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【本の紹介】「私を変な子のままでいさせてくれて、ありがとう。」眠れない夜は体を脱いで/彩瀬まる

こんにちは、いろです。

今日は、最近読んだ本の中から1冊
紹介しようと思います。

タイトルの通り、
彩瀬まるさんの
眠れない夜は体を脱いで
という作品です。

今までに読んだ彩瀬まるさんの作品は
骨を彩る」や「やがて海へと届く
それから「さいはての家」などがありますが
それらと、特に最初に書いた2作品に比べると、
ライトで読みやすい内容でした。

でもやっぱり、
彩瀬まるさんの作品を読んだ時に感じる
胸がギュッとなって、
ふわっと軽くなる感覚や、
柔らかい空気感、
そんな読み心地はしっかりとあります。


みんな、自分自身や様々なものに
違和感やモヤモヤを抱えたまま生きていたり、
素の自分をなかなか出せなくて、
素の自分てなんだろう、
本当の自分てなんだろう、って、
人に見せている自分は自分じゃないような
なんだかそんな気持ちになったり、
自分じゃないなら一体誰なんだろうと思ったり。

こうじゃないと、もっとこうしないと、
こんなんじゃダメだ、自分はダメなんだ、
みんなもっとこうなのに、わたしはなんでって
着込んだ沢山の体を脱げる場所が欲しくて、
探して探して、迷って迷って、
もがいていたりするんだろうな。

みんなきっとそうだよね、
そんなもんだよね?
って思わせてくれる。

みんなそういう時あるよ、
大丈夫だよ、まだまだこれからだよ、
いつからでもやり直せるし
いつからでも何でも見つけられるよ、
そんなふうにただ寄り添って、
そっと背中に温かい手を添えてくれるような、

そんな一冊です。


生き辛いとまでは言わなくても
なんだか息苦しいときがあるんだ、
そんな全ての人へ。

眠れない夜に。


帯の「私を変な子のままでいさせてくれて、ありがとう。」
は作中に出てくる最も印象的な言葉のひとつだった。



最後に少しだけ印象に残った言葉を残して
終わりにしようと思います。

「これからどんどん楽になるよ。息抜きしたり、自分を作り変えたり、そういう力をあんただけじゃなくて周りも手に入れて、優しくなるから。あと少しだけがんばって」

か細い歓びを手放さぬよう、ぎゅう、と拳の内側へ握り込む。

きっとこの奇跡は、一人ぐらい、本当の自分を伝えて、それでも手をつないで歩いてくれる人を見つけなさいってことだったんだ。

理解できないもの、干渉できないものに、人は執着と憎らしさを感じるのだ。

新しい価値を不快に感じるのは、それまでのルールにうまく乗ってこられた奴だ。


こちらも合わせてぜひ♡


それでは今日はこの辺で。


最後まで読んでくださってありがとう。

また気が向いたら、来てくださいね。



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