やましろ

かざらないままで綴りたいと思う

やましろ

かざらないままで綴りたいと思う

記事一覧

きものごと/丸ぐけ紐 作り方 覚え書き

丸ぐけ紐がほしい。 普段着として着物を着出してアレもコレも欲しい欲しいの物欲が留まるところを知らない。 而してお財布の中身は無限ではない。小物そんなにめちゃくちゃ…

やましろ
4日前
1

2022年ふりかえり

▶▶フォロワーのみなさま方 本年中は大変お世話になりました! 今年の7月24日、アイドール東京で初めて永日夜半としてお目見えし、あっという間に過ぎ去って行った5ヶ月…

やましろ
1年前
1

お手入れまとめ

※お洗濯はお控えいただくことが大前提です※※お洗濯は自己責任の上でおこなってください※お洗濯方法 ▽バッグ・小物類▽ ・メタリックサコッシュ(金・銀・黒) ・チ…

やましろ
1年前

イベント引取/L寸ジョッパーズ受注について

期間/11月23日18時まで 連絡/永日夜半(Twitter@unseemmoon)へDM ⇩注文用テンプレ⇩Twitterネーム/ 希望色・数/ 当日何時頃スペースにきていただけるか(未定可)/ …

やましろ
1年前

書くことは、自分に問いかけること。一次も二次も関係ない。

やましろ
2年前
1

苦しがる心のまま泣くことを許してくれたひとよ、老いや死の儚さを美しさだというひとよ、架空の物語に生きて死んだあなたの言葉で、わたしは今日もなんとか呼吸をしている

やましろ
3年前
2

しじまにて

 うるさいばかりの油蝉の鳴き声があちこちから聞こえてくる。コンクリートで固めた海岸線にはまばらに船が停まっていて、昼近い今の時間に小さな港はすっかり落ち着いてい…

やましろ
3年前
9

輝きばかりが希望ではない

ひかりの眩しさが 心をふるわせる あたたかさの中で やっと息をする あなたの微笑みが 私を少し殺して 傷ついた心の流す 血のしたたりに ようやく安堵する そんな時も…

やましろ
3年前
1

これは届かない手紙です

わたしは、書きたいはずなのに書けない日々が続いています。作品を公開することは手紙を書いて送ることと同じだと思えば、わたしは誰にあてるでもないものをいつも書いてい…

やましろ
3年前
1

誰とも重ねない朝

国道を走る まばらな車の音 まだ眠っている隣室から聞こえる 間抜けな寝息 走り抜けるバイクは 新聞配達ではない 曇りの日に似た あわい朝 ふと目覚めて ぬくぬくと…

やましろ
4年前
1

グリーンネックレス

植え替えをしました。のびのびと伸び、鉢底から根がちょっぴり出てきていたので。 初心者でも簡単に育てられる、という話だったので気楽に購入したグリーンネックレスは確…

やましろ
4年前
2

焼けた写真

思い出せなくなってゆくということは 思い出す必要がなくなったということなのだろうか 年経るほどに記憶は頁を減らし 残った部分も虫食いで 色鮮やかだったはずの写真は…

やましろ
4年前
1

去りゆくものよ

春から夏への変化はゆるやかだ。 夏から秋、秋から冬も同様。けれど冬から春の変化だけはあまりにも大きくて毎年戸惑ってしまう。 三寒四温のこの季節は、冬が溺れているみ…

やましろ
4年前
3

文学フリマ京都ありがとうございました🌼

去る1月19日、よるはみやこめっせに降り立った……なんて始めてみるけど第四回文学フリマ京都でした。 わたしは第一回の文学フリマ京都(雪のちらつくクソ寒い日だった………

やましろ
4年前
7

骨博【〈歯抜師〉全文公開/山城よる】

 わずかな薄明に、ぼんやりと木々の形が輪郭を取り戻し始める早朝の森。辺りは冷たい靄(もや)に沈んでいる。  痩せこけた女の身が砕かれる音と絶叫が、秋の彩りに満ちか…

やましろ
4年前
3

たっぷり試し読み

宝胤の夢/1 宝胤  大きな、さかなだったと思う。  それは、灰色や、青や赤に光る砂つぶの海をわたる。    おおきなさかな―  地上の凡てを灼き尽くすような太陽を…

やましろ
4年前
3
きものごと/丸ぐけ紐 作り方 覚え書き

きものごと/丸ぐけ紐 作り方 覚え書き

丸ぐけ紐がほしい。
普段着として着物を着出してアレもコレも欲しい欲しいの物欲が留まるところを知らない。
而してお財布の中身は無限ではない。小物そんなにめちゃくちゃ高価でないとはいえ(もちろん高価なものもある)無限に脳死で買いまくれる財力はない。

ので、作ることにした。

さしあたってネットの叡智を借りるべく検索する。へいしり!丸ぐけ紐の作り方調べて!
構造としては単純に芯を布で包んで紐状にしたも

もっとみる
2022年ふりかえり

2022年ふりかえり

▶▶フォロワーのみなさま方

本年中は大変お世話になりました!
今年の7月24日、アイドール東京で初めて永日夜半としてお目見えし、あっという間に過ぎ去って行った5ヶ月間でした。
ろくにドールのお写真もあげない上に、山鳥毛さん山鳥毛さんと推しに叫んでばかりのうるさいアカウントですのに、フォローをいただき、また温かく見守ってくださってありがとうございます。

▶▶はじまり、はじまり

昨年の10月頃、

もっとみる

お手入れまとめ

※お洗濯はお控えいただくことが大前提です※※お洗濯は自己責任の上でおこなってください※お洗濯方法

▽バッグ・小物類▽

・メタリックサコッシュ(金・銀・黒)
・チェーンショルダーのBIG BAG
・ころんとポシェットバッグ
・合皮のあづま袋
・その他アクセサリー類
⇨洗濯不可
⇨濡らしてかたく絞った柔らかい布でそっと拭う程度にしてください。
⇨スエード紐は水分と摩擦に弱いため、あまり触れないよう

もっとみる
イベント引取/L寸ジョッパーズ受注について

イベント引取/L寸ジョッパーズ受注について

期間/11月23日18時まで
連絡/永日夜半(Twitter@unseemmoon)へDM
⇩注文用テンプレ⇩Twitterネーム/
希望色・数/
当日何時頃スペースにきていただけるか(未定可)/

以下注意点、必ずご確認ください。





きたる12月3日のアイドール東京、メインの持ち込みがS寸ジョッパーズ各色となりそうです( ◜‿◝ )♡

イベントのためにL寸在庫を作ることはしないの

もっとみる

書くことは、自分に問いかけること。一次も二次も関係ない。

苦しがる心のまま泣くことを許してくれたひとよ、老いや死の儚さを美しさだというひとよ、架空の物語に生きて死んだあなたの言葉で、わたしは今日もなんとか呼吸をしている

しじまにて

しじまにて

 うるさいばかりの油蝉の鳴き声があちこちから聞こえてくる。コンクリートで固めた海岸線にはまばらに船が停まっていて、昼近い今の時間に小さな港はすっかり落ち着いていた。
 この町に訪れるのは学生の時以来だった。卒業後留学し、そこの教授についてあちこちの深海を調査していた。同じ学校で同じ海を学んだ学友たちも日本中世界中のあちこち様々な海にいると聞いていた。
 久方ぶりの日本の夏はひどくじっとりとしていた

もっとみる

輝きばかりが希望ではない

ひかりの眩しさが 心をふるわせる
あたたかさの中で やっと息をする
あなたの微笑みが 私を少し殺して
傷ついた心の流す 血のしたたりに
ようやく安堵する そんな時もある

これは届かない手紙です

これは届かない手紙です

わたしは、書きたいはずなのに書けない日々が続いています。作品を公開することは手紙を書いて送ることと同じだと思えば、わたしは誰にあてるでもないものをいつも書いていた。
いうなれば己を慰めるために書いていた。いつもわたしは、わたしのために書いていた。
今書こうとしているものも自分のための物語なのだと思う。誰かのための物語は書けないから、過去の、未来の、いつだかのわたしにあてて書いている。わたしが必要と

もっとみる

誰とも重ねない朝

国道を走る まばらな車の音
まだ眠っている隣室から聞こえる 間抜けな寝息
走り抜けるバイクは 新聞配達ではない
曇りの日に似た あわい朝

ふと目覚めて ぬくぬくとした布団からするりと出る
観葉植物に葉水をシュッシュして
お湯が沸くのを待つ間に窓をあけよう
朝一番の空気を丸ごと部屋に呼びこんで今日を始める

氷に落とす珈琲の香り
珍しく早起きの日は、少し何か読んでみようか

おはようと 誰にも言わ

もっとみる

グリーンネックレス

植え替えをしました。のびのびと伸び、鉢底から根がちょっぴり出てきていたので。

初心者でも簡単に育てられる、という話だったので気楽に購入したグリーンネックレスは確かに殆ど放置でこんなに元気に育ってくれた。
直接の日光が当たる場所に出しすぎて少し葉焼けを起こしてしまったり、あまりにも長い期間水やりをサボっていたせいでつぶつぶの葉が無残に萎んで枯れてしまった部分があったりもするのだけど、生育期には「マ

もっとみる
焼けた写真

焼けた写真

思い出せなくなってゆくということは
思い出す必要がなくなったということなのだろうか

年経るほどに記憶は頁を減らし
残った部分も虫食いで
色鮮やかだったはずの写真は白黒に
端からじわじわと燻って灰化してゆく

無くしたものを思って悲しい、というきもちが
何を無くしたのかわからずに戸惑っている
無くしてしまったということそのものが寂しい
大事にできなくて ごめんなさい

新しくみえるものの大波にわた

もっとみる
去りゆくものよ

去りゆくものよ

春から夏への変化はゆるやかだ。
夏から秋、秋から冬も同様。けれど冬から春の変化だけはあまりにも大きくて毎年戸惑ってしまう。
三寒四温のこの季節は、冬が溺れているみたい。冬の息ができなくなっていくのをわたしはただ流されて流されて眺め見るだけ。止まった吐息はあぶくになって、そこいらで爛漫と咲く。

すこし前まで春が嫌いだった。春はわたしからいつも何かを奪っていくものだったから。親しいものとの死別や離別

もっとみる
文学フリマ京都ありがとうございました🌼

文学フリマ京都ありがとうございました🌼

去る1月19日、よるはみやこめっせに降り立った……なんて始めてみるけど第四回文学フリマ京都でした。
わたしは第一回の文学フリマ京都(雪のちらつくクソ寒い日だった……)を一般で遊びに行き、第二回以降はずっとサークル参加をしています。

ジャンル選択を盛大に間違えてしまい、評論島に混ざり込んでBLを売ったときもありましたね……(遠い目)

第四回の今回は一日中賑わっていた印象が強かったです。
どこかの

もっとみる
骨博【〈歯抜師〉全文公開/山城よる】

骨博【〈歯抜師〉全文公開/山城よる】

 わずかな薄明に、ぼんやりと木々の形が輪郭を取り戻し始める早朝の森。辺りは冷たい靄(もや)に沈んでいる。
 痩せこけた女の身が砕かれる音と絶叫が、秋の彩りに満ちかける山を劈(つんざ)き、すぐに静まり返った。
 女の身は枯れ枝のようであったが、噴き出した温かい血は冷えた空気をかすかに湯気に変え、熊の毛をしとどに濡らす。強靭な熊のあぎとに掛かれば、人間の、それも女の肉体などいとも容易く砕けてしまう。熊

もっとみる
たっぷり試し読み

たっぷり試し読み

宝胤の夢/1 宝胤

 大きな、さかなだったと思う。
 それは、灰色や、青や赤に光る砂つぶの海をわたる。
 
 おおきなさかな―
 地上の凡てを灼き尽くすような太陽をものともせず游いでいく。
 ぎんいろの、まぶしい飛沫をたて、どこまでもわたって。
 雲でできた天上の輪を目指し、ひときわおおきく跳ね、
 そうして、僕の顔に夢の飛沫ではない砂つぶが、ざぶんと掛かった。

「皇子が落ちた!」
「駱駝を散

もっとみる