何を感じるか(前編)

生成AI時代、人間の価値はどこにあるのか。人間がすべきことは、目指すべきことは何か。それを考えるのは、これから生成AIと共に人生を歩む子どもたちであるべきであろうと…

鈴木秀樹
4か月前
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今年の言葉

「自分史上、最高に忙しかった年」を毎年、更新しているような気がしますが、それにしても今年は別格でした。そんな一年の忘れ難い言葉を。 「この先生がすごい素敵な方」…

鈴木秀樹
4か月前
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プロフィール

プロフィール

東京学芸大学附属小金井小学校 教諭
慶應義塾大学 非常勤講師

ICTを活用してインクルーシブ教育を実現する「ICT×インクルーシブ教育」を進めています。それについて詳しくはこちらを。

30年以上前の大学院生時代、私がはまったのは I.イリイチでした。「脱学校の社会」「コンヴィヴィアリティのための道具」などを読み漁ったのを覚えています。あの頃、私は「イリイチが描く『自立協働的な学び』を実現するた

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EDIX2024②公開授業

EDIX2024②公開授業

EDIX2024について書く記事の第二弾。東京ビッグサイトに到着してすぐに行った公開授業について書きます。

「言葉の意味が分かること」

教科は国語。単元は「言葉の意味が分かること」(光村図書)という説明文です。著者は今井むつみ先生なのですが、光村図書の方が今井先生に「今度、生成AIを使って『言葉の意味が分かること』を学ぶ公開授業があるんですよ」とお話ししてくださったために、この授業を撮影したム

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EDIX2024①怒涛の一日

EDIX2024①怒涛の一日

これまでEDIXにはあまり縁がありませんでした。もちろん一般参加者として行くことはありましたが、登壇のお誘いってほぼなかったんですよね。それが今年は突然、大変なことになりました。怒涛の一日をふり返っておきます。

スケジュール

08:00 
学校をバスで出発
09:30 
東京ビッグサイト到着
10:10 ~10:55 
公開授業「言葉の意味が分かること」をAIで読む(小学校5年生国語)10:5

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AIを授業で活用するための3つのステップ

AIを授業で活用するための3つのステップ

GIGAGIGA 2024終了しましたので、登壇させていただいた際の内容を(有料イベントだったので)サラッと。

私のお題はサムネの通りで「AIを授業で活用するための3つのステップ」でした。今回、かなり固い話にふってしまったのですが、その3つというのがこれです。

順にふり返っていきましょう。

①教師としての基礎的な指導力の確立

AIの登場によって「いつ、どこで、誰が、誰から、何を、どうやって

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オンライン配信室からの挑戦

オンライン配信室からの挑戦

小金井小にオンライン配信室なる部屋ができました。教室ひとつ分を改装して1/4が編集室、3/4がスタジオです。

なぜ、こんな部屋ができるに至ったか。それを書くだけで本一冊になりそうですが、まあ、それはともかくこんな部屋ができてしまったからにはコンテンツをジャンジャン作らないわけにはいきません。

その第一弾がこちらになります。

概要欄からコピペしますね。

副島先生が本校のYouTubeチャンネ

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EdTechZine vs こどもとIT

EdTechZine vs こどもとIT

2月3日の公開授業が2本の記事に!

これはもう本当にありがたいことと言わざるを得ないのですが、2月3日(土)の公開授業をいくつかのメディアで記事にしていただきました。まあ、一応自分でも書いてはいますが…。

でも、これは何と言うか、速報的に書き散らしたような感じで、そんなにちゃんとしたレポートにはなっていないわけですよ。授業者が自分で書いているわけですし。

その点、EdTechZineとこども

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Unlock Learning

Unlock Learning

「ICT×インクルーシブ教育」を掲げて様々な実践・研究に取り組み始めてから6年になります。学びに困難を抱えている子どももICTを活用して環境を整えれば学びやすさを手にすることができるのではないか。その試みは全体に波及して良い影響を与えるのではないか。そんな想いを実現するべく歩んできた道のりは、長い旅のようです。

近代の学校教育は、一律のカリキュラムがすべての子どもに等しく適用できるという考えに基

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成果を報告する

成果を報告する

何らかのプロジェクトを進める時、「成果をどう出すか」というのはもちろん考えるわけですが、「成果をどう伝えるか」ということもかなり考えます。

我々が取り組むプロジェクトは教育に関わるものです。それは「私達、凄いでしょ」と自慢して終わったら意味がありません。公立小学校に広がってこそ意味があるわけです。

とは言え、わざわざ多額の事業費をいただいて進めるわけですから、最先端のことをやらなければ意味がな

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脚本家とAIの物語から子どもは何を感じるか(後編)

脚本家とAIの物語から子どもは何を感じるか(後編)

前回の授業は、子どもたちがこのプロンプトを考えるところまででした。

1週間後、これを元にできあがった短編小説を携えて和田さんが再び教室に来てくれました。

まずは、「AIが書いたのか、人が書いたのか」は明かさずに、この短編小説を読みます。

読み終わった途端、子どもたちからは「AIでしょ?」「これAIっぽいよね」という声が聞かれたのですが、一応、改めて聞いてみます。すると。
「登場人物の言葉が丁

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脚本家とAIの物語から子どもは何を感じるか(前編)

脚本家とAIの物語から子どもは何を感じるか(前編)

ちょっと前に書いた「画家とAIの絵から子どもは何を感じるか」の第二弾。今度はプロの脚本家を教室に呼んで、同じプロンプトで物語を書いてもらおうということを試みました。

来てくれたのは和田清人さん。公開されたばかりの映画『夜明けのすべて』の脚本を三宅唱監督と共同で担当している人です。

これ、すごくいい映画だったんですよ。という私の感想を読みたい奇特な方はこちらを。

子どもたちに『夜明けのすべて』

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映画『夜明けのすべて』

映画『夜明けのすべて』

僕は今、ストーリーを紹介することなしに「なぜ、その映画を見るべきか」を訴える文章を書くという困難なことに(生成AIにも頼らないで)取り組もうとしている。そんなことしなくたって誰も困らないのだけれど、でも、あの映画を見ることで心の向きが変わる人は必ずいるだろうから、僕も微力ながら宣伝に協力したい。

「夜明けのすべて」は地味な映画だ。激しいアクションがあるわけでも、燃え盛るラブシーンがあるわけでも、

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生成AIのHidden Curriculum

生成AIのHidden Curriculum

今度珠美先生にお声がけいただいて、JDiCE第14回オンラインゼミに出させていただきました。テーマは「AIが問い直す教育」。我ながら大きく出たものです。その時のことで、引っかかっていたことがあるので書いてみたいと思います。

坂本先生の質問

私が20分くらい話した後で、JDiCEの先生方とのディスカッションという流れでしたが、よせばいいのに最初の20分でこんな写真まで出してイリイチのOpport

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思考、教科の目的、生成AI

思考、教科の目的、生成AI

2月3日(土)にKOGANEI授業セミナーで公開授業を行いました。4年生の国語で「ウナギのなぞを追って」。どんな授業だったか書いておきます。

プロンプトは何だ?

「ウナギのなぞを追って」は、AIに描かせたタイトル画のような冒険活劇ではありません。ウナギがどこで卵を生むのかという謎を長年に渡って追い求めた研究者の苦労と喜びを織り交ぜながら研究の歩みを描いた説明文です。

まずは「要約」の復習。既

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画家とAIの絵から子どもは何を感じるか(後編)

画家とAIの絵から子どもは何を感じるか(後編)

生成AI時代、人間の価値はどこにあるのか。人間がすべきことは、目指すべきことは何か。それを考えるのは、これから生成AIと共に人生を歩む子どもたちであるべきであろうと考えて行った授業実践について書く後編です。

前編(1回目の授業)は、プロの画家と生成AIに同じプロンプトを課したところで終わりました。後編では2回目の授業がどうだったかについて書きましょう。

前回の復習

まずは、昨年12月の授業の

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画家とAIの絵から子どもは何を感じるか(前編)

画家とAIの絵から子どもは何を感じるか(前編)

生成AI時代、人間の価値はどこにあるのか。人間がすべきことは、目指すべきことは何か。それを考えるのは、これから生成AIと共に人生を歩む子どもたちであるべきであろうと考えて行った授業実践について書きます。

プロの画家と生成AIに同じプロンプトで絵を描かせたら? それを見て子どもたちはどう思ったか? そこから我々が考えるべきことは何か?

長田さん登場

今回の実践、2回の授業で構成したのですが、1

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今年の言葉

今年の言葉

「自分史上、最高に忙しかった年」を毎年、更新しているような気がしますが、それにしても今年は別格でした。そんな一年の忘れ難い言葉を。

「この先生がすごい素敵な方」NHKニュースなるほどゼミで私の授業と児童へのインタビューがVTRで流れた後、それを見た横山由依さんが発した言葉。この場面、教室で3回、見返しましたよ。「見ろ!ここがこの番組で一番大切なところだ!」って叫んで。児童からは大ブーイングでした

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