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春悔 (季節を詠う1/4)

青く、月が沈んでゆく
ひどく透明な湖

開け放った窓には翼の影
何かに怯えて明日を待つ、私たちの心を映す

消えかかったろうそくの灯りをそっと手のひらで消し、
きみが飛び立ったあの春の音を思い出していた。


煌々と照る月にはなみだ

うたかたの幻、つゆと消えにし


罪深き私の過去を振り返れば、何者にも許されるはずの無い己が身を愁いて

遠ざかる幻想、届かぬ指の先

未だ微かにすら見えぬ、私の行く先

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季節を詠う(1/4)



一昨日、残暑の太陽光の下
地元の海を眺めながら書きました。
春の要素がない環境下で春の詩が生まれるのは不思議です。

散歩がてらに外で詩を書くのが好きです。
お気に入りのノートとペンを持って、風の向くままに。
優しい日の当たる場所を探してうろうろ。

思い付きで適当に名付けた「季節を詠う」シリーズ
次は夏。

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