なつかしの祇園祭

NHK BSで祇園祭の宵山の特集をやっていた。
コロナで三年ぶりに復活したのだとか。
懐かしいなぁ。15年ほど前になるが、当時の私は自然育児友の会というのに入っていて、お母さんたち数人で子どもたちを連れ京都に行った。知恩寺というお寺に泊まり、関西に住む会員さん親子も何組か合流して、井上ウィマラさんという元お坊さんだった方の育児をテーマにしたワークショップを受け、祇園祭も見に行ったことがある。
息子はまだ3〜4歳くらいだったろうか。
紺色の甚平を着て、丸ぼんずで、鴨川を眺めていたっけ。
祇園祭では菊水鉾に乗り、ちまきと呼ばれるお守りを買った。

中学時代の友人が当時京都に住んでいて、私は旅の二日目に皆と別行動し、友人を訪ねた。四条通りや錦市場を案内してもらった。小さかった男の子は旅行で疲れたのだろう。友人の家のベッドで昼寝していた。その間ゆっくり私たちは語り、夜になると友人が作ってくれた身体にやさしい晩ごはんを皆で食べて帰ってきた。
友人の家を出て駅までの道を歩いていると、川床というのを初めて見た。
川床は、川の上や川沿いに席を作り涼みながら飲食を楽しむもの。私はこの世にそんなものがあるのを知らなかった。
闇の向こうで、川の上に提灯の明かりがいくつも灯り、揺らぎ、ひとが集い飲み食いを楽しむ様子を遠くから眺めて歩く。川沿いに立つお店からも人びとがいるにぎやかであたたかい雰囲気が感じられ、夢のようななんとも幻想的な光景を今でも覚えている。

私と息子は泊まっているお寺に一度戻り、着替えを持って近くの銭湯に行った。22時前くらいで暗くてお寺の敷地がしんとしていた。敷き詰めた石を踏む自分たちの足音が響いた。一緒に行った親子さんたちは大きな和室で雑魚寝し、ほとんど皆眠っていた。
そして初めての旅先の小さな銭湯。旅人の親子が一度きり訪れた銭湯はまだあるのだろうか。

祇園祭を見てまわったのは昼間だった。
長屋が並ぶ通りを歩くと、家々が持つ何百年も前に作られた掛け軸や絵などのお宝が通りに面して展示されていて、歴史を感じた。代々受け継がれた宝は普段見せることはないが、お祭りのときだけ一般の人に公開するのだという。北海道で生まれ育った私には丸っきり文化の違うこの場所が同じ日本とは思えず、やはり京都は特別な町だと感じたのを覚えている。


あの頃私はシュタイナー教育にはまり、いい教育とはなんだ?子どものためにはどうしたらいいんだと育児を模索していた時だった。同じような真面目なお母さんたちと集まり、真面目に語り合ったものだ。みんな元気かなぁ。
子育ては常に今、いま、今…の連続で、過去のことはどんどん記憶から遠くなる。その時その時でいつもどうしたらいいんだろうと悩み迷ってきた。
そして、まさに子どもが成長した今も悩んでいる。それは子どもの恋愛という、親離れ子離れするための最後の課題な気がしている。



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