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冬に思い出す、泣きながらご飯を食べた日のことを。

近所の公園の木たち、
今年はいつまでも綺麗な黄色や赤になりきらず
ところどころ黄緑や赤茶けた色になり
紅葉とは言えないような色のまま
長い時間が経っていたけれど、
慌ただしい日が少し続き、気がついたら、
いつの間にか木の葉がほぼ全て落ちていて、
枝が剥き出しになっている。
裸ん坊の木は、なんだか見るからに寒そうだ。
この寒さにじっと耐えて、
ただひたすらに春を待つのだから、強い。

いよいよ震え上がるほどの寒さがやってきて
ふと、思い出した。

楽しい話ではないのが残念だけど
それでも、自分を褒めてあげたい思い出だから
書いてみようと思う。

昔と呼ぶには近すぎるけど、
最近と呼ぶには少し遠い、
ある冬の日のお話。



泣きながらご飯食べたこと、ありますか?



何年も前のちょうど今くらいの時期だった、

仕事の帰り道に突然涙が止まらなくなり、
かと言って寒い中うずくまって泣く気にもならず
泣きながらひたすらに帰り道を歩いていた。

その日はほとんど何も食べていなくて
お腹もぺこぺこで、でも家に帰って作る
そんな元気なんてない、でもこのままだと
心も身体も壊れてしまいそうだった。
温かくて美味しいごはんを食べなくては、
そう思ってご飯屋さんに入った。

夜遅く、空いているお店が少なくて
入ったそこは焼肉屋。

お店に入ってご飯を食べ始めても
わたしの涙は止まってくれなかった。
仕方がないので泣きながら食べて、
お店を出て、泣きながら帰って、
家に着き、泣きながら猫にごはんをやり、
泣きながらベッドに潜り込んで猫と一緒に寝た。


次の日からはもう、泣かなかった。

目が覚めて、
ああ、わたしの涙はとうとう枯れたのだ
そう思った。


泣きながらご飯を食べたわたしは、
まだ、生きてる。

これからも冬になると思い出すだろう。
そして、あの時のわたしよく頑張ったね
そう心の中で過去の自分を労うのだろう。



それでは今日はこの辺で。


最後まで読んでくださってありがとう。

また気が向いたら、来てくださいね。



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