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rakugaki_48「美術館へ行こう!【東京編】三菱一号館美術館(後編)」


三菱一号館美術館

私の現存する記録の中で、現在まで「三菱一号館美術館」の企画展に出かけたのは8回です。
これは今まで鑑賞してきた「三菱一号館美術館」の感想ブログ(後編)となります。


5)2013年10/5-2014年1/5「三菱一号館美術館名品選2013 近代への眼差し印象派と世紀末美術」

三菱一号館美術館名品選2013 近代への眼差し印象派と世紀末美術

つまりは所蔵作品展ですよね。
ルノワール、モネら印象派。
そしてルドン、トゥールーズ=ロートレック、ヴァロットン。
19世紀から20世紀初頭にかけて、フランス・パリを中心に、互いに刺激し合い、影響し合った画家たち。

本展では、三菱一号館美術館のコレクションの中から、その後の芸術に大きな影響を与えた、29人の美術家たちが紡ぎ出した作品群を展示しているそうです。
収蔵後初公開を含む、149点の選りすぐりの名品とのこと。
そう言えば、ここの所蔵作品展は初めてな気が。
これは見ておかねばと期待も膨らんでいたのですが、観に行かれた方の情報で油彩画が少なく版画が多いと知ったので、思いっきり期待のハードルを下げて臨みました。
三菱一号館美術館は3月に観に行った「クラコレ」以来なので、随分ご無沙汰していた気がします。

なるほど~。
ルドンの版画が多いんですよね。
あと、ロートレックの版画も。
でも期待を下げての鑑賞なので、割と楽しく観ることができました。
ルノワールの「長い髪をした若い娘(麦藁帽子の若い娘)」はやはり美人さんでしたし、ルドンの「グランブーケ」はまた会いましたねって感じ(笑)
普段は企画展だけで、所蔵作品が観られなかったので満足です。


6)2015年10/10-2016年1/31「三菱一号館美術館 開館5周年記念 プラド美術館展 ースペイン宮廷 美への情熱」

三菱一号館美術館 開館5周年記念 プラド美術館展 ースペイン宮廷 美への情熱

昨日、土曜日に行って来ました。
何と、約3ヶ月振りの美術鑑賞です。
東京に来て2ヶ月が経ち、3連休ということもあって、ようやく観に行く気持ちの余裕が生まれました。

三菱一号館美術館はOPENしたときの企画展「マネとモダン・パリ」を2010年4月に観に行った、ちょっと思い入れのある美術館です。
といっても、あまりの迷路振りに苦情めいた感想を書きましたが(笑)
2013年10月に観に行った「三菱一号館美術館名品選2013 近代への眼差し印象派と世紀末美術」以来です。
2年以上ご無沙汰をしていました。
で、この美術展は今月末で終了なのですが、何とか間に合いましたね。

18世紀のヨーロッパでは、それまで王侯貴族や聖職者など一部の限られた人びとのものであった芸術を、大衆のものにするという考えが急進的に発達し、スペインにおいては1819年に王立美術館としてプラド美術館が開館しました。
その大きな特徴は、徴用した作品ではなく、王室コレクションを中核として設立された点にあるそうです。
そのため、プラド美術館は世界中の全ての時代、国籍、流派、芸術運動などを網羅した百科全書的なものとは性格を異にし、独特のコレクションを有する個性豊かな美術館として発足しました。
15世紀にカトリック両王がフランドル美術を愛好し、所蔵したことを起源とし、歴代の王たちはそれぞれの嗜好に合った画家を庇護し、また、作品を購入、蒐集していきました。
その後、1700年にスペイン・ハプスブルク王家の最後の王カルロス2世が崩御し、ブルボン王朝が樹立されると、本国フランスから画家が呼び寄せられるなど、嗜好に変化が表れます。
このように、プラド美術館を生み出したのは、15世紀以降のスペインを統治した歴代国王の美術に対する情熱や、蒐集における個性的な嗜好でした。
プラド美術館は世界でも有数の美術館ですが、それは規模や収蔵品の多種性に由来するものではなく、コレクションに一貫して存在する美術への情熱によるもので、網羅性よりも濃密さにおいて秀でています。
そのコレクションは現在、約7600点の絵画、約1000点の彫刻、約4800点の版画、約8200点の素描、そして膨大な数の芸術作品・歴史にまつわる文書から成っているそうです。

で、その膨大なコレクションの中からの今回の美術展、う~ん、小作品がメインでしたね。
しかし混雑もあまりなく、鑑賞はしやすかったです。
ただ、これっていう作品には残念ながら出会えませんでした。
ピンとはこない美術鑑賞でしたが、とは言えようやく美術館に訪れることが出来て良かったです。


7)2017年2/4-5/21「オルセーのナビ派展 美の預言者たち ーささやきとざわめき」

オルセーのナビ派展 美の預言者たち ーささやきとざわめき

月日が過ぎるのは早いもので、もう3月っ!?って驚いてしまいます。
暦の上ではもう春で日中は徐々に暖かくなってきましたが、朝夜はまだまだ寒くコートやジャケットを手放せない日が続きますね。
早く暖かいシーズンの訪れを求める気持ちと、花粉の本格シーズンの訪れに、ちょっと相反する心と体です。
そんな中、3月に入って初めての美術館に出かけました。

19世紀末のパリで、前衛的な活動を行った若き芸術家のグループが「ナビ派」です。
ボナール、ヴュイヤール、ドニ、セリュジエ、ヴァロットンらを中心とするナビ派の画家たちは、ゴーガンから影響を受け、自らを「ナビ(預言者)」と呼んで、新たな芸術表現を模索しましたそうです。

本展は、近年国際的に評価が高まるナビ派の芸術を、日本で初めて本格的に紹介する展覧会だそうです。
オルセー美術館が誇るナビ派のコレクションから、油彩約70点、素描約10点など合わせておよそ80点が一堂に会します。

三菱一号館美術館は昨年の1月に観た「三菱一号館美術館 開館5周年記念 プラド美術館展 ースペイン宮廷 美への情熱」以来、1年以上のご無沙汰でした。
久し振りの三菱一号館美術館と、いつか観たいと思っていたジブリ風の絵画、フェリックス・ヴァロットンの「ボール」も観る事ができると知ってワクワクして美術館に出かけました。

目玉作品はないのかも知れませんが、見応えのある名作揃いでした。
先ほどあげた「ボール」も素敵ですし、他にもアリスティード・マイヨールの「女性の横顔」やピエール・ボナールの「ブルジョア家族の午後」、「黄昏(クロッケーの試合)」など、見惚れる作品に出逢えることができました。
また、三菱一号館美術館館の施設内の特性上、通路で鑑賞客が詰まりやすくなるのですが、今回は全くそういうこともなく、快適に鑑賞することが出来るほど空いていたのが素敵でした。

図録を購入するかどうか迷いましたが、今回は決め手となる作品もなかったので、ポストカードとクリアファイルを購入して美術館を後にしました。


8)2017年6/17-9/24「レオナルド×ミケランジェロ展」

レオナルド×ミケランジェロ展

今日から7月ですね。
しとしとと雨が降っている、久し振りに梅雨らしい天気です。
こんな日の休日は、大作よりも小作品を観るのに相応しいのではと三菱一号館美術館に向かいました。
今回の美術展に関しての予備知識はあまりありませんが「レオナルド」に「ミケランジェロ」となるとそんなに容易く大作が来る訳もなく、間違いなく素描やメモがメインに数点あって同時代の画家作品か模写の作品が多数なのだろうなと予想。

やはり、予想的中みたいですね(笑)
でも、こんな雨の日はそんなささやかでも巨匠が残した凛とした作品群が相応しく思えました。

本展は15世紀イタリアで、芸術家の力量を示す上で最も重要とされた素描(ディゼーニョ)に秀でた2人を対比する日本初の展覧会だそうです。
素描のほかに油彩画、手稿、書簡など、トリノ王立図書館やカーサ・ブオナローティ所蔵品を中心におよそ65点が一堂に会します。
「最も美しい」素描とされる、レオナルド作《少女の頭部/〈岩窟の聖母〉の天使のための習作》と、ミケランジェロ作《〈レダと白鳥〉の頭部のための習作》を間近で見比べるらしいので、こちらが今回の美術展の見どころですね。

ほどほどの混みよう。
でも、前面でも観ることはできます。
想定していたせいか、素描がメインでも楽しめました。

度重なる部署異動で、また忙しくて遅くなる部署入りとなったため、今回の美術鑑賞は久し振りの一服の清涼剤となりました。


以上、三菱一号館美術館での美術鑑賞でした。
2010年に開館した新しい美術館ではありますが、見た目はレンガでモダンな造りです。
広々とした美術館に慣れていると、割と狭い小部屋の連なりのような構造なので閉塞感を感じがちになります。
それでも慣れるもので、2013年に鑑賞した「クラコレ」は非常に楽しめた美術鑑賞となりました。
立地的に丸の内なので仕事帰りに美術鑑賞とか、都心にお勤めの方には便利な立地の美術館です。

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